ノーチラス・トラベルタイム・クロノグラフ5990/1R
片方向巻き上げ自動巻き(Cal.CH 28-520 C FUS)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。18KRG(10~4時位置の直径40.5mm、厚さ12.53mm)。12気圧防水。1223万2000円(税込み)。
2014年に発表された、実用的なコンプリケーションがノーチラス5990/1である。ステンレスのケースに、ブラック・グラデーションのブルー文字盤を備えたこのモデルは、フライバック・クロノグラフ、トラベルタイム(デュアル・タイムゾーン)と現地の日付指針表示という、かなり使いやすい機能を搭載していた。
2021年に発表されたのは、その18KRGバージョン。水平エンボス模様の文字盤には、ブルー・ソレイユカラーが与えられた。搭載するCH 28-520 C FUSと、その機能は従来に同じである。現地時間とホームタイムを任意に変更できるトラベルタイム機構は、操作性だけでなく、視認性も優秀だ。しかも、発表から時間が経っているので信頼性もある。
素材以外の明らかな変更点が、パテック フィリップのいう「独立した4つの止め金を備え、安全性を高めた特許取得のパテック フィリップ折り畳み式バックル」である。写真が示すとおり、ブレスレットは4本の爪で強固に保持される。あえてバックルを替えたのは、おそらく、18K金ケースの採用に伴う重量増加を考慮したためだろう。
ノーチラス・ハイジュエリー7118/1450R
片方向巻き上げ自動巻き(Cal.324 S)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。18KRG+約12.69ctのダイヤモンド(10~4時位置の直径35.2mm、厚さ8.65mm)。3気圧防水。4211万9000円(税込み)。
ノーチラスのハイジュエリーコレクションとしてリリースされたのが、7021/1Gと、7021/1Rである。この2モデルは、2019年に製造中止。後継機としてリリースされたのが、7118/1450Rとなる。全体にスノーセッティングを施したのは従来に同じ。しかし、ケースサイズは従来の33.6mmから、35.2mmに拡大された(いずれも10~4時位置の直径)。
ケースサイズの拡大に伴い、ランダムセットされるダイヤモンド数は2328個から2553個に増加、カラット数も、約9.05から約12.69に増えた。またバックルも、5990/1R-001に同じく、4つ爪の折りたたみ式に変更されている。採用の理由はやはり重量対策だろう。
搭載するムーブメントは、Cal.26-330ではなく、前作同様のCal.324。しかし日付表示の省かれた324 Sになった点が異なる。「ハイジュエリー」という名前が示すとおり、パテック フィリップは、ジュエリーウォッチに日付表示は不要と判断したのだろう。なお、私見を言うと、片方向巻き上げを持つ324と後継機の26-330はかなり巻き上げがよい。女性用のモデルに採用しても、十分巻き上がるだろう。ジュエリーウォッチとしては極めつけに高価だが、きちんと使える時計にしたのはパテック フィリップらしい。
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