選考委員の選定モデル詳細
菅原 茂(66歳) 時計ジャーナリスト
「変化を楽しむって、ほんとうに楽しい?」 ヴィンテージの演出のひとつ。エイジングとは聞こえはよいが、劣化的変化に筆者が愛着を覚えることはないだろう。今回はランクなし、見栄えの良さのみで選んだ。 ・ チューダー/ブラックベイ ブロンズ |
篠田哲生(45歳) 嗜好品ライター
「ストーリーのある素材使いがキモとなる」 そもそもブロンズは高級素材ではない。それを高級時計に使用するという傾向は、まさしく時計が“ファッション”になったという証明だろう。となると、ブロンズの時計に求められるのは、見た目のカッコよさとストーリーということ。なぜその時計なのかという、語れるポイント重視で選びたい。 1 ベル&ロス/BR03-92 ダイバー グリーン ブロンズ |
安藤夏樹(44歳) 編集者
「エイジングが時計の価値を高める時代」 ヴィンテージ市場では「ミントコンディションこそ最良」という考え方があるが、近年はエイジングに重きを置くコレクターも増加。オリジナルと寸分違わぬ復刻版が作れるようになった現代だからこそ、ベゼルの退色などの経年変化が価値を生む。実在した時間は裏切らないのだ。短期間で自分の1本を「育てる」楽しみは、復刻デニムのようだ。 1 パネライ/サブマーシブル ブロンゾ -47mm |
髙木教雄(55歳) ライター
「トレンド感を遊ぶ」 硬くて傷付かず、軽い──そんなハイテク素材とは真逆。ブロンズケースの流行はヴィンテージ調やミリタリーといったファッショントレンドの影響が大きいのだろう。経年変化が速い銅×錫は少数派で、大半は緩やかに変化するアルミ青銅やマンガン青銅。定番化するか懐疑的なので、トレンド感あるヴィンテージ系をメインに選んだ。 1 パネライ/サブマーシブル ブロンゾ -47mm |
名畑政治(60歳) 時計ライター
「経年変化という弱点が逆に長所となった」 「すぐに変色するし緑青がわく」と敬遠されたブロンズがトレンドとなったことに驚くが、エイジングが近年のファッションにおけるキーワードだから当然の流れである。個人的にも欲しいモデルがザクザク。例によってすべて同列、順位なし。 ・ パネライ/サブマーシブル ブロンゾ -47mm |
広田雅将(46歳) 『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー
「好事家向けのアイテムではなくなったブロンズ」 ブロンズウォッチがリリースされた際、これは一部の時計マニアしか買わないという意見があった。かくいう筆者も同感だった。しかし、意外な広まりを見せ、今やひとつのジャンルになろうとしている。触った限りでいうと普段使いは十分可能。袖口も思ったほどは汚れない。ただし、小傷が付きやすい点は要注意だ。 1 IWC/アクアタイマー・クロノグラフ “エクスペディション・チャールズ・ダーウィン” |
ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。
●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。
●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。
●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。
●最低有効得票数を2票とする。
※パネライはディストリビューターの都合により、得票があった場合でも順位に含まれません。