1960年代
1960年代は宇宙開発に人々の関心が寄せられた時代となった。宇宙への大冒険は、初めての月面着陸を果たしたオメガの「スピードマスタープロフェッショナル」のような腕時計を生み出すことにつながった。1969年にアポロ11号で月面着陸を果たした宇宙飛行士のひとり、バズ・オルドリンが着用していたのはRef.105.012である。
オメガ 「スピードマスタープロフェッショナル」
1970年代
1970年代を席捲したのはクォーツウォッチだった。クォーツウォッチのデジタル表示は、初期の頃は赤いLED(light emitting diodes)で行われ、次第にLCD(liquid crystal displays)が主流となっていった。1975年に発表されたホイヤー(現・タグ・ホイヤー)の「クロノスプリットLED/LCD」はその両方を兼ね備え、LEDでクロノグラフを、LCDで時刻を表示した。
ホイヤー 「クロノスプリットLED/LCD」
1980年代
「楽しいこと」が1980年代の腕時計の購買意欲の源となり、身に着けるときのキーワードとなった。プラスティック製のスウォッチは、驚くほど豊富なモチーフのバリエーションを揃えた。これにより何百万人もの人々にとって、腕時計は時間を知るためだけでなく、外観や配色の切り替えを一層楽しむためのものとなった。
スウォッチ 「モデーレ・アヴェク・パーソネイジ」
1990年代
1990年代には機械式時計が復興を遂げ、時計作りの技術や機構の複雑化が脚光を浴びるようになった。同時にデザインも革新を遂げた。例えばA.ランゲ&ゾーネの「ランゲ1」が挙げられる。オフセンターの配置は、後に多くのブランドにも採用されていった。写真は旧型ランゲ1。
A.ランゲ&ゾーネ 「ランゲ1」
2000年代
2000年代に最も大きな成功を収めたモデルのひとつとして、ウブロの「ビッグ・バン」が挙げられるだろう。「ビッグ・バン」シリーズには、さまざまな素材を組み合わせるという特徴がある。これを可能にしたのが50以上もの独立したパーツからなる複雑なケース構造だ。また多くの限定モデルもこの展開を拡張させることに貢献し、ウブロの大胆な色使いや多様性を印象付けてきた。
ウブロ 「ビッグ・バン スチール セラミック」
2010年代
2000年代に入ってから、文字盤をスケルトンにすることにより時計内部の動きを見せるトレンドはすでに始まっていたが、2010年代にリシャール・ミルは文字盤自体を排除してスケルトン化を行った。リシャール・ミルはこのオープンワークのパイオニアとして位置付けられるであろう。
リシャール・ミル 「RM 50-03 トゥールビヨン スプリットセコンド クロノグラフ ウルトラライト マクラーレンF1」