シャネルの時計に宿る精神とは。その歴史や人気モデルを解説

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2021.06.12

J12の人気モデルを押さえる

デビュー当初は女性人気の高かった「J12」だが、いまでは男女問わず定番コレクションとして人気を博している。

J12 ファントム

J12 ファントム

「J12 ファントム」新しい自動巻きムーブメント「キャリバー12.1」搭載。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。C.O.S.C認定クロノメーター。高耐性ブラックセラミックケース。ケース径38mm。200m防水。69万円。

「J12 ファントム」は、ワントーンの世界観を表現したオールブラックの時計である。

インデックスの文字情報は、文字盤のブラックに消え入りそうな配色となっている。この表現こそがこのモデル最大の魅力である。

ムーブメントにはシャネルの新作ムーブメント「キャリバー 12.1 エディション ノワール」を搭載しており、サファイアクリスタル製のシースルーバックから見ることができる。

ケース径は38mmの他に、クォーツの33mmのバージョンも用意される。

CHANEL THE NEW J12
https://www.webchronos.net/features/30044/


J12以外の男性にもおすすめのモデル

「ボーイフレンド H5319」手巻き。SSケース、サイズ縦37×横28.6、ケース厚7.7 mm。30m防水。51万5000円。

「J12」はフライング トゥールビヨン搭載モデルやジュエリーがセットされたモデルを除いて、数十万円で購入できる。

しかし先述のとおり、「J12」だけがシャネルのメンズウォッチではない。男性向けの「ムッシュー ドゥ シャネル」と、男性でも着用しやすい「ボーイフレンド」を紹介しよう。

ムッシュー ドゥ シャネル

ムッシュー ドゥ シャネル

「ムッシュー ドゥ シャネル」240度のレトログラード分表示、ジャンピングアワーを搭載した手巻きムーブメント搭載。18Kベージュゴールドケース。ケース径40mm、ケース厚10.4mm。30m防水。394万円。

数十万円で購入できる「J12」に対し、「ムッシュー ドゥ シャネル」は約400万円からという、文字どおり桁違いの高級コレクションである。

「ムッシュー ドゥ シャネル」は、マニュファクチュールとしてのシャネルの技術力が凝縮された、老舗高級時計メーカーと比べても遜色ない仕上がりだ。

レトログラード分表示とジャンピングアワーという、ふたつの複雑機構を備えたムーブメントへの自信はシースルーバックからじっくりと見ることができる。

ケースには、18Kベージュゴールドやプラチナを採用し、文字盤にグランフーエナメルを採用したモデルを展開するなど、高級時計としての品格も抜群だ。

ボーイフレンド スケルトン

ボーイフレンド スケルトン

「ボーイフレンド スケルトン」自社製ムーブメント「キャリバー 3.」搭載。18Kベージュゴールドケース。ケースサイズ縦37×横28.6mm、ケース厚8.4mm。30m防水。

「ボーイフレンド」は、プルミエールの八角形ケースを踏襲したコレクションである。基本デザインは統一させながらも、よりマスキュリンに仕上げたコレクションだ。

シャネルのレディース向けの代表的コレクションであるボーイフレンドだが、ラージサイズは男性にもおすすめだ。

また、マニュファクチュールとしての矜持を存分に見せてくれるのが「ボーイフレンド スケルトン」。全面スケルトン仕様で、18Kベージュゴールドのボディに自社製ムーブメント「キャリバー 3.」を採用したモデルである。

さらにリュウズのカボションにはオニキスを配ている。ちなみに価格は438万円だ(2020年2月現在)。


シャネルの時計の選び方

シャネルの時計は、コレクションごとにデザインが見事に統一されている。

またユニセックスも展開しており、男性が選ぶ際には多少のコツが必要になるだろう。

まずはケースサイズに着目

男性向けに見えるモデルであっても、女性がマスキュリンな時計として身につける、ということも想定されているのだ。

もともと女性のためのブランドということもあり、明確に男性向けという時計が見つけにくい点はシャネルならではである。

このため、まずは自分に合ったケースサイズをイメージすることが重要だ。基本的にはケース径が38mm以上あるモデルならば、男性の手首にしっくり収まるだろう。

用途に合わせて色を決定

ケースサイズを限定すれば、次は色を決定することで候補が絞られる。とはいえ、男性向けと考えればシャネルのカラーバリエーションは多くはない。つまり、ブラック、ホワイト、ホワイトゴールド、ベージュゴールドの4種類である。

ビジネスシーンで着用するならブラックが有力候補となるだろう。手元の存在感を強調するならホワイトはよい選択だ。ゴールド系は洗練された印象であり、トータルコーディネート次第ではビジネスシーンにも映える。


購入後はサポートやケアに留意

シャネルの、公式サイトにアクセスすれば、オンラインリペアサービスだけでなく、メンテナンスの概要やモデルごとのユーザーガイドが用意されているので購入を検討する場合、有用である。


デザインと融合した確かな機能性を感じよう

シャネルの時計は、ファッションブランドとしてのデザイン性の高さに意識が向きがちだが、今やシャネルは、ムーブメントを開発するマニュファクチュールである。

ガブリエル・シャネルの思想を受け継いだ普遍的なデザインの追求と、マニュファクチュールとしての技術が融合した、シャネルでしか表現できない時計を身につけてみてはいかがだろうか。

川部憲 Text by Ken Kawabe