旅に出たくなるワールドタイムウォッチ ランキング10

選考委員による選定モデルの詳細

菅原 茂（69歳） 時計ジャーナリスト
「パテック独壇場は揺るがず」

典型的なルイ・コティエ式の機能では、どこが作ってもデザインが似たり寄ったり。これはという現行品も少ない。やはり古典のパテック フィリップと最新のブルガリ2択かな。ワールドタイム的デュアルタイムも探してみたが、あまり見つからなかった。

1. パテック フィリップ／ワールドタイム 全般
2. ブルガリ／オクト ローマ ワールドタイマー
3. オメガ／シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー
4. IWC／パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・クロノグラフ
5. フレデリック・コンスタント／クラシック ワールドタイマー マニュファクチュール グローブトロッターエディション
6. ブレゲ／マリーン オーラ・ムンディ 5557

篠田哲生（46） ウォッチディレクター
「世界とつながるロマンティックな時計」

時差修正機構はいろいろあるが、世界中の時刻がすぐにわかるというワールドタイムのロマンティックな魅力は別格。仕組み上、ケース径が大きくなりやすいのは人によっては弱点にはなるだろうが、小径だと表示も小さくなってしまうので、むしろちょっと大きめの方が好み。旅先でも便利に使えるが、自宅で世界のライブカメラを見ながら時計を眺めるというのもオツな時間ではなかろうか。

1. パテック フィリップ／ワールドタイム 5230
2. ブルガリ／オクト ローマ ワールドタイマー
3. ルイ・ヴィトン／エスカル ワールドタイム
4. モンブラン／スター レガシー オルビス テラルム
5. エルメス／アルソー ル タン ヴォヤジャー
6. フレデリック・コンスタント／ハイライフ ワールドタイマー マニュファクチュール
7. ブレゲ／マリーン オーラ・ムンディ 5557
8. ジャガー・ルクルト／ポラリス・クロノグラフWT
9. グラスヒュッテ・オリジナル／セネタ・コスモポリト
10. IWC／パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー

安藤夏樹（47歳） 編集者
「ワールドタイムにはブランドの世界観が凝縮されている」

数ある複雑機構の中でも、最も実用性の高いもののひとつがワールドタイムだろう。コロナ禍の終焉で旅に出る楽しみが再び現実のものになった今こそ、ワールドタイムウォッチはワクワク感のあるものを手にしたい。実は、ブランドの考えや世界観が色濃く投影されることの多いワールドタイム。今回は各ブランドの“らしさ”が際立つ時計を中心に選んだ。

1. ルイ・ヴィトン／エスカル ワールドタイム
2. A.ランゲ&ゾーネ／ランゲ1・タイムゾーン
3. IWC／パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・クロノグラフ
4. パテック フィリップ／ワールドタイム 5231G-001
5. オメガ／シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー
6. ブライトリング／ナビタイマー8 オートマチック ユニタイム43
7. ブルガリ／オクト ローマ ワールドタイマー
8. フレデリック・コンスタント／ハイライフ ワールドタイマー マニュファクチュール

髙木教雄（60歳） ライター
「各社個性が際立つ自社製ワールドタイム」

ワールドタイム機構は、どうしてもルイ・コティエ式が主流となる。それ以外にも革新的な機構はいくつも存在し、操作方法や表現において独創性が光るモデルをセレクトした。ジラール・ペルゴやヴァシュロン・コンスタンタンも上質なワールドタイム搭載ムーブメントを有するが、現行のカタログからは搭載モデルが見付けられなかった。コロナ禍による渡航制限が解かれた今、再登場を切望する。

1. パテック フィリップ／ワールドタイム 5230
2. ブレゲ／マリーン オーラ・ムンディ 5557
3. エルメス／アルソー ル タン ヴォヤジャー
4. A.ランゲ&ゾーネ／ランゲ1・タイムゾーン
5. ルイ・ヴィトン／エスカル ワールドタイム
6. IWC／パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー “プティ・プランス”
7. オメガ／シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー
8. ジャガー・ルクルト／ポラリス・クロノグラフWT
9. ブルガリ／オクト ローマ ワールドタイマー
10. フレデリック・コンスタント／クラシック ワールドタイマー マニュファクチュール

名畑政治（63歳） 時計ライター
「往年の傑作がどれも絶版なんて……」

「ワールドタイム傑作選」というテーマだが、いざ探すとジラール・ペルゴの「WW.TC」も、ティソの「ナビゲーター」も、ユリス・ナルダンの「GMT±」も、現行品には見当たらず（まだあったらゴメンナサイ）。こういう傑作をちゃんと作り続けて欲しいなぁ。例によって、すべて同列、順位なし。

• パテック フィリップ／ワールドタイム 5230P
• ショパール／L.U.C タイムトラベラー ワン
• アンデルセン・ジュネーブ／ワールドタイム
• オメガ／シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー
• ジャガー・ルクルト／ポラリス・クロノグラフWT
• モンブラン／1858 ジオスフェール

広田雅将（48歳）『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー
「機能か見た目か、それが問題だ」

あれば便利、しかし無くても構わないのがワールドタイム機能だ。最近は機能性と審美性、そして使い勝手の良さを兼ね備えたものが増えてきた。パテック フィリップは不動だが、最近はスウォッチ グループに良品多し。都市表示で遊んでいるブルガリは面白いので選に加えた。

1. パテック フィリップ／ワールドタイム 5230P
2. ブレゲ／マリーン オーラ・ムンディ 5557
3. グラスヒュッテ・オリジナル／セネタ・コスモポリト
4. A.ランゲ&ゾーネ／ランゲ1・タイムゾーン
5. オメガ／シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー
6. モンブラン／スター レガシー オルビス テラルム
7. アンデルセン・ジュネーブ／ワールドタイム
8. ブルガリ／オクト ローマ ワールドタイマー
9. シチズン／アテッサ ダイレクトフライト
10. IWC／パイロット・ウォッチ・タイムゾーナー・トップガン・セラタニウム

ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。
●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点……　10位2点として選考モデルに振り分ける。
●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える（選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする）。
●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。
●最低有効得票数を2票とする。