オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」ほか人気モデルの選び方。特徴や魅力を解説

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2023.03.14

ロイヤル オークの魅力とは

オーデマ ピゲのフラッグシップ・コレクションとして不動の地位を確立しているロイヤル オーク。いくつもの時代を経ても色褪せない魅力の根源に迫ってみたい。

独自性と芸術性

最大の魅力といえるのは、やはりその独自性と芸術性の高さだろう。とはいえ、斬新な発想をもってジェラルド・ジェンタが手掛けたデザインは、当初は大衆に受け入れられなかった。

ロイヤル オーク

ロイヤル オークのケース構造。ケースを2ピース化し、ベゼルとケースの間にパッキンを挟み込むことで、ケースの薄さと50m防水の両立を実現した。ベゼルは8個のビスで留められている。

39mmというサイズも大きすぎるという理由で敬遠された。さらに金よりも高価な価格設定も簡単に受け入れられない理由になった。

高価になった理由は1972年当時、ステンレススティールの加工技術が現在ほどのレベルではなかったからだ。「ロイヤル オーク」は時計では初となる切削により、ケースとブレスレットが成形されている。

しかし、ロイヤル オークには時代を強引に引き寄せるかのような力強さと美しさがあった。これを貫くことで、スポーツウォッチにラグジュアリーという概念を生み出すことに成功したのである。コンセプトを理解するまで時間は要したが、それはその存在を揺るぎないものにする時間ということもできる。世界の時計ファンは、次第にロイヤル オークの美しさの虜となっていった。

8角形のビスが装備されたベゼルは「潜水服のヘルメットをモチーフにした」という。未知の深海を覗き見るかのように時間を確認させるとは、なんとも芸術的な発想だ。

バリエーション

ロイヤル オークにはいくつものバリエーションが存在する。その多彩さもロイヤル オークの魅力といえるだろう。

いまではオーデマ ピゲのアイコンとなった「ロイヤル オーク」、大胆かつスポーティーさを増した「ロイヤル オーク オフショア」、最新のメカニクスを結集した2002年登場の「ロイヤル オーク コンセプト」など、基本路線はひとつでありながらも、まったく異なる印象を与えるあたりは、流石のセンスだ。

ロイヤル オーク オフショア ダイバー

2021年に発表された「ロイヤル オーク オフショア ダイバー」。バリエーションはカーキダイアル、ブルーダイアル、グレーダイアルの3つが展開される。ダイアルと同色のラバーストラップのほか、ブラックのラバーストラップも付属。自動巻き(Cal.4308)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径42.0mm、厚さ14.2mm)。30気圧防水。374万円(税込み)。

さらに、クロノグラフ、パーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーターといった複雑機構搭載モデルや、これら機構を複数搭載したグランドコンプリケーションモデルもラインナップされている。加えて限定モデルやコラボレーションモデルも投入され、ファンを喜ばせている。

オーデマ ピゲのブランド力

ロイヤル オークが輝き続ける理由に、オーデマ ピゲが誇る高いブランド力も欠かせない。全世界のセレブたちから寄せられる信頼度は抜群だ。

それは世界3大時計ブランドとして、長きに渡ってそのポジションを守り抜いてきていることにもあらわれている。その実現は伝統を超える革新をつくり続けられる精神力と技術力の両輪があればこそ。この他の追随を許さない力強さが、オーデマ ピゲというブランドの推進力になり、信頼につながっているのである。

そのオーデマ ピゲを代表するコレクションが、言うまでもなくロイヤル オークだ。それはつまり、腕時計コレクションの最高峰のひとつであることを意味している。


ロイヤル オークの選び方

世界を代表する腕時計コレクションのロイヤル オークには多彩なラインナップが揃う。最高の1本を選ぶために、チェックポイントを確認しておこう。

素材

1955年、オーデマ ピゲは世界で初めて閏年に対応したパーペチュアルカレンダー機構を腕時計に搭載。この「ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー」は、その流れを汲む自動巻きのCal.5134を搭載する。ケースとブレスレットにはブルーセラミックスを採用。オーデマ ピゲの伝統と先進性を楽しめるモデルである。自動巻き(Cal.5134)。38石。パワーリザーブ約40時間。1万9800振動/時。ブルーセラミックケース(直径41mm、厚さ9.5mm)。20m防水。価格要問い合わせ。

