2021年新作時計から厳選！BEST BUY WATCH／ドレスウォッチ編

ダイアル上の針が少ないほど、あるいは薄型であるほど、ドレスウォッチとしての佇まいはエレガンスを感じさせる。端正で美しい時計であれば、尚更だ。それがビジネスシーンであっても、お洒落をして出かける休日のシーンであっても服装と同じく、大切なのはともに周囲の誰かに不快な印象を与えないことだ。これ見よがしではなく控えめで、それでも華やかさと主張のあるドレスウォッチ。そして変容した日常にかつてのようなメリハリがなくなってしまったからこそ、気持ちを高揚させるハレの場を、そんな時計とともに自分の意思で作っていきたい。

『クロノス日本版』編集長がアドバイス！
ドレスウォッチ選びのポイント

今でこそやや影が薄くなったが、腕時計の正統派はやはりドレスウォッチだ。ビジネスからパーティーにまで対応するこのジャンルの時計には、高い品格が求められる。もっとも、ドレスウォッチの条件を完全に満たすのはかなり難しい。薄いケースに、ローマ数字インデックスを持ち、秒針と日付表示のないモデル。

こういった時計がほとんどないことを考えれば、今の時代はもっと気軽に選んでも良さそうだ。最低限の条件は、ケースが薄めであること。また、普段使いしたいならば、ムーブメントは自動巻きであることが望ましい。ただし、薄い自動巻きにはデスクワークで十分に巻き上がらないものがあるので、その場合はワインダーを買ったほうがいい。

今買うべき“ドレスウォッチ”8選

カルティエ「タンク ルイ カルティエ」

貴金属のケースを用いた「タンク」の上位モデル。モノトーンのダイアルが多い中、今作では鮮やかなブルーを取り入れた。同時に発表されたバリエーションとして、レッドの文字盤とイエローゴールド製ケースを組み合わせたモデルもある。

パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF マイクロローター」

一体型設計のマイクロローター自動巻きを採用することによって、厚さ3mmを実現した薄型ムーブメントCal.PF703を搭載。結果、ケース厚は7.8mmに抑えられた。2針というシンプルな構成と相まって、ドレッシーさを強調する。装着感も良好だ。

A.ランゲ＆ゾーネ「リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ」

“明るい光が降り注ぐ魅惑の月夜”がモチーフ。「ゴールドストーン」の文字盤は星々が輝く夜空のようだ。1日分の誤差が生じるまで約122.6年の高精度ムーンフェイズを、4時位置のスモールセコンドと同軸に搭載。

シャネル「ムッシュー ドゥ シャネル ダイヤモンド エディション」

ブラックエナメル文字盤を採用した限定モデル。ベゼルとラグに約2.95ct、計68個のダイヤモンドをセット。レトログラードミニッツ、スモールセコンド、ジャンピングアワーが美しく縦1列に並ぶ。

モリッツ・グロスマン「セントラルセコンド」

ブランド初のセンターセコンドモデル。時分針には蓄光塗料を含むハイセラム樹脂を充填しているため、暗所での視認性も確保。基幹ムーブメントのCal.100.1をベースとし、新たに歯車を追加した。

ペキニエ「アティチュード」

ブランドの間口を広げるべく新規開発されたCal.EPM03を初搭載。堅実な設計のムーブメントと、直径39mm、厚さ9.2mmのサイズ感を持つケースの組み合わせは絶妙だ。

ジャケ・ドロー「グラン・セコンド ムーン」

ブランド創業者の生誕300年を祝う特別モデル。象徴的な“8”を描くリングの中に、高精度ムーンフェイズを配置。高温焼成したアイボリーエナメル文字盤が、オリジナルの要素を継承する。

オメガ「デ・ヴィル トレゾア パワーリザーブ」

パワーリザーブとスモールセコンドを備える1本。高精度なコーアクシャル脱進機を持つ新型Cal.8935を搭載し、主ゼンマイをふたつ内蔵することで、パワーリザーブを約72時間まで延ばした。

あの人の笑顔を想像しながら
男たるもの美しき花を手に

キメるときはしっかりキメる。だからこそ、妻やパートナーの記念日にはぜひ花を贈りたい。気恥ずかしくとも、これからそんな男であろうとすればいい。長らく無彩色の文字盤を伝統的なデザインコードとしてきた時計が、初めてサテン仕上げのブルーを採用した。そんな老舗の果敢な挑戦がそっと背中を押してくれる。