左がトゥールビヨン機構搭載モデル「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02T カーボン トゥールビヨン ファントム」、右がクロノグラフ秒針とふたつの積算計の針、スモールセコンドのインダイアル外周をブルーに仕上げたモデル「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 カーボン ブルー」。どちらもベゼルに加え、ラグにもカーボン素材を採用する。
プライスを超える価値を生むカーボン素材のユニークネス
今回の「カレラ カーボン」コレクション限定発売の3モデルに共通する、もうひとつの大きな魅力が、タキメータースケール付きの固定式カーボンファイバー(炭素繊維)製ベゼルだ。カーボンファイバーは、比重が鉄の約1/4と超軽量ながら、同じ密度で鉄の約10倍の強度、約7倍の弾性を持ち、さらに耐摩耗性、耐熱性、熱伸縮性、耐酸性、電気伝導性でも優れた特性を持つハイテク素材である。そのため、航空機やロケット、宇宙ステーションなどの航空宇宙分野や、タグ・ホイヤーが長年パートナーシップを築いてきたモーターレーシングの世界、F1マシンなどのレーシングカーや最先端のスポーツカーに採用されているのはよく知られている。つまり、過酷なモータースポーツへのオマージュから生まれた「カレラ」コレクションにこれほどふさわしい素材はないのだ。
そして、この新作3モデルはカーボン素材の採用によって、ステンレススティール製ベゼルやセラミックス製ベゼルのモデルより軽量になり、その結果、軽快な着け心地が実現されている。特に、上のトゥールビヨンモデルとブルーモデルは、ストラップとケースをつなぐラグ部分にまでカーボン素材を採用し、さらに軽量に仕上がっている。また、軽量さや強靭さに加えて、アヴァンギャルドでスポーティー、かつユニークな外観をかなえている点も、この最先端素材の大きな魅力である。実はカーボンファイバーのテクスチャーは、部分部分で微妙に異なっている。厳密に言えば、限定で発売されるすべてのモデルが、世界に同じものがふたつとない個性を放っている。つまり、間違いなく世界で自分だけの腕時計と言えるのだ。この点も、「タグ・ホイヤー カレラ カーボン」コレクションの、ファッションアイテムとして見逃せない魅力である。