A.ランゲ&ゾーネ。ドイツが誇る高級時計の歴史と厳選モデル15選

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2021.08.12

A.ランゲ&ゾーネの新作

A.ランゲ&ゾーネのこれまでのモデルはすべてレザーストラップを用いており、ドレッシーでエレガントなフェイスが特徴的だ。

ここでは、初めてステンレススティールのブレスレットを採用した、A.ランゲ&ゾーネの伝統から見れば革新的な新作、オデュッセウスについて紹介しよう。

ステンレススティールのオデュッセウス

オデュッセウス

A.ランゲ&ゾーネ「オデュッセウス」(Ref. 363.179)
自動巻き(Cal.L155.1 DATOMATIC)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径40.5mm、厚さ11.1mm)。120m防水。SSブレスレット。310万円。

2019年に発表された「オデュッセウス」は、A.ランゲ&ゾーネ初となるステンレススティール製のラグジュアリー・スポーティーモデルだ。

これまでブレスレットの製造経験がなかったA.ランゲ&ゾーネだが、仕上がりは秀逸だ。5連ブレスレットはコマの動きが滑らかで、裏側の突起に専用工具を押し当てることで完全な分解が可能だ。

スポーツシーンでの着用を想定して、新設計の耐震機構付きテンプを採用し、120m防水という高い防水性能も実現した。

ケースは丁寧に磨き上げられ、滑らかな稜線を描く。ダイアルとインダイアルの外周には、躍動するひげゼンマイを思わせるアジュラージュ模様が描かれている。


ランゲ1のおすすめ

A.ランゲ&ゾーネの看板といえるランゲ1ファミリーには、クラシックな「ランゲ1」をベースとする豊富なコレクションが含まれる。ここでは、「ランゲ1」を含む4つのコレクションを紹介しよう。

ランゲ1

「ランゲ1」は、1994年に発売された復興第一弾モデルのなかで最も注目を集めた、A.ランゲ&ゾーネの復活を象徴する名作だ。

ランゲ1(Ref. 191.032)

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1(Ref. 191.032)」
手巻き(Cal.L121.1)。43石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18Kピンクゴールド(直径38.5mm、厚さ9.8mm)。30m防水。アリゲーターベルト。380万円。

オフセンターに配置された二つのインダイアルとパワーリザーブ・インジケーター、それにアウトサイズデイトで構成されたダイアルは、視認性が高く合理的である。

リュウズ操作で秒針を止められるストップセコンド機能を持ち、科学計測用の腕時計を志向したアドルフ・ランゲの設計思想を現代に伝える。

Cal.L121.1は、片持ちのチラネジテンプとクラシックな3/4プレートという普遍的な造形美を持つ。最大72時間のパワーリザーブを誇る点も見逃せない。

グランド・ランゲ1

2012年に発表された「グランド・ランゲ1」は、ランゲ1のプロポーションを2.5mmワイドに仕上げ、ムーブメントを再設計して機能向上を図ったコレクションだ。ケース径は41mmと大ぶりだが、ケース厚は8.8mmという薄型モデルとなった。

グランド・ランゲ1(Ref. 117.028)

A.ランゲ&ゾーネ「グランド・ランゲ1(Ref. 117.028)」
手巻き(Cal.L095.1)。42石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18Kホワイトゴールド(直径41.0mm、厚さ8.8mm)。30m防水。アリゲーターベルト。465万円。

自社製のひげゼンマイを採用することで、高精度化も図っている。複雑機構搭載モデルではないが、ムーブメントは複雑かつ精緻な構造だ。

ランゲ1・デイマティック

2010年に発表された「ランゲ1・デイマティック」は、ランゲ1ファミリー初の自動巻き時計として登場した。

ランゲ1・デイマティック

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・デイマティック」
自動巻き(Cal.021.1)。67石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。プラチナ(直径39.5mm、厚さ10.4mm)。30m防水。アリゲーターベルト。生産終了。

ダイアルは「ランゲ1」を鏡面に映したように左右の配置が逆転しており、パワーリザーブ・インジケーターはレトログラード週表示に置き換わっている。

ランゲ1・ムーンフェイズ

時計師の多くが魅了されてきた月の軌道。それを忠実に再現し文字盤の上に描いたのが「ムーンフェイズ表示」だ。2002年、A.ランゲ&ゾーネの代名詞でもあるランゲ1シリーズに「ランゲ1・ムーンフェイズ」が登場。そして、2017年、フェイスも新キャリバー「Cal.L121.3」を採用して刷新された。

ランゲ1・ムーンフェイズ

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・ムーンフェイズ」(Ref. 192.025)
手巻き(Cal.L121.3)。47石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。プラチナ(直径38.5mm、厚さ10.2mm)。30m防水。アリゲーターベルト。592万円。

新しいムーンフェイズは「実際の昼夜の空を表現する」 というコンセプトのもとにデイ・ナイト表示と一体となったムーンフェイズ表示を搭載。日中はライトブルーの青空に、夜間はダークブルーの夜空にレーザー光で刻まれた星と共に月の姿を描くことができる。

しかも、A.ランゲ&ゾーネのムーンフェイズ表示は99.9998%の精度を誇り、1日ずれるのに約122.6年かかる。今回、搭載されているキャリパー「Cal.L121.3」はランゲ1の ムーブメント「Cal.121.1」 と同じサイズながら、そこに70個以上のムーフェイズ用部品が組み込まれているのも驚きだ。

文字盤には右上にアウトサイズデイトを、右下にムーンフェイズを配置するデザインに魅了される。

ランゲ1・トゥールビヨン “ハンドヴェルクスクンスト”

2014年に発表された「ランゲ1・トゥールビヨン “ハンドヴェルクスクンスト”」は、ランゲ1の誕生20周年を祝ったコレクションだ。

ランゲ1・トゥールビヨン “ハンドヴェルクスクンスト”

A.ランゲ&ゾーネ「ランゲ1・トゥールビヨン “ハンドヴェルクスクンスト”」
手巻き(Cal.L961.3)。51石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。プラチナ(直径38.5mm、厚さ10.2mm)。30m防水。アリゲーターベルト。生産終了。

メインダイアルはブラックエナメル仕上げであり、ロジウム仕上げのゴールドインデックスと針が花を添える。

5時方向にはダイヤモンド受け石で支えたトゥールビヨンが格納され、スモールセコンドはミニッツサークルのなかのインダイアルとなった。

開口部からはチラネジテンプとサンバースト仕上げのツインバレルが覗き、背面の受けにはエングレービング装飾を施している。