ヨットやレガッタに関連した6本の時計

FEATUREWatchTime
2019.12.14

多くの時計ブランドが、セーリングチームや関連イベントのスポンサーとなっている。中には、カウントダウン機能のいくつかを取り込んだ形で、ヨットレースや水中でのアクティビティに特化したタイムピースを開発するブランドまである。ここではヨットやレガッタに関連したモデルを挙げ、どういうところが海上で使用するのに最適なのかという部分を明らかにしていきたい。

Originally published on watchtime.com
Text by Mark Bernardo

コルム「アドミラルズ・カップ AC-One 45タイド」

アドミラルズ・カップ AC-One 45タイド

コルム「アドミラル AC-ONE 45タイド」。自動巻き(Cal.CO277)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。Ti(直径45mm)。300m防水。ラバーストラップ。133万円(税別)。㉄GMインターナショナル ℡03-5828-9080

 コルムは、ヨットをする人たちに1960年から時計を作り続けてきた。この年にコルムは、その名の由来となり、インスピレーションの源ともなった有名なヨットレースの名を冠した最初のアドミラルズ・カップウォッチを発表したのである。それ以来、アドミラルズ・カップモデルはコレクションとして発展し、コルムの中でも中心となる柱となった。何年にもわたってコルムのアドミラルズ・カップモデルから多くのモデルが発表されてきたが、そのうちのひとつがコルム「アドミラル AC-ONE 45タイド」だ。この時計のムーブメントは、コルムがジュネーブの天文台とフランス海軍の海洋研究所と共に3年をかけて開発したキャリバーCO277が搭載されており、特に船を操る人にとって有益な機械式の複雑機構が組み込まれている。それは、潮の干満度合いと、次の干潮時と満潮時がいつなのかをも教えてくれる(潮の満ち引きは月と地球と太陽の相関関係によって引き起こされるものである)。
 12時位置にあるサブダイアルの針は、潮汐の振幅と潮位を表示。6時位置のサブダイアルは、次に訪れる潮の干満時を知らせてくれる。一方、9時位置の表示は、現在の潮の状況が満潮時なのか干潮時なのかを示す。日付表示は3時位置に配されている。「アドミラル AC-ONE 45タイド」は、チタンにブルーPVD加工のインサートを一部挿入した45mm径の特徴的な12角形のケースに、ブルーのラバーストラップを備えている。


パネライ「ルミノール1950 レガッタ スリーデイズ クロノ フライバック チタニオ」

アドミラルズ・カップ AC-One 45タイド

パネライ「ルミノール1950 レガッタ スリーデイズ クロノ フライバック チタニオ」。Ref.PAM00526。手巻き(Cal.P.9100/R)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ti(直径47mm)。100m防水。ラバーストラップ。190万円(税別)。㉄オフィチーネ パネライ Tel.0120-18-7110

 パネライの時計作りは、海上で使用するものより、海中で使用するものの方がよく知られている。だがパネライは2005年に「パネライ クラシックヨット チャレンジ」のスポンサーを始め、ヨットに特化した時計を2013年のSIHHで発表した。「パネライ ルミノール1950 レガッタ スリーデイズ クロノ フライバック チタニオ」(Ref.PAM00526)は軽量で、47mm径のサテン仕上げのチタン製ケースを備え、フライバッククロノグラフ機構だけでなく、使いやすいレガッタ・カウントダウン機能も含むパネライの自社製キャリバーP.9100/Rを搭載している。


ロレックス「ヨットマスターII」

ヨットマスターII

ロレックス「ヨットマスターII」。Ref.116680。自動巻き(Cal.4161)。パワーリザーブ約72時間。SS(直径44mm)。100m防水。SSブレスレット。

 ロレックスの初代ヨットマスターの後継機「ヨットマスターII」は2007年に発表され、1分~10分を設定できるロレックス独自のレガッタ・カウントダウン機能が組み込まれた。これによってリセットをすると、直前に使用されたのと同じカウントダウン時間に戻すことができるようになった。ロレックスが開発したムーブメントに直結した回転式ベゼル、リングコマンドベゼルを使用することによって、カウントダウンの設定ができるようになっている。
 ロレックスのヨットマスターIIは44mm径のオイスターケースを備えている。内包されるムーブメントはC.O.S.C.認定クロノメーターの自社製キャリバー4161であり、コラムホイールを使用したクロノグラフ機構を搭載している。