TOURBILLON SOUVERAIN
2nd Generation Model
デッドビートセコンド表示を備えた第2世代トゥールビヨン
2004年にリリースされた第2世代。バリエーション違いはあるが、基本的には2018年版も同じスペックだ。時計愛好家にとっての“聖杯”である。Ref.TN。手巻き(Cal.1403)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。Pt(直径40mm)。3気圧防水。1862万4000円。
1999年に発表されたトゥールビヨン・スヴランは、一躍時計愛好家にとっての〝聖杯〟となった。しかし、ジュルヌ自身は、このモデルに満足していなかったようだ。発表のわずか5年後に、F.P.ジュルヌは早くもトゥールビヨン・スヴランの第2世代をリリースした。見た目の違いは、6時位置のスモールセコンド。ルモントワール車に針を付けることで、ステップ運針をするデッドビートセコンドになった。また、ムーブメントの素材も、真鍮から18KRGに変更され、地板からは、ルモントワールの部分が大きくくりぬかれた。独創的なルモントワールを強調するためだろう。
しかし、第2世代で見るべきは、内外装の質感の向上だろう。かつてジュルヌは、フィリップ・デュフォーからこう言われた。「メカニズムは素晴らしいが、仕上げはもう少し良くしてもいいだろう」。ジュルヌはコストが増えると難色を示したが、年々ムーブメントの仕上げを改善していった。彼がそれ以上に注力したのが外装である。ジュルヌはセドリック・ジョナーとともに文字盤工場のカドラニエ・ジュネーブを設立し、ケースメーカーのエリノーをパリからジュネーブに移転させた。その結果、F.P.ジュルヌの文字盤とケースは毎年のように質を高めた。とりわけ、浅いブラスト処理を施した文字盤は、保護用の薄いクリア仕上げと相まって、スイス製の高級時計の中でも、白眉の仕上げを誇る。
トゥールビヨン・スヴランの完成形とも言える第2世代。しかし、ジュルヌはこのモデルのモデルチェンジを検討中とのこと。第2世代を探している方は急いだ方が良い。続く第3世代も素晴らしいに違いないが、何しろ第2世代のトゥールビヨン・スヴランは、時計業界におけるひとつの金字塔なのだ。もし手元に余裕があるならば、一度は間違いなく、手にすべき傑作だろう。
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