チューダー「ブラックベイ」の歴史と系譜。愛好家に支持される理由とは？

チューダー「ブラックベイ」の系譜

チューダーのブラックベイは、2012年の登場以来、2度の大きなモデルチェンジが行われている。モデルごとに特徴が異なる点をチェックしておこう。

2012年／バラのロゴを持つRef.79220

2012年に初登場したブラックベイRef.79220は、往年の名機を復刻したことで大きな話題を集めたモデルだ。ブランドを象徴するスノーフレーク針を採用している。

Ref.79220における最大の特徴は、チューダーが創業当初使っていたバラのロゴを復活させたことである。2016年のモデルチェンジ以降は盾のロゴに変更されており、バラのロゴはRef.79220の稀少性を高めている要素のひとつと言えよう。

独特なカラーを持つベゼルや、ベゼルに配された赤色の逆三角形「レッドトップ」は、ロレックスのサブマリーナーには見られない特徴だ。

2016年／MT5602搭載モデルRef.79230

ブラックベイのセカンドモデルRef.79230では、ブランド初の自社製ムーブメントCal.MT5602が搭載された。スイス公式クロノメーター検定機関C.O.S.C.の認定を取得した高性能ムーブメントを備えたことで、ブラックベイは機能面において大幅な進化を遂げている。

スノーフレーク針は前作に引き続き、ブランドのアイコンとして残された。文字盤上のバラのロゴは盾のロゴに変更されたが、リュウズには引き続きバラが刻印されている。

Ref.79220では6時位置の文字が弧を描いているのに対し、Ref.79230では横に真っすぐ並べたデザインとなった。Ref.79220に比して、やや硬い表情になった印象がある。

2021年／生まれ変わったクロノグラフRef.79360

2021年はチューダーの初代クロノグラフから50周年を迎えた年である。半世紀の歩みに敬意を表し、生まれ変わったクロノグラフとしてRef.79360が発表された。

チューダーのクロノグラフの歴史は、1976年誕生の「クロノタイム」から始まっている。

Ref.79360では、文字盤とサブダイアルに美しいコントラストが与えられている。風防の形状や素材、大型のリュウズは、チューダーのクロノグラフの歴史を感じさせるディテールとして受け継がれた。

チューダー「ブラックベイ」の人気2モデル

ブラックベイの選択に迷ったら、以下に挙げる2モデルをチェックしてみよう。話題の最新作と人気の定番モデルを紹介する。

黒が生み出すコントラスト「ブラックベイ セラミック」41mm M79210CNU-0001

2021年新作の「M79210CNU-0001」は、黒1色ながらも文字盤とインデックスのコントラストが特徴的なモデルである。マットな質感のブラックセラミックスがケース素材に採用されている。

特筆すべき点は、自社製ムーブメントCal.MT5602-1UがMETASによるマスター クロノメーター認定を受けていることだ。1万5000ガウスの耐磁性能を備えたことで、オメガに並ぶマスター クロノメーターモデルとなった。

ケースだけでなくベゼルにも艶を抑えた加工が施されており、シックな雰囲気が力強さと高級感を醸し出している。

「ブラックベイ」の定番 41mm M79230N-0009

ブラックベイの特徴を凝縮したモデルが、2016年発表の「M79230N-0009」だ。スノーフレーク針やRef.7924にも採用されていたリュウズは、往年の名機が持つ魅力を詰め込んだディテールである。

マニュファクチュールムーブメントCal.MT5602も、M79230N-0009の特徴だ。約70時間のパワーリザーブを誇り、C.O.S.C.を取得した高性能ムーブメントである。

独自の段差構造が採用されたブレスレットは、ブランドのヴィンテージモデルでも使われていたリベットブレスレットから着想を得ている。

ブラックベイはただの復刻にとどまらない

チューダーのブラックベイは、歴史的ダイバーズウォッチを現代的に再解釈して作られた復刻モデルだ。スポーティーかつレトロな意匠を魅力としている。

デザインや機能のバリエーションが多彩である上、モデルチェンジのたびに大きな変化が加えられている点も特徴だ。チューダーの魅力を凝集したモデルを、ブラックベイで味わってみよう。