発表当時、ロイヤル オークが世間を震撼させた理由、それは素材にあった。それまでの高級時計は、金を中心とする貴金属を用いることが常識となっていたからだ。

ロイヤル オークが採用した素材は、前述したようにステンレススティールだった。その斬新さに、一部の識者は酷評したともいわれている。しかしその挑戦が、高級腕時計に新たな局面をもたらしたことは時代が証明したとおりだ。

その後に追加されたモデルには、ラグジュアリーウォッチ“らしく”ゴールドやプラチナを用いたり、ダイヤモンドをセッティングしたハイエンドモデルも加わっている。よりラグジュアリーなテイストとスポーティーさのマッチングも人気だ。

近年では、セラミックやチタンなど軽量で傷つきにくい新素材が採用されており、ここからもオーデマ ピゲらしさが感じられる。

サイズ

ロイヤル オーク オートマティック

2020年に発表された「ロイヤル オーク オートマティック」の34mmモデル。自動巻き(Cal.5800)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径34mm、厚さ8.8mm)。50m防水。313万5000円(税込み)。

1972年に始まるロイヤル オークの歴史を振り返ると、さまざまなケースサイズで展開されていることが分かる。一貫したデザインのなかから、いろいろなサイズを選べる点もロイヤル オークの魅力だろう。

現行のモデルでは、39mmと41mmを中心に33mm、34mm、37mm、38mm、42mm、44mmといったバリエーション豊富なサイズが用意されている。

ロイヤル オーク オフショアには、37mm、42mm、43mm、44mmがあり、ラインナップも充実。ロイヤル オーク コンセプトには38.5mm、43mm、44mmが揃う。

ロイヤル オークはビジネスユースにも合うよう、41mm径の3針モデルで厚さ10.5m、自動巻きクロノグラフでも厚さ11mmと薄めに仕上げられている。対してロイヤル オーク オフショアやロイヤル オーク コンセプトは、そのダイナミックさを損なわないようボリュームあるサイズ感が魅力だ。

デザイン

ロイヤル オーク

ジェラルド・ジェンタが、1970年に描いたロイヤル オークのデザイン画。

1972年のデビュー以来、ロイヤル オークはその基本デザインを踏襲し続けている。いまやオーデマ ピゲの象徴となっているといってよい。

ロイヤル オークの特徴をなしているものとして、ベゼルにあしらった8個のビス、バーインデックス、ケースと一体型のブレスレットなどがある。タペストリー加工を施した文字盤もロイヤル オークのアイコンのひとつだ。

一方で、多彩なモデルがラインナップされていることもロイヤル オークの特徴だ。色、素材、機能など、自分好みのものを選ぶことでオリジナリティーを演出できるだろう。


ロイヤル オークの人気モデル

ロイヤル オークシリーズには、それぞれに個性と特徴が光るラインナップが用意されている。シーンに合わせてさまざまに選べる点も、ロイヤル オークの魅力だ。

以下では、その中から、主な人気モデルを紹介しよう。ロイヤル オークの素晴らしさを各モデルから感じ取れることだろう。

ロイヤル オーク オートマティック

ロイヤル オーク オートマティック

1972年から続く歴史を凝縮したモデル。格子柄の「グランド・タペストリー」模様のダイアルは強い存在感を放つ。約7年の開発期間を経て誕生したオーデマ ピゲの基幹ムーブメントであるCal.4302を搭載。「ロイヤル オーク オートマティック」。自動巻き(Cal.4302)。32石。パワーリザーブ約70時間。2万8800振動/時。SSケース(直径41mm、厚さ10.5mm)。50m防水。346万5000円(税込み)。

ロイヤル オークのベーシックなスタイルを踏襲しているモデルが「ロイヤル オーク オートマティック」だ。サイズ、デザインとも50年変わらぬスタイルをいまに伝えている。

ケース径41mm、ケースの厚み10.5mmというサイズは、持て余すことのない大きさだ。すっきりとしたフェイスと磨き分けされたケースから醸し出される洗練された雰囲気は、ビジネスシーンにもマッチする。

ブレスレットにはロイヤル オークの代名詞ともいうべきステンレススティールを採用。ロイヤル オークオリジナルのタペストリーパターンのダイアルも上品さを演出している。

