コルムのアイコンのひとつであり、トノー型ケースに、バゲット型と呼ばれる輪列が縦一列に並んだムーブメントを搭載した「ゴールデンブリッジ」が2023年10月に再入荷を果たした。好事家からの再注目により人気が徐々に高まっていることに対し、特徴的なケースとムーブメントの構造に起因する組み立て難易度の高さからゴールデンブリッジは年産約150本程度に留まる。依然として入手は困難とは言え、今回の再入荷はファンにとては待望のニュースであろう。
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再入荷されたコルム「ゴールデンブリッジ」とは?
コルムの「ゴールデンブリッジ」は、独立時計師ヴィンセント・カラブレーゼが製造した、輪列が縦一列に並んだバゲット型ムーブメントのプロトタイプが元となっている。このプロトタイプは1977年にジュネーブの国際発明展で金賞を受賞しており、この製品化に向けてヴィンセント・カラブレーゼは複数の時計メゾンを訪問していた。その中で出会ったのがコルムおよびコルム創業者のルネ・ヴァンヴァルトである。
コルムの創業は1955年であり、ルネ・ヴァンヴァルトはコルム創業以前に多数のメゾンで多くの有名コレクションを生み出してきた経歴を持つ。その功績が認められてルイ・ヴァンヴァルトは、2000年に時計業界のノーベル賞とも呼ばれる「ガイア賞」を起業家として初めて受賞した経歴を持つ。
アヴァンギャルドでチャレンジングな時計を作り続けてきた二人は意気投合し、出会って僅か数時間で製品化の契約を結ぶことが決まったとされる。その後の妥協なきブラッシュアップの末、特徴的なムーブメントを時計表裏の両面だけでなく側面からも鑑賞可能なトノーケースが採用された現在の姿が生み出された。
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手巻き(Cal.CO 113)。19石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KRGケース(縦51.0×横34.0mm、厚さ11.35mm)。30m防水。770万円(税込み)。
そんなコルムのゴールデンブリッジの、独自性やアイコニックな存在感は、登場以来市場から評価されてきた。加えて、近年の世界的な高級腕時計への注目および購買熱の高まりにより、ゴールデンブリッジも再注目されている。その証拠に、日本においても23年上半期のゴールデンブリッジの売り上げは前年上半期比約2.5倍となっている。一方、その特徴的な構造に起因する組み立て難易度の高さから、ゴールデンブリッジは年産約150本程度に留まっており、日本での流通本数も限られていた。
この状況の中で、「ゴールデンブリッジ クラシック」が23年10月に日本再入荷を果たした。アイコンであるバゲット型の手巻きムーブメントCal.CO 113を搭載し、ケースは18Kローズゴールド製である。依然として入手しやすいとは言い難いが、今回の再入荷は、本作を高く評価する好事家にとって待望のニュースであると言えるだろう。
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