ガーミン最新フラッグシップモデル「fēnix 8(フェニックス エイト)」シリーズの実力を確認! どこが進化した?

2024年6月、8月と、これまで2回にわたって、アメリカ中西部・カンザス州オレイサにあるガーミン米国本社を訪ねて分かった、モノづくり企業としてのガーミンの魅力をお伝えしてきた。そして去る8月末、ついに「ガーミン」のスマートウォッチのフラッグシップGPSウォッチの新モデル「fēnix 8(フェニックス エイト)」シリーズが登場した。今回はその特徴と魅力を紹介する。

ガーミン フラッグシップGPSウォッチ「fēnix 8 Sapphire AMOLED 47mm」。共通仕様:充電式スマートウォッチ。454×454ピクセルAMOLED液晶ディスプレイ。チタンベゼル。繊維強化ポリマーケース(直径47mm、厚さ13.8mm)。10気圧防水。対応スマートフォン:iOS 16.0 または以降のバージョンを搭載したiPhone。Android OS 9.0 または以降のバージョンを搭載したAndroidスマートフォン。価格は左から17万8000 円、17万8000円、21万8000円(いずれも税込み)。
渋谷ヤスヒト:取材・文 Text by Yasuhito Shibuya
[2024年10月5日掲載記事]

史上最強! 2年半ぶりのフラッグシップモデル!

 ガーミンは多彩なスマートウォッチを開発・発売していて、どれも高機能。だから初めて選ぶとき迷う人は多いと思う。その中で頂点に位置するのが「フラッグシップGPSウォッチ」というカテゴリーで、アンバサダーでありラグビー日本代表のリーチ・マイケル選手でおなじみの「fēnix(フェニックス)」シリーズ。“フラッグシップ”らしく、プロアスリートからビジネスパーソンまでフルカバーする最先端の機能を備えている。つまり、迷ったらこのシリーズを選んでおけば間違いない。

 そして2024年8月29日、このシリーズから新世代に進化した。この日、発売開始になったのが「fēnix 8 Sapphire AMOLED(フェニックス エイト サファイア アモレッド)」。前モデルの「fēnix 7」が2022年1月20日の発売だから、そこから約2年半ぶり、2023年6月に発売された「fēnix 7 Pro」からは、約1年ぶりのニューモデルだ。製品名で分かるように高級腕時計と同じ、ダイヤモンドに次ぐ表面硬度で、傷が付きにくいサファイアクリスタル製の風防に、従来のMIP(メモリ・イン・ピクセル)の代わりに、自発光性で表示が鮮明なAMOLED(=有機EL)ディスプレイを搭載。ケースサイズは直径43mm、47mm、51mmの3種類から選べる。

左の2本が直径43mmの「fēnix 8 Sapphire AMOLED 43mm」。価格は各17万8000円(税込み)。右の3本が直径51mmの「fēnix 8 Sapphire AMOLED 51mm」。価格は左の2本が19万8000円(税込み)。右のレザーストラップモデルが21万8000円(税込み)。

 また2024年10月4日には「ソーラー充電機能」を備え、AMOLEDモデルよりさらに長いパッテリーライフが魅力の「fēnix 8 Sapphire Dual Power(フェニックス エイト サファイア デュアルパワー)」シリーズも発売された。こちらはサファイアクリスタル風防に、さらに視認性が改良された、直射日光のような強い光が当たる場所での視認性に優れたMIP液晶を採用。また内蔵されたソーラー充電機能の発電量が約50%も向上しているという。そしてこちらは直径47mm、51mmサイズが用意されている。

こちらが2024年10月4日に発売されたDual Powerモデル。ディスプレイは明るいところでみやすいMIP(メモリインピクセル)液晶を採用。左の2本が「fēnix 8 Sapphire Dual Power 47mm」。価格はいずれも17万8000円(税込み)。右の2本が「fēnix 8 Sapphire Dual Power 51mm」。価格はいずれも19万8000円(税込み)。

