Q:ドーム型風防とボックス型風防の違いとは?
かつての樹脂ガラス風防を思わせるような造形を持つボックス型や、ドーム型のサファイアクリスタル風防はレトロ調モデルや復刻モデルに欠かせないパーツのひとつだ。写真のカール F. ブヘラ「ヘリテージ バイコンパックス アニュアル」は外周部に立ち上がりを持たせているため、セイコーの定義に従えばボックス型風防となる。
Photograph by Masanori Yoshie
Photograph by Masanori Yoshie
A:立ち上がっているか、カーブがついているかの違い
時計の記事を見ていてしばしば気になるのが、ドーム型風防やボックス型風防といった表記。どちらも盛り上がった風防を指しますが、少し違います。セイコーは両社をこう定義しています。
・デュアルカーブサファイアガラス(=ドーム型サファイアクリスタル風防)
「表・裏の両面にカーブのついているガラス」
・ボックス型サファイアガラス(=ボックス型サファイアクリスタル風防)
「外周部に立ち上がりを持たせた、デュアルカーブサファイアガラス」
この定義に従えば、風防の内側と外側にカーブを付けたのがドーム型風防で、肩が張ったものがボックス型風防となります。セイコーの例ではファイアガラス(=サファイアクリスタル)が挙げられていますが、使われる素材はさまざまで、樹脂ガラス(含むプレキシなど)、有機ガラス(含むハードレックスなど)、サファイアクリスタルなどがあります。
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ボックス型風防を採用するモデルはパッキンに注目
かつてサファイアクリスタルでボックス型風防を作るには大変なコストがかかりました。そのため、一部のメーカーはドーム型風防を採用していました。しかし、工作機械の進歩により、エントリークラスのモデルでも、ボックス型のサファイアクリスタル風防を採用する例が増えてきました。最近のレトロ調ブームは、明らかにボックス型サファイアクリスタル風防の普及が可能にしたものです。
なお、ボックス型サファイアクリスタル風防が付いた時計を買う際は、風防を支える防水パッキンに注目してください。普通の風防に比べてボックス型の風防は重いため、防水パッキンが厚くなってしまいます。上手いメーカーは白いパッキンを上手く隠していますが、時計作りに慣れていないメーカーや、急ごしらえのモデルなどは、ベゼルと風防の間にパッキンが目立つものがあります。
真に見るべきは上質な外装にあり/カール F. ブヘラ「ヘリテージ バイコンパックス アニュアル」
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https://www.webchronos.net/features/42851/
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時計ランキング/多様化を推し進めるカーブドサファイア
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