今、セイコー アストロンを選ぶ理由

FEATUREその他
2021.01.19

2018 <5Xシリーズ>

セイコー アストロン 5Xシリーズ デュアルタイム

セイコー アストロン 5Xシリーズ デュアルタイム
SBXC003

5Xシリーズのファーストモデル。GPS衛星の電波受信を1日最大2回実行するスーパースマートセンサーや、2カ国の時間を瞬時に切り替えられるタイムトランスファー機能、自動的にサマータイムを修正する機能などを搭載し、さらに高性能化されている。GPSソーラー(Cal. 5X53)。セラミックベゼル×チタンケース(直径42.9mm、厚さ12.2mm)。10気圧防水。チタンブレスレット。23万円(税別)。2018年11月発売。
川村公則

5Xシリーズ搭載モデル担当デザイナーの川村公則氏。「昨今のSDGsの流れを意識して、日常的にも使いやすく、サステナブルな腕時計になることを目指しました」とそのデザインポイントを語る。デザインで選ばれるフェーズに突入した新生アストロンを担う。

“普通の腕時計”へと進化を遂げたさらなる飛躍

“10万年に1秒しか狂わないGPS衛星搭載の原子時計の精度を取り込むGPSソーラーウォッチを当たり前の存在にする”というセイコーの自負を今一度強く印象付けたのが、一層の小型化を果たした第3世代の5Xシリーズだ。そのファーストモデルのケースサイズは直径42.9mm、厚さ12.2mmと、限りなく一般的な腕時計の大きさになったと言える。セイコーは小型化に結び付けられる要素を徹底的に追求。GPSモジュールは8Xシリーズに対しておよそ半分まで低消費電力化し、さらにICの受信性能が向上したことから、受信アンテナは大きなリング状である必要もなくなり、わずか1cm四方のパッチアンテナに激変させた。GPS衛星からの電波と波長を共振させる超精密なアンテナの小型化がいかに難しいかは察するに余りあるが、8Xシリーズから4年もの歳月を重ねて刷新したことに明確な使命感がうかがえる。

川村公則氏によるセイコーウオッチサロン限定モデルのレンダリング。先進的な技術力の表現に特化した7Xと8Xシリーズに対して、丸みを帯びたパーツを多用し高級感を表現。時分針にチタンを採用し、軽量化と質感アップを可能にした。独自性ある裏蓋は、中央部に設けられたくぼみが軽快な装着感を実現。

 5Xシリーズのデザインを担当した川村公則氏はSBXC063を指しながらこう話す。「ビジネスマン向けに展開してきた新生アストロンを、5Xからはラフな服装でも使えるように意識しました。このモデルはジーンズに白のTシャツで空港へ向かう人をイメージしています」。

セイコー アストロン グローバルライン スポーツ 5X チタン

セイコー アストロン グローバルライン スポーツ 5X チタン
SBXC063

ベゼルまでチタンで作られたセイコー アストロン初のオールチタンモデル。初代アストロンのシルエットを踏襲したケース形状に注目。軽量性、防水性に優れる。GPSソーラー(Cal.5X53)。チタンケース(直径42.8mm、厚さ14.7mm)。20気圧防水。チタンブレスレット。26万円(税別)。

 そうした印象を醸し出すのは、8Xシリーズの白文字盤よりもさらに明るいシルバーダイアルだ。光沢あるインデックスも質感が高くのびやかである。「通常は文字盤と水平にあるインデックスを、立体感を出すためにあえて斜めに配しています。これほど小さいものを斜めに据えるのは見た目以上にコントロールが難しいのです」。リングアンテナが廃され、もはや文字盤と風防の隙間も通常の腕時計と変わりはなくなった。それに代わって、腕時計の普遍的な美しさと“大径だった時代”に確立されたセイコー アストロンのアイデンティティーを両立させる新たな挑戦がデザイナーに課せられた。なお、クッション型ケースやワンアールのケースサイドなどのアウトラインは1969年発売の初代アストロンから踏襲されたものだ。「5Xシリーズを進めるうちに、かつてのアストロンらしさを改めて訴求していこうという流れになりました」。いよいよセイコー アストロンは、普遍的な腕時計のデザインで選ばれる“普通の腕時計”へと進化を遂げ、次なるステージへと飛躍しようとしているのだ。