 また、ダイビングには対応せず、風防もサファイアクリスタル製ではないなど、機能と仕様をスペックダウンして価格を抑えた「fēnix E 47mm」モデル、13万8000円(税込み)も用意される。

 創業35周年を記念したプレスツアーで取材したガーミン米国本社では、おそらくこのモデルの発売に向けた準備が進んでいたはず。アニバーサリーイヤーのニューモデルらしく、進化と熟成が詰まった「フェニックス」の史上最高モデルになっている。本国のアメリカでも販売は絶好調だと聞いた。その仕様を見ればそれは当然だろう。以下、具体的にその魅力を紹介・解説していく。


見やすいディスプレイと通話、音声操作機能

 まずは「fēnix 8 Sapphire AMOLED」シリーズから。いちばんの魅力は、自発光性で高コントラストである、「fēnix 7」シリーズに採用されていたMIP液晶よりも格段に明るく見やすいAMOLED(アモレッド:有機EL)ディスプレイだ。

 そしてもうひとつの魅力であり新機能が、フェニックス・シリーズとしては初のマイク(しかもデュアルマイク)とスピーカーの搭載による、スマートウォッチでの通話機能だ。「fēnix 7」シリーズまでは、電話の着信を知らせてはくれるが、スマートウォッチでは通話できず、通話にはスマートフォンを使う必要があった。ただe-SIMを搭載することはできないので、ふつうのスマートウォッチと同様に、ペアリングされているスマートフォンが近くにあることが通話の条件になる。

 またマイクの搭載によって、決まった音声コマンドを認識して、機能の呼び出しや操作もできるようになった。スマートフォンを探したりすることはもちろん、機内モードのオン/オフ、タイマーやアラームなどの設定や操作、天気予報などのアプリの起動、アクティビティの記録をスタート/ストップさせたり、内蔵されたメモリの音楽データの再生/停止/スキップや音量調整などオーディオ機能の操作も声で可能だ。

 さらに「Google検索」や「Siri」など、ペアリングしたスマートフォンの音声アシスタント機能を手元で行うことができるようにもなっている。これも「fēnix 7」シリーズからの大きな進化だ。


何と、ダイバーズウォッチとしても使える!

 さらにもうひとつ、機能面での大進化が水深40mまで対応したダイビングモードの搭載である。プッシュボタンも「防水インダクティブボタン」となり、この水深でも安心して操作できるし、時計内部のさまざまなセンサーもガードされ、この水圧に対応できるようになっている。つまり「fēnix 8」シリーズは、そのままダイバーズウォッチとして使うことができるのだ。しかもダイビングプランの立案、つまり「潜る予定の水深で、減圧停止せずに何分潜ることができるか=無減圧潜水時間」の計算も行える。


注目は、トレーニングプラン提案機能や、地図データのグレードアップ

 他社と比較したとき、ガーミンのスマートウォッチが圧倒的に優れているのが、対応アクティビティの豊富さである。メジャーなものからそうではないものまで100種類以上に対応し、そのアクティビティに関する計測と分析を行ってくれる。今回はこの機能に、さらに新しい画期的で魅力的なものが加わった。計測したデータから、ターゲットを絞った筋力トレーニングプランや、ユーザーが取り組んでいるスポーツに特化したトレーニングプランを提案してくれるのだ。

 加えて、国土地理院承認の「日本詳細地図」という地形図データや世界のゴルフコース、スキー場など、ナビゲーションやアクティビティには不可欠な地図データが内蔵されているのも見逃せない。中でも面白いのが「ダイナミックラウンドトリップ」という機能。これは、例えば出張先などで「5kmのランニングをしたい」と設定すると、おすすめの5kmコースを自動で作成し、走行中にルートを外れても自動で調整し、5km近くまで確実に案内してくれるのだ。

左から「音声コマンド」認識中の画面、「ダイナミックラウンドトリップ」の画面、「スキューバモード」、位置情報などをウォッチ同士で共有できる「Garminシェア」、「Garmin Messenger」の画面。

左から「日本詳細地図」、「フラッシュライト機能」の設定画面では光量の調節もできる。「睡眠スコア」画面、最適なトレーニングを提案してくれる「おすすめワークアウト」画面、メールなどのメッセージの通知画面。


バッテリーライフも大幅に延びた!

