4月1日〜7日まで、スイス・ジュネーブで開催されていたウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2025。時計業界最大となるこの新作見本市で、創業30周年を迎えるロジェ・デュブイは、創業者が最も好んだというバイレトログラード表示を備えた、ふたつの特別なモデルを発表した。
ロジェ・デュブイ2025年新作①「エクスカリバー モノバランシエ バイレトログラード カレンダー」

自動巻き(Cal.RD840)。XX石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径40mm)。10気圧防水。918万5000円(税込み)。2025年11月発売予定。
1995年に創業し、今年で30周年を迎えたロジェ・デュブイは、創業者ロジェ・デュブイが最も好んだとされるバイレトログラード表示に敬意を表した新作を発表した。レトログラード表示では、針が半円状の目盛りを移動し、各サイクルの終わりにゼロに戻る。1989年に、デュブイは時計職人のジャン-マルク・ヴィダレッシュとともにレトログラードシステムを進化させ、共同特許を取得した。そして創業から間もない1996年に、バイレトログラード表示を備えた腕時計を発表したのである。
本作はその特徴的なスタイルを現代的にアップデートし、デイデイトカレンダーというスタイルで復活させている。その表示は、楕円形の形状と月と日付を示す特別な機能にちなんで「エクリプティック・カウンター」と名付けられた。6時位置にはスモールセコンドが表示される。
ケースサイズは直径40mmである。これはロジェ・デュブイが1990年代に製造したモデルの典型的なサイズにならったものだ。文字盤は7層から成る立体的な構造であり、12時から6時の位置にかけてマザー・オブ・パールのインサートが配されている。ロジェ・デュブイは、2000年代初期にピンクゴールドとマザー・オブ・パールを男性用腕時計に採用した最初のマニュファクチュールのひとつである。
手作業による装飾およびポリッシュ仕上げが施された自社製ムーブメントは、ジュネーブ・シール認定を取得している。ローターは1996年のモデルを現代風にアレンジしており、ロジェ・デュブイの共同創設者ふたりの言葉が刻まれている。
"C'est une montre actuelle, inspirée mais pas soumise au passé, qui se projette dans un futur qui nous appartient."
「この時計は、過去からインスピレーションを受けながらも、それに縛られることなく、私たちの未来を投影する時計である」
ロジェ・デュブイ2025年新作②「エクスカリバー グランドコンプリケーション」

自動巻き(Cal.RD118)。XX石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KPGケース(直径45mm)。10気圧防水。ブティック限定8本。予価1億472万円(税込み)。
創業30周年を迎え、創業者に敬意を捧げるバイレトログラード表示モデルを展開するロジェ・デュブイが、わずか8本のみの限定品として発表した複雑機構搭載モデル。本作は、デイデイトを表示する特徴的なバイレトログラードとともに、永久カレンダー、ミニッツリピーター、フライングトゥールビヨン、ダブルマイクロローターも搭載する。
永久カレンダーでは、日数の異なる月を自動的に計算し、4年に1度のうるう年に合わせて調整する機能が採用されている。本作は西暦2100年まで手動補正を必要としない精度を実現しており、2100年の補正後はさらに100年間、自動で正確な月日を刻み続ける。11時と12時位置の間には月表示ディスクを搭載し、それに寄り添うようにうるう年表示が配されている。
ケース9時位置のプッシャーで起動するミニッツリピーターは、ハンマーとゴングにより、低音で時間を、高音で分を、両音が15分を知らせる。このミニッツリピーター機構には「オールオアナッシング」メカニズムが採用されており、プッシャーを完全に押し込んだ場合のみ作動し、中途半端な動作では決してチャイムが鳴らないよう設計されている。これにより、誤作動による機構の損傷を防ぎ、安全性が確保される。
フライングトゥールビヨンは、5時半位置に配された。ケルト十字からインスピレーションを得たミラーポリッシュ仕上げのケージは、軽量の非磁性チタン素材が採用されている。

手作業で装飾された部品は684個に及び、21種類の異なる仕上げが施されている。オープンワークダイアル上を、エクスカリバーシリーズを象徴するスケルトン針が運針する。ケースサイズは直径45mmを誇る、迫力あるタイムピースだ。