スイスのビジネス誌が腕時計ブランド、カール F.ブヘラの終了を報じた。時計宝飾品店として有名なブヘラの腕時計ブランドであり、ブヘラのロレックスによる買収後も残存していた。だが、ついにクローズとなってしまった。なお、同ブランドは、フライバック・クロノグラフや、トゥールビヨンといった複雑機構を搭載した腕時計で、人気を博していた。
ブヘラの名を冠した時計ブランド、ついに消滅か
歴史ある時計ブランド、カール F.ブヘラの終了を、スイスのビジネス誌『ビランツ』が報じた。オーナーであるヨルグ・ブヘラが経営を率いていたが、ロレックスのリーダーシップの下ではコスト的に冒険であるとみなされ、ブランドは居場所を見出せなかったようだ。
その筋の話によれば、予想投資額は2億5000万スイスフラン(約417億750万円、1スイスフラン=166.83円、2025年2月20日現在)であったにもかかわらず、カール F.ブヘラは利益が出ていなかったらしい。報告によると、従業員は閉鎖通知を受けているが、突然の終了通知に対しては説明は受けていないそうだ。
ブヘラは1888年にカール・フリードリッヒ・ブヘラによってスイス・ルツェルンに時計宝飾品店として創業。高級時計と高いクォリティのサービスから、評判を高めていった。そして1919年、ブヘラの名が記された、初の女性向け腕時計を製作した。
会社は20世紀を通して成功を収め、製品に大してクオリティとデザイン、そしてイノベーションに力をいれるブランドとしての認識を獲得。機械に対する専門性と高次の職人技によって知られ、精緻なムーブメントやペリフェラルローターを含む、独自の技術を多数開発していたのだった。
カール F.ブヘラの腕時計の中でも、フライバック・クロノグラフやトゥールビヨン、GMT、ワールドタイマーなどの構を搭載した腕時計の人気は高く、その高度な技術的手腕の証明となっていた。