マイクロブランドでありながら「ミレジム」のヒットによって、時計愛好家の間で注目を集めているレイモンド ウェイルが、2025年の新作モデルを発表した。昨年多彩なバリエーションが展開されたミレジムが、今年も多数の顔触れを見せたのと同時に、「フリーランサー」からも特筆すべき新作が打ち出されている。
レイモンド ウェイル2025年新作①「フリーランサー コンプリートカレンダー」
クラシックとモダンの調和がコンセプトの「フリーランサー」コレクションに「フリーランサー コンプリートカレンダー」2モデルが追加される。シンプルな3針モデルからダイバーズウォッチモデル、クロノグラフ、ワールドタイマー機能付きモデルなどさまざまにラインナップされるフリーランサーであるが、コンプリートカレンダー付きモデルは初となる。

自動巻き(Cal.RW3281)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SS+ローズゴールドPVDケース(直径40mm、厚さ10.15mm)。100m防水。62万7000円(税込み)。

自動巻き(Cal.RW3281)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.15mm)。100m防水。62万7000円(税込み)。
本作はセンターの時分秒針に加え、月、日、曜日、ムーンフェイズ表示を備えている。6時位置のムーンフェイズ表示は、NASAが実際に撮影した月面画像からインスピレーションを得たリアルなデザインが特徴である。
新モデルのうち一方は、ローズゴールドPVDケースにシルバー文字盤の組み合わせだ。文字盤はサンレイ仕上げで、ローズゴールドプレートのインデックスとのコーディネートでクラシックにまとめられている。もう一方は、ステンレススティールケースにブルー文字盤のモデルだ。こちらは彩度を落としたブルーと、直線を基調としたインデックスや針によってモダンでスポーティーな印象も受けるデザインとなっている。
ケース径40mm、厚さ10.15mmと、インフォーマルウォッチの主流と言える直径と薄手のシルエットで、デイリーユースに最適なサイズ感となっている。搭載されるのは自動巻きムーブメントのCal.RW3281で、パワーリザーブは約56時間と十分な実用性を備えている。
レイモンド ウェイル2025年新作②「フリーランサー スケルトン クッション」
ブラックのモノトーンを基調とするスケルトンモデル「フリーランサー スケルトン クッション」が発表された。搭載されるムーブメントは、3代目CEOのエリー・ベルンハイムの構想から生まれ、レイモンド ウェイルの研究開発部門とセリタとの緊密なコラボレーションによって開発されたレイモンド ウェイル専用ムーブメントのCal.RW1212である。

自動巻き(Cal.RW1212)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SS+ブラックPVDケース(縦40×横40mm)。100m防水。61万6000円(税込み)。
Cal.RW1212を搭載するスケルトンモデルは、従来にもラウンドケースモデルとしてラインナップされていた。これに対して今般発表されたクッションケースの新作は、文字盤面積の拡大によってスケルトナイズされる面積が広くなり、各輪列、ブリッジ、テンワの造形が際立っている点が見どころである。
ブラックPVDが施されたケースに組み合わされるのはブラックのカーフレザーストラップで、オールブラックのモノトーンによってスポーティーな仕上がりである。インデックスや時分針はホワイトでコントラストが高く、デイリーユースに適した視認性が確保されている。また、100mの防水性能を備える点も、実用性の高さに寄与している。
レイモンド ウェイル2025年新作③「フリーランサー 38 スケルトン」
ケース径38mmで、エレガントさのあるコンパクトなシルエットの「フリーランサー 38 スケルトン」。従来のラウンドケースのスケルトンモデルは、ケース径42mmとやや大ぶりなサイズであったが、本作は直径で4mmのコンパクト化が図られている。時計仕上がり厚さも10.87mmとスリムなシルエットとなっている点も、本作にエレガントな印象を加えることに寄与している。

自動巻き(Cal. RW1212)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径38mm、厚さ10.87mm)。10気圧防水。予価55万円(税込み)。
搭載されるのは、セリタと共同開発したレイモンド ウェイル専用ムーブメントのCal.RW1212である。この“RW”はレイモンド ウェイルを示し、“1212”はレイモンド ウェイル本社のあるスイスのジュネーブ州グランシー・ランシーの郵便番号にちなんだものだ。外観は、ブラックルテニウムによるコーティングにより引き締まった印象で、テンワの受けが両持ちであり、スケルトナイズされたブリッジが有機的なラインを描くモダンなデザインである。文字盤側およびケースバック側から鑑賞できるCal.RW1212の機構やブリッジの意匠は、本作の重要なデザイン要素と言えるだろう。
本作のコンパクト化に際してブレスレットも新デザインが採用されており、ケースに合ったスリムなシルエットが、本作のエレガントさを引き立てている。
レイモンド ウェイル2025年新作④「ミレジム センターセコンド」の新色が登場
大人気の「ミレジム センターセコンド」に新たなカラーバリエーションが追加される。文字盤はアンスラサイト(ダークグレー)で、ミニッツインデックスにライトブルーをあしらっている。インデックスに配されたスーパールミノバは焼け色を思わせるクリームカラーを用いているなど、全体的に彩度を落としたシックな配色ながら、ライトブルーの意外性で目を引くデザインとなっている。