 そして、一般的なスマートウォッチと比べたときの、ガーミンの、そして「fēnix 8 Sapphire AMOLED」シリーズの大きなアドバンテージが「長いバッテリーライフ」である。AMOLEDディスプレイを使ったスマートウォッチのバッテリーライフは、多くが約24時間前後。だから毎日、充電が必要だ。

「fēnix 7 Pro」では、スマートウォッチモードで約18日間、GPSモードで約57時間※1だったものが、「fēnix 8 Sapphire AMOLED 51mm」ではスマートウォッチモードで約29日間、GPSモードで約84時間に延長された。さらにソーラー充電機能を搭載した「fēnix 8 Sapphire Dual Power 51mm」では、スマートウォッチモードで約48日間※2、GPSモードで約149時間※3まで大幅に延びたのだ!

※1 ソーラー充電を除く。
※2 屋外にて1週間1日3時間5万ルクスの条件下で使用した場合を想定。
※3 5万ルクスの条件下で使用した場合を想定。

 いま、多くの人がスマートウォッチを使ういちばんの理由が、心拍数計測、脈拍や血中酸素飽和度、睡眠の記録や分析などの「健康見守り機能」にある。こうした機能を使う上で何よりもありがたいのが、バッテリーが長持ちすること。つまり、腕から外さずにずっと着けていられることだ。バッテリー寿命が約1日だと、1日に1回、入浴などで腕から外したとき、必ず充電しないと健康データが取れず「見守り」が中途半端になってしまう。でもガーミンなら大丈夫。そのバッテリーライフが「fēnix 8」シリーズではさらに大きく進化したからだ。


Suica※のタッチ決済機能に加えて、待望の事故検出機能も

 多彩なスポーツアクティビティへの対応と、プロフェッショナルアスリートが絶大な信頼を寄せるその機能の素晴らしさは相変わらずだ。新たにダイビングに対応したが、スペック表で改めてその対応スポーツを確認してみると、100以上とその種類の多さと、競技によってはその機能の奥深さに驚いてしまう。

 サーフィン、カヤックや釣りなどのウォーターアクティビティ、ジムでのトレーニングやランニング、スイム、トレイルラン、ハイキングや登山、ゴルフなどのアウトドアスポーツ、サイクリング、スノーボードやスキーなどのウィンタースポーツに加えて、チームスポーツ、例えばバスケットボール、バレーボール、サッカー、アメリカンフットボール、ラクロス、ラグビー、野球。さらにモーターサイクルやモトクロスなどにも対応。これ以外に対応しているマイナースポーツも多い。

 また日常生活には欠かせない電子マネー、つまりSuica※によるタッチ決済機能に加えて、事故を検出して救助を自動的に呼べるセーフティ&トラッキング機能など、日常生活関連でも欲しかった機能も新たに追加されている。
※「Suica」は東日本旅客鉄道株式会社の登録商標。

 冒頭でも述べたが、新しい「fēnix 8」シリーズは、トップアスリートからビジネスパーソンまで、あらゆるシーンでユーザーを多彩な機能と長いバッテリーライフで24時間サポートしてくれる、スマートウォッチの中でもベストな選択肢のひとつだ。

 時計愛好家のみなさんには、お気に入りの機械式腕時計に加えて、ぜひもうひとつの腕に着けることをおすすめしたい。毎日の生活をより安心に健康に、またアクティブに過ごすことができるから。

Contact info: ガーミンジャパン Tel.0570-049530
「fēnix 8」シリーズ:https://www.garmin.co.jp/minisite/fenix/fenix-8/


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