グランドセイコーより、2種のGMTウォッチが発表された。Cal9S誕生25周年を記念した数量限定モデルであり、岩手山の空に着想を得たダイアルを特徴としている。いずれも陽極酸化処理によって鮮やかなブルーに彩られた、円形の自動巻きローターを採用する。
岩手山の空に着想を得た、節目を記念するに相応しい限定モデル
グランドセイコーより、機械式ムーブメントCal.9S系の誕生25周年を記念した2つのGMTウォッチが発表された。いずれのモデルも、機械式グランドセイコーに縁のある岩手山の空から着想を得たダイアルを与えられている。
98年に誕生したCal.9S55は、グランドセイコー専用に開発された、新設計の機械式自動巻きムーブメントであった。その背景には、機械式時計復権の流れを受け、92年より再び、セイコーが機械式時計へ注力するようになったことがある。まずは、かつて「キングセイコー スペシャル」などに搭載されていたCal.52系をリファインしたCal.4S系から生産を開始した。やがてクロノグラフの開発や、クロノメーター検定の基準を満たす高精度機の生産を経て、同社は徐々に技術を蓄積させていった。Cal.9S55は、それらを基に満を持して発表されたムーブメントなのだ。巻き上げ機構の変更やハイビート化などの改良を受けつつも、基本設計が今日まで受け継がれていることから、その完成度の高さが窺える。
今回発表されたモデルは、スポーツコレクションに属し、毎秒10振動のハイビートムーブメントを搭載する「SBGJ275」と、エレガンスコレクションに属し、約72時間のロングパワーリザーブを備える「SBGM253」の2種だ。
スポーツコレクション「SBGJ275」
「SBGJ275」は、24時間表示の回転ベゼルを備えた、最大3箇所のタイムゾーンの時刻を同時に表示できるモデルだ。ダイアルには岩手山に広がる雲海と空をモチーフとした、有機的な模様があしらわれている。
素早いタイムゾーン設定が可能なベゼルは、サファイアクリスタルで覆うことによって、スポーティなデザインにエレガントさをもたらしている。昼間をホワイト、夜間をブルーとすることで、ダイアルの爽やかな印象を損ねることなく判読性を高めている点にも、実用時計を作り慣れたグランドセイコーらしさを感じる。
搭載するCal.9S86は、毎秒10振動による滑らかな運針と高精度が特徴のムーブメントだ。ケースバックから鑑賞可能なローターは、陽極酸化処理による爽やかなスカイブルーに彩られている。
エレガンスコレクション「SBGM253」
「SBGM253」は、岩手山の山頂から見上げる中天の情景を表現したスカイブルーダイアルが特徴のモデルだ。丸みを帯びたクラシカルなデザインを特徴としており、ブルースティールのGMT針によって第2時間帯を表示することができる。
澄み切った空のようなダイアルに、地上から見上げたような解放感を与えているのが、ボックス型のサファイアクリスタルだ。これによって光が柔らかく歪み、クラシカルな温かみを添える。
ムーブメントは、Cal.9S66を搭載している。このムーブメントは、約72時間のパワーリザーブを備えており、例えば金曜日の夜に外しても、月曜日の朝を稼働した状態で迎えることが可能だ。ローターは、グランドセイコーブルーに陽極酸化処理されており、ケースバックからは、ダイアルと一味違ったブルーを見ることができる。
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