自動巻き(Cal.RW4200)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ9.25mm)。5気圧防水。30万8000円(税込み)。
「ミレジム」は、1930年代に流行したアールデコ様式を思わせるセクターダイアルを採用しつつ、“ネオ・ヴィンテージ”をコンセプトに、モダンな印象もあるトライアングル型の針を組み合わせたデザインが特徴だ。セクターダイアルは立体感に富み、仕上げに変化をつけている点が見どころとなっている。シックなコーディネートに取り入れやすいヴィンテージのテイストと、カジュアルにもマッチするモダンなエッセンスが人気の秘訣と言えるだろう
従来モデル同様に、本作のケース径は39.5mm、時計仕上がり厚さは9.25mmと薄い仕立てになっており、そのシルエットにもヴィンテージテイストが取り入れられている。搭載されるのは自動巻きムーブメントのCal.RW4200だ。
レイモンド ウェイル2025年新作⑤「ミレジム」35mmモデルに一挙6種が追加
ケース径35mmの「ミレジム 35 スモールセコンド」に4モデル、「ミレジム 35 センターセコンド」に2モデルの新カラーの新作が追加された。1930年代に流行したアールデコ様式を取り入れて“ネオ・ヴィンテージ”をコンセプトとするミレジムの中で、ケース径35mmのモデルは往年のドレスウォッチに通ずるサイズ感となり、一層ヴィンテージテイストの強いラインナップとなっている。
今般追加された新色は、さらにヴィンテージの趣が感じられるサーモンピンクや、ラインナップの中ではヴィヴィッドでモダンなセージグリーンなど多彩であり、選択肢が広がることだろう。それでは各モデルを見てゆこう。
追加されたモデルの中でヴィンテージテイストの魅力を放つのが、スモールセコンドにサーモンピンク文字盤の組み合わせだ。グレーのレザーストラップとのコーディネートによってモダンさも加えられている

自動巻き(Cal.RW4250)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径35mm、厚さ10.25mm)。50m防水。34万1000円(税込み)。
39.5mm径のモデルにも追加されたアンスラサイト文字盤もスモールセコンドモデルに追加される。こちらはミニッツトラックとスモールセコンドカウンターにミントグリーンが配され、ポップな印象もある仕上がり。

自動巻き(Cal.RW4250)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径35mm、厚さ10.25mm)。50m防水。34万1000円(税込み)。
王道のカラーコーディネートと言えるシルバーカラーのスモールセコンドモデルも追加される。従来、35mmモデルのシルバー文字盤モデルはセンターセコンドしかラインナップされていなかったので、待ち望んでいたファンも多いのではないだろうか。

自動巻き(Cal.RW4250)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径35mm、厚さ10.25mm)。50m防水。34万1000円(税込み)。
ローズゴールドPVD仕上げのステンレススティールケースにクリーム文字盤、バーガンディーのレザーストラップを組み合わせたエレガントなモデルも用意される。ラグ部には16個のラボグロウンダイヤモンドが配され、輝きが加えられている。

自動巻き(Cal.RW4250)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SS+ローズゴールドPVDケース(直径35mm、厚さ10.25mm)。50m防水。41万8000円(税込み)。
今般追加されたモデルの中で最もモダンな印象の仕上がりであるのが、セージグリーン文字盤のセンターセコンドモデルだ。ブレスレットが組み合わされ、こちらでもモダンなテイストが加えられており、先のサーモンピンク文字盤モデルと同じケースシルエットのモデルでありながら印象が大きく異なる点は興味深い。

自動巻き(Cal.RW4250)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径35mm、厚さ10.25mm)。50m防水。30万8000円(税込み)。
最後は、クリーム文字盤のセンターセコンド文字盤にブレスレットの組み合わせで、ラグ部にはラボグロウンダイヤモンドが16個配されている。シンプルで落ち着いた印象の中にダイヤモンドの輝きが加えられている点が見どころだ。

自動巻き(Cal.RW4250)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径35mm、厚さ10.25mm)。50m防水。36万3000円(税込み)。