1957年から2003年にかけて、イギリスのセーリング・クラブであるロイヤル・オーシャン・レーシング・クラブのメンバーが開催してきた国際的な外洋航海ヨットレース、アドミラルズカップ。コルムはこの伝説的なレースに敬意を表して1960年より「アドミラル」コレクションを展開している。海を思わせる佇まいの、コルムの代表作のひとつだ。今回は2020年にコレクションに加わった新モデル2本を紹介しよう。ブロンズケースを採用した「アドミラル レジェンド 42」だ。
Text by Mark Bernardo
コルム「アドミラル レジェンド 42」
現在の「アドミラル」コレクションの特徴を述べるとき、まずは12角型のケースが挙げられるだろう。これはコルムが1983年から採用してきた意匠である。前モデルまでこの直径は48mmと大ぶりなサイズ展開を行ってきたが、2020年の新作では42mmへと大幅なサイズダウンが図られた。12の角のそれぞれにはコレクションのデザインコードに則り、0から9の10種類の数字を表す国際信号旗を組み合わせたアワーマーカーがあしらわれている。今作最大の特徴は、ケース、ベゼル、リュウズの素材にブロンズを採用したことだ。サテン仕上げを施したブロンズは、持ち主の海での思い出を彩りながら、味わい深く経年変化を見せていくだろう。
文字盤に採用されたカラーは、両者ともに近年の時計業界で人気を誇るネイビーブルーとダークマリングリーンの2色である。肉抜きとファセット加工が施された時分針にはゴールドのPVD加工が施され、その上から文字盤に合わせたブルーまたはグリーンカラー、そしてスーパールミノバが塗布された。3時位置の旗の横にはデイト表示用の小さな開口部、6時位置にはスモールセコンドが設けられている。搭載される自動巻きムーブメントはETAをベースに用いたキャリバーCO 395だ。PVD加工が施されたステンレススティール製ケースバックのサファイアクリスタルから鑑賞が可能である。
時計に組み合わされるのは、文字盤の色と合わせたアリゲーターストラップだ。これにはPVD加工が施されたステンレススティール製トリプルフォールディングバックルが合わせられている。
日本での販売開始は2020年7月と予定されている。夏の訪れがいっそう待ち遠しくなる時計だ。
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