「エンジニアマスター ダイバー」が第4世代に進化。インナーベゼル操作用リュウズが復活したノスタルジックな外観に、300m防水や高い耐磁性能などの現代的な性能が詰め込まれた、ハイブリッドダイバーズウォッチとして生まれ変わった。
エンジニアマスター ダイバーの第4世代はブルーとブラックの2色展開だ。ブルーモデルは海を思わせる明るい色調で、文字盤上の「Chronometer」表示と秒針の先端のオレンジがアクセントとして効いている。自動巻き(Cal.RR1101-C)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径42mm、厚さ13.5mm)。300m防水。世界限定1000本。35万2000円(税込み)。
佐藤しんいち:文 Text by Shin-ichi Sato
ボールウォッチ「エンジニアマスター ダイバー クロノメーター」
過酷な環境に対応した堅牢で信頼性の高いツールウォッチを得意とするボール ウォッチ。その中でもスペシャリスト向けコレクションである「エンジニアマスター」からダイバーズウォッチ第4世代にあたる「エンジニアマスターダイバー クロノメーター」がリリースされた。
本作の特徴は、インナーリングを操る第2リュウズが復活したこと、C.O.S.C.認定クロノメーターを取得したこと、そして従来モデルを上回る8万A/mの耐磁性能を実現したことだ。
外観上の最も大きな特徴と言える2時位置の第2リュウズは、経過時間を測定するインナーリング操作用である。このリュウズは、潜水時間読み違えの原因となる誤操作を防止するため、操作時には押し回しが必要なロック機構を新採用する。ねじ込み式ではないが防水性は確保されており、水中でも使用可能なため、レジャーシーンから水しぶきの飛ぶ過酷な作業現場まで安心して操作できる。
目を引く立体的なインナーリングはサファイアクリスタル製である。一見レトロ調に見えるが、同素材は薄く、弧を描くような加工が難しいため、むしろ近年の技術向上によって実現した仕様だ。サファイアクリスタルの特徴は艶のある外観と、光の透過を活用できる点にある。
これを生かすためボール ウォッチは、同社が得意とする自発光のマイクロガスライトをインデックスと針に加えてインナーリングの下部にも配置した。結果、暗所ではインナーリングに経過時間測定用の分目盛りが浮かび上がり、高い視認性を確保している。このように経過時間測定用のスケールを気密性が確保されたケース内に配置したのは単にノスタルジーを狙っただけではない、ボール ウォッチならではと言える仕様であり、合理的だ。
前述の通り、搭載するキャリバーRR1101-Cは、C.O.S.C. 認定クロノメーターを取得している。とはいえ出荷時に高い精度を有していても、使用に伴って磁気帯びをするようでは、精度も悪化してしまい、元も子もない。そこでミューメタル(※ニッケルと鉄による強磁性の合金)製インナーケースを用いてムーブメントを包むことで、前作を上回る8万A/mの耐磁性能を実現している。耐磁性能はダイバーズウォッチの要件のひとつであるのみならず、磁気に囲まれた現代社会では、最も有用な機能のひとつである。
ケースの厚さは第3世代に比べて1mm薄い13.5mm。落ち着いたデザインも相まってビジネスシーンにも合わせやすいダイバーズウォッチだ。ノスタルジックな外観に、現代的なアップデートを積み重ねた性能を備え、ボール ウォッチの得意技術も盛り込まれている本作は、総合力の高い1本と言えるだろう。
モノトーンでまとめたブラックモデルは、ストイックさやノスタルジックな趣が強くなる。ブレスレットはポリッシュ部とサテン仕上げが組み合わされる。自動巻き(Cal.RR1101-C)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径42mm、厚さ13.5mm)。300m防水。世界限定1000本。35万2000円(税込み)。
https://www.webchronos.net/watchaddict/72928/
https://www.webchronos.net/features/58049/
https://www.webchronos.net/features/68223/