セイコーウオッチ株式会社は、「セイコー プロスペックス」の新作として、セイコーダイバーズの誕生60周年を記念した数量限定モデルを発売する。「マリンマスター プロフェッショナル」1種と「ダイバースキューバ」2種の計3モデルが発売予定であり、中でもマリンマスター プロフェッショナルは、600m防水を備える新設計のチタン製ワンピースケースに、新ムーブメントのCal.8L45を搭載した意欲作に仕上がっている。
セイコーダイバーズの60周年を祝う3本の限定モデル
1965年、国産初のダイバーズウォッチを打ち出したセイコーは、同分野において革新と進化を重ねてきたパイオニアとして知られている。今回発表された、マリンマスター プロフェッショナルおよびダイバースキューバは、その歴史の60周年を祝うモデルである。それぞれが、同社のダイバーズウォッチにおけるマイルストーンを機能やデザインの着想源としており、積み重ねられてきた60年の進化を体現するに至っている。
セイコー最高峰のムーブメントを搭載した「マリンマスター」のフラッグシップモデル
セイコー プロスペックスにおけるハイエンドライン、「マリンマスター」からは、600m防水を誇る新構造のケースに、新開発のムーブメントを搭載した、Ref. SBDX067が登場した。2025年7月11日(金)に発売が予定されており、世界限定で600本のみ(うち国内200本)が販売される。

自動巻き(Cal.8L45)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径45.4mm、厚さ16.0mm)。600m防水。世界限定600本(うち国内200本)。71万5000円(税込み)。2025年7月11日(金)発売予定。
本作は、セイコーが1975年に発表した「600m飽和潜水用防水ダイバーズウオッチ」の堅牢性を引き継ぎつつ、洗練された外観を備えたダイバーズウォッチである。
精緻な波模様を持つダイアルは、深海の神秘的な世界をイメージしたものだ。その表面を厚いクリア塗料で覆い、丁寧に磨き上げるという新たな試みが行われており、かつてないほどの奥行き感と艶やかな質感が実現されている。また、その上に配置されたインデックスは、ダイアルと一体化したものであり、万が一強い衝撃を受けても外れることがない。過酷な環境に挑む、ダイバーズウォッチに向いた仕様となっている。

ケースは純チタン製。セイコーがかつて発表した世界初のチタン製600m飽和潜水モデルと同様に、ワンピース構造を採ることで、ヘリウムガスが侵入しない設計となっている。またその表面に、硬質コーティングを施すことで、優れた耐傷性も実現。さらに、逆回転防止ベゼルのインサートにも、DLCコーティングを施したステンレススティールが採用されており、美しい外観が長年にわたって維持される。
心臓部には、新開発の「Cal.8L45」を搭載する。従来のものから、ヒゲゼンマイの形状や設計に改良が加えられたほか、厳密な精度調整が行われたことで、セイコーの現行キャリバーの中で最も安定した精度(日差+10秒~-5秒)と、約72時間のパワーリザーブを両立したムーブメントである。さらに本作では、より強固な方法でケース内に固定されたことで、堅牢性も強化されている。

荒々しい海の情景を表現した2種のダイバースキューバ
ダイバースキューバからは、セイコーダイバーズ60周年記念モデルとして、シルバーダイアルモデルとブルーダイアルモデルの2種が新たに登場した。前者のRef. SBDC213は2025年5月10日(土)、後者のRef.SBEJ027は2025年6月6日(金)発売予定だ。いずれも全世界6000本限定(うち国内2000本)で販売される。

自動巻き(Cal.6R55)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径40mm、厚さ13mm)。300m防水。世界限定6000本(うち国内2000本)。19万2500円(税込み)。2025年5月10日(土)発売予定。
Ref.SBDC213は、1965年に発表されたセイコー初のダイバーズウオッチを基にリビルドされたデザインが特徴だ。ダイアルカラーにシルバーを、ベゼルインサートには洗練されたグレーカラーを採用し、ケースとの調和がとれた一体感のあるデザインが高級感を引きたてている。

自動巻き(Cal.6R54)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.3mm)。300m防水。世界限定6000本(うち国内2000本)。24万7500円(税込み)。2025年6月6日(金)発売予定。
一方、Ref.SBEJ027は、1968年に発売されたダイバーズウォッチのデザインを基に、GMTダイバーズウォッチとして再構築されたモデルである。ダイヤルカラーとベゼルの表示板には鮮やかなブルーが採用されており、荒々しい海の波のように、力強く洗練されたデザインを実現している。なお、オリジナルモデルは、世界最高水準の10振動のムーブメントを備えつつ、300m空気潜水を実現した、当時としては非常に画期的なダイバーズウォッチであった。
これら2モデルで特筆すべきは、荒々しい海の情景を表現したダイアルだろう。1975年にセイコーが発売した世界初のチタン製600m飽和潜水モデルの裏ぶたには、荒々しい海の情景を表現した、「ウェーブマーク」が刻印されていた。以来、セイコーダイバーズには、共通してこの意匠が刻まれてきたが、新作2種では、ダイナミックな型打ちパターンによってそれが表現されているのである。

ブレスレットも新開発のものが採用された。コマのひとつひとつに丸みが与えられており、それらが短いピッチでしなやかに動くことで、良好なフィット感と快適な装着感を実現している。さらに、新たなバックルの採用によって、着用した状態のまま、簡単に長さの調整が可能だ。