快適な着け心地
この時計は実際に着けてみると、驚くほど快適だ。この手のサイズの外見からは、ちょっと想像できないほど心地よい。これは何よりもぐいっと下向きになっているラグの形状によるところが大きい。ストラップを取り付けるのはバネ棒ではなくビス留め式。パイプのようなしっかりした棒が、幅広のストラップを保持し、頑丈さが安心感を添える。
赤みがかった茶色のストラップと明るい色のステッチのコントラストも、ヴィンテージ感を醸し出している。縁は裁ち切りでラッカー塗装はなく、厚みも堂々たるものだ。見るからに硬い印象だが、着けてみると快適なのが興味深い。ちなみに、収縮させてなめした、やや明るめのストラップも用意されているが、こちらのほうが格段にしなやかさがある。PAM00372にはストラップ付け外し用のドライバーが備えられている。これがあれば自分でストラップの付け替えができるというわけだ。最初に付けられているストラップも上質のものではあるが、この時計の魅力をより一層満喫するために、ストラップに選択肢が用意されているのはありがたい。
パネライは先頃、価格の見直しを行い、PAM00372は現在、88万2000円。一見すると、日付表示と秒表示のない手巻きでプレキシガラス風防の時計としては、結構な金額と思われるかもしれない。それでもすべてのパーツが高いクォリティで作り出され、整然と組み立てられた自社開発ムーブメントを見ると、見合った金額と言えるだろう。
このPAM00372は歴史的モデルにかなり近い、パネライに今までなかったタイプであるということも大きな魅力だ。そして、日付もスモールセコンドも排除した簡潔さにもかかわらず、完璧なまでの調和を見せる。やはり歴史は、“簡素は美なり”と教えてくれているのだ。
技術仕様
パネライ/ルミノール 1950 スリーデイズ-47MM
製造者: | オフィチーネ パネライ |
Ref.: | PAM00372 |
機能: | 時(単独調整可能)、分 |
ムーブメント: | キャリバーP.3000、手巻き、2万1600振動/時、21石、耐震軸受け(インカブロック使用)、グリュシデュール製テンワ、パワーリザーブ約72時間、直径37.2mm、厚さ5.3mm |
ケース: | SS製、無反射加工ドーム型プレキシガラス風防、リュウズガード、ねじ込み式トランスパレントバック(サファイアクリスタル使用)、10気圧防水 |
ストラップとバックル: | ブラウンのレンジャーカーフ(標準装備)とヴィンテージゴールドカーフ(交換用)の2種類、SS製バックル |
サイズ: | 直径47mm、厚さ16.5mm、重量144g |
バリエーション: | |
価格: | 88万2000円 |
*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事です。
精度安定試験 (T24の日差 秒/日、振り角)
平常時 | ||
文字盤上 | +7 | |
文字盤下 | +3 | |
3時上 | +5 | |
3時下 | -3 | |
3時左 | -5 | |
3時右 | +8 | |
最大姿勢差: | 13 | |
平均日差: | +2.5 | |
平均振り角: | ||
水平姿勢 | 264° | |
垂直姿勢 | 236° |
評価
ストラップとバックル(最大10pt.) | 8pt. |
操作性(5pt.) | 5pt. |
ケース(10pt.) | 8pt. |
デザイン(15pt.) | 15pt. |
視認性(5pt.) | 4pt. |
装着性(10pt.) | 9pt. |
ムーブメント(20pt.) | 16pt. |
精度安定性(10pt.) | 6pt. |
コストパフォーマンス(15pt.) | 12pt. |
合計 | 83pt. |