ストラップとバックルの加工品質はどうだろう。あえて飛行機に例えるならば、ビジネスクラスのレベルと言えるだろう。半へり返し仕立てのアリゲーターストラップは縫い目こそ丁寧だが、裏材の穴のいくつかにはほつれが見えた。バックルは繊細なヘアライン仕上げで装飾されているものの、内側には加工の痕跡が少し観察される。ストラップとバックルは全体的にクリーンな仕上がりだが、文字盤のような精巧さにはやや欠ける。
手首に着けた時の感触は、飛行機のシートと同じように快適である。膨らみを持ったケースバックはほとんど感じられず、圧迫感もない。このように、71万4000円を支払えば、有益な機能を備えた賢く美しい旅の伴侶を手に入れることができる。シーマスター アクアテラ GMTは、デザインが魅力的であることのほかに、旅先で時刻を確認するのに便利なGMT機能を備えたマニュファクチュールムーブメントを搭載していることで説得力がある。また、この時計ではほぼすべての構成要素が丁寧に加工されており、操作も非常に快適である。ただ、同じアクアテラ・コレクションのベーシックモデルに比べて高額なのが、やや気になる点だ。
ベーシックモデルは、3針時計であること以外は今回のテストウォッチと同等のスペックを備えており、搭載ムーブメントはセカンドタイムゾーンも視野に入れて開発、設計されたものであるにもかかわらず、20万円以上も安いのである。だが、他メーカーのGMTウォッチと比較すれば、シーマスター アクアテラ GMTの価格設定はそれほど常軌を逸したものではない。この価格に納得できる愛好家は、ヨットの上でもサファリツアーの最中でも、スポーティーなドレスウォッチに喜びを見いだすことができるだろう。この時計はさらに、きちんとした身だしなみも保証してくれるのだ。
技術仕様
オメガ/シーマスター アクアテラ GMT
製造者: | オメガ |
Ref.: | 231.13.43.22.01.001 |
機能: | 時、分、秒(ストップセコンド仕様)、日付(1時間刻みで合わせられる時針で調整可能)、セカンドタイムゾーン |
ムーブメント: | オメガ自社製キャリバー8605、自動巻き、クロノメーター、2万5200振動/時、38石、コーアクシャル脱進機、フリースプラングテンプ(マイクロスクリューによる微調整)、直列接続式ツインバレル、耐震軸受け(ニヴァショック使用)、パワーリザーブ約60時間、直径29mm、厚さ5.5mm |
ケース: | SS製、ドーム型サファイアクリスタル製風防(両面無反射コーティング)、ねじ込み式トランスパレントバック、15気圧防水 |
ストラップとバックル: | アリゲーターストラップおよびSS製セーフティーフォールディングバックル |
サイズ: | 直径43mm、厚さ14.15mm、重量112g |
価格: | 71万4000円 |
*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事です。
精度安定試験 (T24の日差 秒/日、振り角)
平常時 | ||
文字盤上 | +7 | |
文字盤下 | +6 | |
3時上 | +7 | |
3時下 | +5 | |
3時左 | +6 | |
3時右 | +6 | |
最大姿勢差: | 2 | |
平均日差: | +6.2 | |
平均振り角: | ||
水平姿勢 | 238° | |
垂直姿勢 | 220° |
評価
ストラップとバックル(最大10pt.) | 8pt. |
操作性(5pt.) | 4pt. |
ケース(10pt.) | 8pt. |
デザイン(15pt.) | 14pt. |
視認性(5pt.) | 4pt. |
装着性(10pt.) | 8pt. |
ムーブメント(20pt.) | 18pt. |
精度安定性(10pt.) | 8pt. |
コストパフォーマンス(15pt.) | 12pt. |
合計 | 84pt. |