確実にロック。
セーフティーフォールディングバックルは、開けるのが困難なほど難攻不落。
セーフティーフォールディングバックルは、開けるのが困難なほど難攻不落。
テクノロジーの値段
見事なコストパフォーマンスも、ジンのさらなる強みである。
と言っても、予価44万3100円のテストウォッチ(144・TI・DIAPAL)だけを見ていては、コストパフォーマンスの良さをすぐには理解できないかもしれない。しかし、この時計の特殊なスペックを吟味すれば、コストパフォーマンスの高さは一目瞭然だろう。それでもなお、ディアパル・テクノロジーやドライ・テクノロジー、セカンドタイムゾーン、そして、チタンケースといったハイスペックなオプションが必要ないというユーザーのために、シンプルなステンレススティールケースとブレスレットのモデル(144・ST・SA)が29万4000円で用意されている。しかし、このスペックでは“ただの"時計であり、テクノロジー満載の時計とは呼べなくなってしまう。
ドライ・テクノロジーとオイルフリー脱進機のメリットは、機構の性格上、数年経たないと実感することができない。そのため、前述の差額を支払う価値があるかどうかは、ユーザー自身で判断しなければならない。だが、基礎研究を推し進め、機械式時計特有の弱点を克服しようとしたジンの姿勢は、高く評価できる。こうした努力にもかかわらず、価格が支払い可能な範囲に抑えられているのも好ましい。セカンドタイムゾーンを搭載した、極めて堅牢かつ長持ちするクロノグラフで、飛行にも水泳にもふさわしく、(ドライ・テクノロジーによって)風防が曇らないモデルを探すのであれば、144・TI・DIAPALに代わる選択肢を同じ価格帯で見つけることは非常に困難であろう。
技術仕様
ジン/144.TI.DIAPAL
製造者: | ジン特殊時計会社 |
Ref.: | 144.TI.DIAPAL |
機能: | 時、分、秒、日付、セカンドタイムゾーン、12時間・30分・60秒積算計を備えたクロノグラフ |
ムーブメント: | ETA7750ベース、自動巻き、2万8800振動/時、25石、耐震軸受(インカブロック使用)、グリュシデュール製テンワ、偏心ネジによるエタクロン式緩急調整装置、直径30mm、厚さ7.9mm、パワーリザーブ約46時間 |
ケース: | チタン(グレード2)製、両面無反射コーティングのサファイアガラス、ねじ込み式トランスパレントバック、負圧耐性、20気圧防水 |
ストラップとバックル: | チタン(グレード2)製ブレスレットおよびセーフティーフォールディングバックル |
サイズ: | 直径41mm、厚さ14.5mm、総重量105g |
バリエーション: | レザーストラップ仕様 |
価格: | 44万3100円(発売時期未定) |
*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事です。
精度安定試験 (日差 秒/日、振り角)
平常時 | クロノグラフ作動時 | |
文字盤上 | +4 | +6 |
文字盤下 | +4 | +5 |
3時上 | +6 | +8 |
3時下 | +7 | +7 |
3時左 | +1 | +2 |
3時右 | +8 | +9 |
最大日差: | 7 | 7 |
平均日差: | +5 | 6.2 |
平均振り角: | ||
水平姿勢 | 311° | 301° |
垂直姿勢 | 276° | 263° |
評価
ストラップとバックル(最大10pt.) | 7pt. |
操作性(5pt.) | 4pt. |
ケース(10pt.) | 8pt. |
デザイン(15pt.) | 12pt. |
視認性(5pt.) | 5pt. |
装着性(10pt.) | 9pt. |
ムーブメント(20pt.) | 14pt. |
精度安定性(10pt.) | 8pt. |
コストパフォーマンス(15pt.) | 13pt. |
合計 | 80pt. |