パテック フィリップがオンライン販売の解禁
またその一方で、これまでにない画期的な動きもある。それはアメリカや英国など海外での、パテック フィリップの「オンライン販売の解禁」だ。
「LONDON JEWELERS」のオンライン販売サイト。左上にパテック フィリップのバナーがあり、ここからその販売ページに飛べる。
現時点では「一時的なもの」「緊急避難的なもの」とされているが、同社はこれまでオンラインでの製品販売を一切認めてこなかった。しかし、新型コロナウイルスによる店舗閉鎖の状況に対応し、正規ディーラーのオンラインサイトでの販売を認めたのだ。
だが、パテック フィリップ ジャパンの話では、日本国内では政府により緊急事態宣言が出され、大都市圏の主要な百貨店がクローズした現在も今後も、オンライン販売を解禁することはないという。これは日本におけるパテック フィリップの圧倒的なステイタス性、さらに同社製品の日本における圧倒的な人気とその販売状況を考えれば、当然のことと言えるだろう。
ただ世界では、高級時計に限らず高級品、高額品のオンライン販売の導入は加速する一方だ。一説には前年比マイナス50%とも予測される今回の新型コロナウイルス危機によるラグジュアリーマーケットの劇的な縮小への「切り札」として、時計業界で「高級時計のオンライン販売」が再評価されることは間違いない。
世界は時々刻々と、休みなく動いている。
「バーゼルワールド2019」において、パテック フィリップ(右)とロレックス/チューダー(左)のブースで新作に見入る来場者たち。来年の新作発表はオンラインか、それとも上の写真と同様にバーゼルワールド2021での発表になるのだろうか。
渋谷ヤスヒト/しぶややすひと
モノ情報誌の編集者として1995年からジュネーブ&バーゼル取材を開始。編集者兼ライターとして駆け回り、その回数は気が付くと25回。スマートウォッチはもちろん、時計以外のあらゆるモノやコトも企画・取材・編集・執筆中。
ブライトリングが日本でのオンラインブティックをスタート
https://www.webchronos.net/news/43771/
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