オリスが10年間で送り出した環境保護活動支援モデルを一挙紹介

2019年：再生PET製のボックスに入れられた特別な3本

　2019年には、新たな環境保護支援モデルが3本セットになった「オリス オーシャントリロジー」を発表した。これらは「クリーンオーシャン リミテッドエディション」「グレートバリアリーフ リミテッドエディションⅢ」「ブルーホエール リミテッドエディション」の3種類が再生PET製のボックスに入れられており、200個限定で販売された。

　それぞれのモデルは支援するプロジェクトが異なっており、「クリーンオーシャン リミテッドエディション」は、特殊な海上浮遊装置で、河川から海に流れ込んでしまうプラスティックゴミを回収する活動を行う慈善団体「パシフィック・ガベージ・クリーニングス」を支援するモデルだ。

　続く「グレートバリアリーフ リミテッドエディションⅢ」は、10年、16年に次いで3回目となるグレートバリアリーフのサンゴ礁を再生するための支援モデルで、現地のNPO法人「サンゴ礁保護基金」の活動を後押しする。

　そして3本目は「ブルーホエール リミテッドエディション」だ。前述した2本は個別でも販売されたが、アクイスにクロノグラフ機能を備えたブルーホエールは、この限定ボックスでしか手に入れることのできない希少な1本である。クジラやイルカの保護を専門とする慈善団体「ホエール＆ドルフィン コンサベーション」を支援するモデルで、限定ボックスの購入が絶滅の危機に瀕する世界最大の哺乳類、シロナガスクジラを救う鍵となるかもしれない。

　南国の美しい海を思わせるアクアブルーのダイアルカラーは3本とも同じで、限定モデルのアイコンとなっている。また限定ボックス同様、再生PET製のカラフルなメダルがケースバックに埋め込まれている点も共通だ。

　さらに同年には、探検スイマーでありオリスのウォーターアンバサダーであるアーネスト・ブロメイス氏とのパートナーシップモデル「アクイスデイト レリーフ」を発表した。同氏は世界の水に対する意識を高めるため、世界最大の淡水湖であるバイカル湖を泳いで渡るという前代未聞のチャレンジ「ザ・ブルーミラクル」を行った。その際に同氏が着用したのが同モデルである。

　控えめなグレーのダイアルにレッドカラーの秒針とラバーストラップが映える、スポーティーな雰囲気の1本。プロのアスリートから信頼されるアクイスの性能は確かなものだと言える。

2020年：バイカル湖の保全活動に貢献する「レイクバイカル リミテッドエディション」

　2020年には2本の環境活動支援モデルが発表された。19年の「レリーフ」同様、ひとつ目のフィールドはバイカル湖だ。

　中央シベリアの南西部に位置するバイカル湖は、世界の淡水湖水量の約20%を占め、最も深い場所は水深1642mにも及ぶ世界最大の淡水湖である。しかし人為的な産業活動による汚染が進んでおり、周辺に生息する数千種もの動植物が危険にさらされているという。

　このようなバイカル湖の環境を守るためにオリスが発表した「レイクバイカル リミテッドエディション」は、湖上の氷を彷彿とさせる、引き締まったブルーのグラデーションダイアルが特徴的。同モデルの売上金の一部は、イルクーツク州立大学の科学研究所が運営するバイカル湖保全プロジェクト「ポイントNo.1」の支援金として寄付される。

　ロシアがこの湖を保護するためのバイカル法を制定した年にちなんで1999本が限定で販売された。

　続いて2本目に発表されたのが、19年の「グレートバリアリーフ」に続いてNPO法人「サンゴ礁保護基金」を支援するモデルだ。

　鮮やかなラバーストラップがアクセントになっている「カリスフォート リーフ リミテッドエディション」。カリスフォートとは、フロリダキーズ海洋保護区域に生息するサンゴ礁の名称から取ったものだ。世界で3番目に大きなサンゴ群だと言われているが、他の海域同様、地球温暖化による白化が進んでいる。

　死滅したサンゴ礁を再生するための活動のひとつとして、サンゴの養殖が挙げられる。小さな苗を枝状の「ツリー」に吊るしてサンゴ礁と呼べる大きさまで育てるのだ。サンゴ礁は地球表面積の1%ほどしか覆っていないが、地球上の酸素の約70%を生み出していると聞けば、この活動の重要性が理解できるだろう。

2021年：ジンベイザメの皮膚を模したダイアルに注目「ホエール シャーク リミテッドエディション」

　現時点で最も新しいオリスのプロジェクトが、21年2月に発表された「ホエールシャーク リミテッドエディション」だ。モデル名となっているホエール（クジラ）シャーク（サメ）とはジンベイザメの英名で、種別が分かりづらいが実際は魚類に分類され、世界最大の魚類として知られている。

　またジンベイザメは海中の食物連鎖の頂点にあり、他の生物が増えすぎないようにコントロールしている「エコシステム」にとっても重要な存在なのだ。しかし、船との衝突や高級食材としての捕獲などによって絶滅の危機にある。

　本作は、国際自然保護連合がジンベイザメを絶滅危惧種に指定した年にちなんで2016本限定で製作された。海中写真家でありオリスのアンバサダーでもあるヘラルド・デルビラール氏の水資源の保全活動を支援するするための1本だ。

　最も目を引くのはダイアルで、ジンベイザメの皮膚の表面を模した無数の凹凸が施されている。遠目には目立たないが、目を凝らして見るとそのリアルな質感に驚く。ケースバックにはジンベイザメを描いた特別な刻印が施されている。

オリスと共に、地球環境に目を向ける

　私たちが何気なく過ごしている地球は今、危機的な状況にあると言っても過言ではない。オリスは単に時計ブランドとして時計をつくるだけでなく、地球上の一員として、人類が破壊し続けてきた自然環境の保護や再生に努めている。

　銀座にある国内初のブティックでも2年ほど前から「オリス クリーンプロジェクト」を開始し、ブティック周辺のゴミ拾いを積極的に行っている。地球環境を守ることは、身近な場所での些細な行動から始められるのだ。

　オリスが行っているように、地球環境の現状とそのための支援活動を知ることで、私たちは少しでも意識を変え、地球の未来のために何ができるのかを考えることが大切である。