(左)従来と同じポリカーボネイト製ながら、いっそう質感を高めた文字盤。省電力化の向上で、より反射率が高い高明度な色の文字盤を採用できるようになった。
(右)わずかに傾斜をつけて取り付けられた金属製のインデックスは質感が高い。なお、12時位置のこの真下にパッチアンテナが搭載される。川村公則氏曰く「12時位置のインデックスはアンテナに干渉しないように、全体のバランスを見ながらぎりぎりの長さで設定」。

(左)腕なじみを良くするワンアールのケースサイドとラグの構成は、1969年発売の初代アストロンのシルエットを踏襲する。
(右)リングアンテナを廃したことでベゼルの素材に制約がなくなり、チタン製ベゼルが採用された。外装は鏡面と筋目仕上げのコントラストが秀逸だ。

2019 <3Xシリーズ>

セイコー アストロン 3Xシリーズ レディスコレクション
STXD002

世界最小のGPSムーブメントを内蔵するセイコー アストロン初のレディスコレクション。2012年の7Xシリーズと比較すると、消費電力は約4分の1に抑えられ、受信性能は1.5倍に向上している。GPSソーラー(Cal.3X22)。セラミックベゼル×ステンレススティールケース(縦45.2×横39.8mm、厚さ12.9mm)。10気圧防水。クロコダイルストラップ。24万円(税別)。2019年11月発売。
郡山奏子

3Xシリーズのデザインを手掛けた郡山奏子氏。初代アストロンのデザインに女性らしさを融合させた。「タイムゾーン修正のために4時位置のボタンを押す以外、リュウズを触る必要が一切ありません。GPSウォッチを気軽に、より多くの人に使ってもらいたい」と語る。

 2012年から進化を遂げてきた新生アストロンの現時点での最新ムーブメントがキャリバー3X系である。とうとうケース外径は40mmを下回るに至った。ここまで小さくできた理由。それは受信アンテナがもはやアンテナの形ですらなくなったことにある。1枚の板に分散されたアンテナは、プレート状へと姿を変えたのだ。

郡山奏子氏による3Xシリーズのデザイン画。日付表示のフレームや針先など、細部にまで柔らかい曲線の要素が盛り込まれている。

「初めてのレディスコレクションとして社会で活躍する女性が日常使いできるモデルをコンセプトにデザインしています。これまでのセイコー アストロンを男性用としていたわけではありません。ただ、機能が多く、デザインが男性的だったことから今回あえて女性用と銘打つことで、より変化と広がりを訴求できると考えました」と説明するのは3Xシリーズのデザインを担当した郡山奏子氏だ。搭載される機能は、3針カレンダーのみ。これまでの多機能ウォッチと比較すると、潔いほどのシンプルさだ。「多機能ウォッチは使い方が難しいという女性の声を反映しました」。機能をそぎ落とすことで、約6カ月間のパワーリザーブなど、従来と変わらぬパフォーマンスを維持しながらも小型化に成功している。

3Xシリーズ レディスコレクション

3Xシリーズ レディスコレクション
STXD009

2020年12月、セイコー アストロンのレディスコレクションに追加されたメタルブレスレットモデル。GPSソーラー(Cal.3X22)。セラミックベゼル×ステンレススティールケース(縦45.2mm×横39.8mm、厚さ12.9mm)。10気圧防水。ステンレススティールブレスレット。25万円(税別)。

 ボーイズサイズに相当する大きさではあるが、腕に載せるとそのコンパクトさが際立つ。「セラミックベゼルの形を横楕円にすることで、縦方向を絞り込むと同時にデザインに柔らかさを出しています。この曲線を強調し、モデルに柔らかさを出す手法は、よく化粧品や香水に採用される手法で、サイズ感とデザイン性を両立させるため、3Dプリンターで何度も試行錯誤を重ねました」。ケース形状は、5Xシリーズに引き続き1969年発売の初代アストロンのシルエットを踏襲した。なだらかな曲線により腕なじみが良い。

 注目すべきは白蝶貝ダイアルだ。ダイアル下のソーラーパネルに影響しないように加工された白蝶貝文字盤にニュアンスを与え、インデックスにあしらわれたダイヤモンドを引き立てる。そのエレガントな佇まいに、2012年から脈々と続く超高精度なGPS機能が宿っていることをいささか忘れそうになるほどだ。