ロイヤル オーク クロノグラフ

ロイヤル オーク クロノグラフ

2019年に初登場した、フライバック機能を備えた自動巻きクロノグラフムーブメントCal.4401を搭載した「ロイヤル オーク クロノグラフ」。40石。パワーリザーブ約70時間。2万8800振動/時。18KPGケース(直径41mm、厚さ12.4mm)。50m防水。643万5000円(税込み)。

「ロイヤル オーク クロノグラフ」は1998年に登場。

当初ケースサイズは39mmだったが、2012年に41mmが登場。現在のラインナップは41mmが主流だが、2019年に38mmがコレクションに追加された。豊富なカラーリングとあいまって、同モデルの人気がさらに高まりそうだ。

ロイヤル オーク クロノグラフ

2019年に誕生した「ロイヤル オーク クロノグラフ」の直径38mmモデル。自動巻き(Cal.2385)。37石。パワーリザーブ約40時間。2万1600振動/時。SSケース(直径38mm、厚さ11mm)。50m防水。451万円(税込み)。

ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン

ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン

初登場時の復刻版として登場。直径39mmというケースサイズ、秒針のない2針仕様、6時位置のAPのロゴなど、往時の雰囲気をいまに伝えている。「ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン」。自動巻き(Cal.7121)。33石。パワーリザーブ約55時間。2万8800振動/時。18KPGケース(直径39mm、厚さ8.1mm)。50m防水。973万5000円(税込み)。

「ロイヤル オーク “ジャンボ” エクストラ シン」は、1972年に登場したオリジナルモデルを再現しており、秒針がない2針モデルであることが特徴となっている。

もうひとつの特徴が6時位置にロゴを配している点。これによりロイヤル オーク オートマティックとは違ったトラディショナルな装いとなっている。

名称にある“ジャンボ”はデビューした当時、直径39mmは一般的な時計と比べて非常に大きかったことから、これにあやかりつけられたものだ。


メンテナンスとサポート

世界の時計ファンから高い評価を得るオーデマ ピゲの腕時計は、一生を共にできる価値ある一品だ。ビジネスの最前線で戦う戦友として、人生をともに歩む友人として、常に寄り添ってくれるに違いない。

そんな大切なものだからこそ、定期的にケアを行いたい。

日々の手入れ

時計は、腕にジャストフィットさせることが大切だ。これにより自動巻きシステムが効率良く作動し、かつメタルブレスレットのパーツ間の消耗を回避できる。

着用の頻度にかかわらず、自動巻き、手巻きともに少なくとも毎月1回は巻き上げておこう。手巻きではリュウズに軽い抵抗を感じるまで巻き上げ、自動巻きでは少なくともリュウズを30回は回しておきたい。

ムーブメントと防水性には、定期的なチェックも求められる。劣化により防水性を低下させるパッキンは、2~3年ごとに交換して欲しい。またレザーストラップは痛みが早くなるため水に浸けてはいけない。

デイト、月、月齢を午後や夕方に調整することはできるだけ避けるべきである。アニュアルカレンダーやパーペチュアルカレンダーを取扱説明書で指定された時間外に調整することも厳禁だ。

コンプリート メンテナンス サービス

生活を共にするオーデマ ピゲの腕時計にメンテナンスが必要になったら、正規ブティックもしくは販売店に依頼しよう。同社のコンプリート メンテナンス サービスで適正なメンテナンスが施される。

作業着手前に写真を撮影し、ムーブメント番号とシリアルナンバーのふたつをコンピューターに入力する。本物と認定された段階でメンテナンスがスタートするという徹底ぶりだ。

そして、分解・洗浄・修理や交換・組み立て・注油といった作業が、高い技術を有する技術者によって行われる。全ての部品を検査し、調整。また必要に応じてケースやブレスレットも研磨され輝きを取り戻す。


大人気のロイヤル オーク

高級腕時計としての評価を一身に集めるオーデマ ピゲだが、なかでもロイヤル オークはあらゆるシーンに対応するオールマイティーかつ同社を代表するシリーズである。

気品ただようロイヤル オークを身に着けてみよう。上質な腕時計の世界観が、着ける者をより高めてくれるに違いない。



Contact info: オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000


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