「アストロノミア」や「オペラ・ゴッドファーザー ミュージカルウォッチ」などといった、芸術的なハイコンプリケーションウォッチを手がけてきたジェイコブ&コーより、待望の新作モデルが登場した。「ザ ワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン」だ。本作は、ジェイコブ&コーの創業者であるジェイコブ・アラボが13歳の誕生日、父親から贈られた時計をモチーフにしている。
ジェイコブ&コーから新作「ザ ワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン」が登場
1986年、ジェイコブ・アラボによって設立されたジェイコブ&コー。ハイジュエラーとしてセレブリティを中心に名を馳せてきたブランドだが、2002年からは時計事業にも着手し、「アストロノミア」や「オペラ・ゴッドファーザー ミュージカルウォッチ」などといった芸術的で革新的なスーパーコンプリケーションウォッチを世に送り出してきた。
そんなジェイコブ&コーから、新しいコレクション「ザ ワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン」が登場した。世界限定999本生産となる。
自動巻き(Cal.JCAA11)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KRGケース(直径43mm、厚さ14mm)。30m防水。877万8000円(税込み)。世界限定999本。
本作は、創業者ジェイコブ・アラボが13歳の頃、初めて父親のニソン・アラボから贈られたワックマンの時計がモチーフになっている。この特別な時計は、彼の時計製作の大きな原動力となった。また、二つの時刻表示を搭載しており、さらに文字盤にはヨーロッパとアメリカ大陸の地図が刻まれていたことが特徴だ。新作モデルでは、この2つのアイコンを取り入れた、芸術的なタイムピースに仕上がった。
ザ ワールド イズ ユアーズの名にふさわしい、贅沢なタイムピース
新作モデルで、まず目に飛び込んでくるのは文字盤ではないだろうか。
海を表したブルーラッカー塗装の文字盤上には、二つの時刻表示とスモールセコンドを担う羅針図、そして空から見た西半球の景色が浮かんでいる。この大陸の輪郭は高精度レーザーで掘り込まれており、さらに表面は専用の高精度モールドを用いてスタンプされ、精密に仕上がった。さらに、羅針盤と時刻表示があしらわれた3つのサブダイアルは、文字盤に掘り込まれている。羅針図の北方表示は、マーキングのために赤く彩られた。
こうして製造された文字盤上の西半球は、最後に全体をローズゴールドで覆う、ガルバニック処理が施されている。
文字盤表面が、大きな曲線を描いていることにも注目したい。文字盤は最も高い部分から最も低い部分までの高低差が約3.7mmとなっており、文字盤上の全ての針が12度以上傾いて配置されているのだ。
非常に凝った工程を経て完成している文字盤だが、製作は手作業で行われるという点も特筆したい。
ケース直径43mm、厚さ14mmの18Kローズゴールドケースは新しい構成となっている。全てが曲線で作られており、幅広くカーブしたサファイアクリスタルと併せて、まるでケース自体が地球のようになっているのだ。まさにザ ワールド イズ ユアーズのモデル名に相応しいと言えるだろう。ケース全体がポリッシュに仕上げられていることや、引き絞られたベゼルによって、本作は華やかながらエレガントなスタイルを保っている。
裏蓋もジェイコブ&コーらしく、芸術的だ。緻密な世界地図が、レーザー彫刻されているのだ。さらにジェイコブ&コーのロゴが刻まれている場所は、アラボフ家のルーツとなったウズベキスタンの近く。こういったディテールに精神性を宿すのが、ジェイコブ&コーらしい。
新しい自動巻きキャリバーJCAA11
搭載されるムーブメントは、新しい自動巻きキャリバーJCAA11だ。
異なる2つの時間帯を表示できるデュアルタイムゾーンは、ひとつのリュウズでゼンマイ巻き上げはもちろん、どちらの文字盤の時刻操作もできるという利便性を備えている。パワーリザーブは約42時間だ。
販売価格は877万8000円(税込み)。世界限定999本と、なかなか気軽に購入できる新作ではない。しかしジェイコブ&コーらしく、時計愛好家の所有欲を刺激する一本となっている。
https://www.webchronos.net/news/86934/
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