(左)ひとつとして同じ模様がない白蝶貝ダイアル。横楕円のベゼルとバランスの良い丸みを帯びた時分針を採用。
(右)インデックスには14個のダイヤモンドが採用される。

 初代アストロン誕生からちょうど50年の節目に発表された3Xシリーズ。半世紀の時を経て、高精度を超えた超高精度の腕時計は、誰もが当たり前に使える“普通の腕時計”の新たな選択肢として、大きな可能性を秘めている。

(左)初代アストロンを継承したケースサイドとラグ。2時位置は強制時刻修正ボタン、4時位置はタイムゾーン修正ボタン。
(右)7列のステンレススティールブレスレットは簡易着脱レバー式のため、工具を用いずに別売りのレザーストラップに交換できる。ブレスレットの表面にはプラチナダイヤシールド加工が施される。

2020 <5X/3Xシリーズ>

スタイリッシュなファッションやアクティブなシーンにも映える5XシリーズのシルバーダイアルモデルSBXC047(左)と、3Xシリーズの白蝶貝ダイアルモデルSTXD002(右)。高明度な文字盤は、アストロンの進化の証しである。

セイコー アストロン最新モデルカタログ

 2021年に創業140周年を迎えたセイコー。確かに最新技術で世界を驚かし続けた進取の気象は特筆すべきだが、それだけでは長い歴史は築けない。創業者が「精巧な時計を作る」ことを決意し、会社を興した時の想いがその礎となり、今なお息づいているからだ。

落ち着いたダイアルカラーのシックな2本。文字盤の装飾性の高さを見比べて堪能したい。3XシリーズSTXD007(上)のダイアルには放射状のヘリンボーンストライプパターンが、5XシリーズSBXC069(下)のダイアルにはアスファルトパターンが施されている。

 例えば、ここで紹介するアストロンの現行モデルにはすべてセイコー独自の表面硬化処理「ダイヤシールド」が施されている。こうした目に見えぬ部分は短期間での評価にはつながりにくいが、彼らはこの技術を追求し続けており、近年もまた一段と硬度を高めてきた。精良な商品の真価は、長く使ってこそ分かるものだ。高品質を日常において当たり前に享受できる喜びをぜひ味わっていただきたい。

 今や“究極の普通の腕時計”へと進化を遂げた新生アストロン。カラーバリエーションや装飾性もいっそう豊かになった点にも要注目だ。

クオーツ アストロン グローバルライン スポーツ レギュラーモデル
SBXC065

20気圧の防水性能を確保し、安心して日常使いができるスポーティーで清爽な印象のオールチタンモデル。103gと軽量で、使いやすさは抜群。GPSソーラー(Cal.5X53)。チタンケース(縦50.3×横42.8mm、厚さ14.7mm)。20気圧防水。チタンブレスレット。26万円(税別)。
セイコーアストロン グローバルライン ダークグリーンダイヤル

コアショップ専用モデル セイコーアストロン グローバルライン ダークグリーンダイヤル
SBXC079

人気上昇中のグリーンカラーとブラックの組み合わせ。星雲をモチーフとし、文字盤にはラメを塗布。ベゼルとインダイアルフレームにもグリーンを採用。GPSソーラー(Cal.5X53)。セラミックベゼル×ステンレススティールケース(縦49.9×横42.7mm、厚さ13.5mm)。10気圧防水。ステンレススティールブレスレット。25万円(税別)。
セイコーウオッチサロン専用モデル セイコーアストロン レボリューションライン

セイコーウオッチサロン専用モデル セイコーアストロン レボリューションライン
SBXC088

ストライプ模様のエンボス加工を施したブルーダイアルと、ダイヤシールド加工のローズゴールドカラーが華やかで人目を引く組み合わせ。GPSソーラー(Cal.5X53)。セラミックベゼル×チタンケース(縦51.9×横45.3mm、厚さ13.1mm)。10気圧防水。チタンブレスレット。37万円(税別)。
セイコーアストロン レディスコレクション

コアショップ専用モデル セイコーアストロン レディスコレクション
STXD011

白蝶貝ダイアルとホワイトセラミックベゼルに、シルバー&ローズゴールドカラーのブレスレットを合わせたレディスコレクションの新作。GPSソーラー(Cal.3X22)。セラミックベゼル×ステンレススティールケース(縦45.2×横39.8mm、厚さ12.9mm)。10気圧防水。ステンレススティールブレスレット。25万円(税別)。


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