シーマスターの魅力
「シーマスター」がドーム型のサファイアクリスタルを採用しているのは、耐水圧性を高めることが主目的だ。
ベゼルのエナメル装飾は耐食性を高める効果もある。これらは地上での耐久性や審美性にも好影響を及ぼす。
シーマスターは、実用性とデザインセンスを両立させた高級腕時計といえる。ここでは、シーマスターの魅力をさらに3点に分けて紹介しよう。
視認性
ダイバーズウォッチであるシーマスターは、光の届かない深海でも容易に時間情報が読み取れる工夫を凝らしており、当然ながら陸上においても視認性が高い。
ダイアルにはブロードアロー型針やくさび型のインデックスを用い、加飾の要素を最小限にとどめている。計時に関わるあらゆる部品の蛍光性能も高く、夜間の視認性も十分だ。
実用性
「破損が怖いので、高級腕時計は着用しにくい」という人もいるかもしれない。だが、シーマスターは過酷な環境でこそ真価を発揮する。ハードな環境下での着用を前提に製造されているため、耐久性が高いことも利点だ。
マスター クロノメーターに認定されるシーマスターであれば、5000G相当の衝撃を与える耐衝撃テストをクリアしているので、優れた堅牢性を確保。
シリコン製ひげゼンマイの採用により耐磁性も1万5000ガウスと非常に高く、磁石や電子機器の影響による精度の劣化も少ない。
加圧にも減圧にも、さらに温度変化にも強いため、陸海空どこでも安心して身に着けていられる実用性の高さも魅力といえる。
ステータス性
オメガは世界的に評価の高い時計であり、愛好家だけでなく、一般にも広く認知されている。
日本でも高級腕時計としてオメガの名を挙げる者は多く、著名人の愛用例も一定数あることから、シーマスターのステータス性は高い。
シーマスターの人気モデル
「シーマスター」には実用的な機能と性能が備わり、それらは均整の取れたルックスやステータス性にも影響を与えている。
多くの魅力的特徴を持つシーマスターだが、そのラインナップは多岐にわたり、実際に1本を選ぶのはなかなかに難しい。
ここでは、シーマスターの主なコレクションとそのモデルについて紹介しよう。
ダイバー 300M
ブラックセラミック製のベゼルにホワイトエナメルのダイビングスケールを採用した「シーマスター ダイバー 300M コーアクシャル マスター クロノメーター」。自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.6mm)。30気圧防水。91万3000円(税込み)。
「ダイバー 300M」は、ジェームズ・ボンドが作中で着用していたことでも有名な、シーマスターの代表的コレクションだ。2018年にはデビューから25周年を迎え、すべてのモデルが一新された。
「シーマスター ダイバー 300M コーアクシャル マスター クロノメーター 42mm」では、セラミック製のダイアルにレーザー加工で波模様を施し、浮彫となったインデックスには蓄光塗料スーパールミノバを塗布している。
ベゼルにはホワイトエナメルのダイビングスケールを施し、判読性と耐久性を高めた。ケースの素材はゴールドやセドナゴールドも選べる。
アクアテラ 150M
2020年、シーマスター アクアテラ初採用となる、グリーンダイアルをまとった1本。サンレイ仕上げによって、光の当たる角度で表情を変えるのも良い。自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.2mm)。15気圧防水。96万8000円(税込み)。
「アクアテラ 150M」は、ケース径が40mmを超えるダイバー 300Mよりも小ぶりなサイズが多いコレクションである。デザインも洗練されており、都会的でスマートな雰囲気を感じさせる。
現行モデルはサイズを問わず、ダイアルがクルーザーのウッドデッキをモチーフにした横ストライプ模様を施しており、日付窓を6時位置に配したことでシンメトリックな美しさがある。
ステンレススティールのブレスレットやレザーストラップも選べるが、ラバーストラップでリゾートや休日用に使うのもおすすめだ。
シーマスター 300
ケース素材に、特許申請中の新合金ブロンズゴールドを採用した「シーマスター 300 コーアクシャル マスター クロノメーター」。自動巻き(Cal.8912)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。ブロンズゴールドケース(直径41mm、厚さ14.4mm)。30気圧防水。209万円(税込み)。
「シーマスター 300 マスター クロノメーター」は、1957年に発売された名作「シーマスター 300」の進化形だ。
視認性の高い大型のブロードアロー型針や楔形インデックスといったデザイン要素は踏襲しながら、リュウズやブレスレットなど各パーツが改良されている。
しかも最新コレクションは超高耐磁性のムーブメントを搭載しており、多くのモデルがマスター クロノメーターに認定されている。
ケースはチタン、18Kイエローゴールド、18Kセドナゴールドなどが選べるが、なかでも一般的なブロンズよりもゆっくりとエイジングが進む、オメガ独自のブロンズ合金を採用したモデルは注目すべき1本である。
レイルマスター
1957年、耐磁性能を備えた鉄道時計としてリリースされた「CK2914」を復刻したモデル。自動巻き(Cal.8806)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SS(直径38mm)。60m防水。限定3557本。73万円(発売当時)。
「レイルマスター」は、スピードマスターやシーマスターと同じく1957年に誕生したモデルをオリジナルとするコレクションだ。
このため、シーマスター 300と同様にクラシカルな雰囲気を持つが、やはりこちらも現代的にブラッシュアップされている。ダイアルは垂直方向に、またステンレススティール製のケースにもブラッシュ加工を施し、ラギッドな印象を与える。
オリジナルのレイルマスターは、鉄道員や技師のために耐磁性を高めて設計されたモデルである。現在、1万5000ガウスという驚異的な耐磁性を持つマスター クロノメーターは、レイルマスターの仕様が基盤となっている。
デニムに着想を得たダイアルやストラップを備えるモデルもラインナップさている。
"オメガ 1957 トリロジー” セットに分類されるスペシャルエディションであるため稀少なモデルとなっているが、オメガの歴史を語るうえで欠かせない名作である。
プラネットオーシャン
2023年に発表された「シーマスター プラネットオーシャン ダークグレー」。最先端のセラミックス、シリコンナイトライド(窒化ケイ素セラミックス)[Si3N4]という素材を、はケース本体、ケースバック、ベゼルリングに用いている。自動巻(Cal.8906Ti)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。シリコンナイトライドセラミックスケース(直径45.5mm、厚さ17.4mm)。600m防水。343万2000円(税込み)。
2005年が初出の「プラネットオーシャン」は、600mの防水性能を備えるプロフェッショナル仕様のダイバーズウォッチである。デザイン要素はシーマスター 300と共通する部分が多いが、こちらのハイエンドラインといった立ち位置だ。
オリジナルのプラネットオーシャンはオレンジセラミックのベゼルが目を引くスポーティーな外観だったが、現行コレクションでもオレンジを取り入れたカラフルなモデルが多い。一方で掲載しているダークグレーのシックなダイアルや、ブルーダイアルなど幅広くラインナップされているので、ぜひお気に入りの1本を選んでみよう。