微妙なリファインに進化を感じる
広田「あと、A.ランゲ&ゾーネにしては、ラグの処理がぱっつん(垂直)じゃなくお洒落になってる」
鈴木「あっ、ホントだ!」
広田「ラグの先端をドレスウォッチ寄りにしていて、ストラップの取り付け位置も下げているから、腕なじみもいい」
鈴木「10mm切ったケース厚にこのラグなら、装着感が悪いわけないですよね」
広田「微妙にA.ランゲ&ゾーネの進化を感じさせる!! 昔はこんなことしなかったからね。ケースもズドーンで(笑)」
鈴木「うんうん。A.ランゲ&ゾーネには少ない10mm切るケース厚だし」
広田「ちょうど良いですよね。ケース厚7mm台は薄くて日常生活で気を遣うから、9〜10mm台だと安心。デスクワークに向いた時計。薄型手巻きのサクソニア・フラッハに対して、自動巻きの存在がある」
鈴木「そうか、サクソニア・フラッハは6.2mmか、薄いな〜。デザインも超ドレスだし」
広田「フラッハはまさにお洒落時計だけど、普通の人が買ったら壊すよ(笑)。パーティーとかに着けるなら良いけど」
鈴木「ランゲの戦略的なキャラ分けを感じますよね」
広田「1815はいいけど、手巻きだから一般向けとは言い難い。手巻きを買ってる人なんて機械式時計ユーザーの約5%だし。しかも、恐らく大半がスピードマスターでしょ。僕らはクロノスで手巻きバンザイって言ってるけど、嗜好性を除いたらメリット少なすぎるからね」
鈴木「主ゼンマイを巻くのが好きならいいけどね」
広田「そうそう、昔は手巻きに日付を付けちゃイカンというのが、暗黙のルールとしてあった。今は72時間パワーリザーブが標準になったから日付が付いてるものもあるけど。そういう意味では、第3世代までのダトグラフのパワーリザーブ約36時間はトチ狂ってる(笑)」
一同「(笑)」
鈴木「日常性はないけど、でもそういうのを愛好家や好事家は喜ぶんだよね〜」
細田「でも、どっちも作れるのが、A.ランゲ&ゾーネの技術力というか、懐の深さを感じますよね」
鈴木「確かに。もともと時計好きに評価されて始まったブランドだけど、近頃より一般的になったのを感じる。少数ではあるけれど、リトル・ランゲ1やランゲ1・ムーンフェイズを女性が着けるようになってきたし」
広田「とにかくこれは、A.ランゲ&ゾーネの中では相当変わったことをしてるお洒落時計ですよね。ブランドの一般化を象徴する時計。おいくらなんでしたっけ?」
鈴木「ムーンフェイズが付いていて、ケースがホワイトゴールドで、税込み400万円未満っていう価格設定なら……アリだよね。高級時計だけど普通に使えるところに、ポピュリズムではなく、良い意味での一般化を感じさせてくれる。A.ランゲ&ゾーネの入門モデルって言うにはちょっと高級だけど、普段使いして欲しい時計ですね」
Contact info: A.ランゲ&ゾーネ Tel.0120-23-1845
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