ティソより、新作「PR516 クロノグラフ」が発表された。本作は、1970年代のティソを象徴する同名モデルのデザインを、忠実に再現したものだ。機械式手巻きモデル1種と、クォーツモデル3種がラインナップされる。発売日は2024年2月22日(木)。
ティソのヒット作、「PR516 クロノグラフ」がついに復活!
ティソより、1970年代の同社を象徴する「PR516 クロノグラフ」を再現したモデルが発表された。よりオリジナルに忠実なデザインを持つ機械式手巻きモデルと、手軽に使えるクォーツ式モデル3種がラインナップされる。発売は、2024年2月22日(木)だ。
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オリジナルの意匠を色濃く受け継ぐ、機械式手巻きモデル。オレンジやブルーを取り入れたカラーリングが、スポーティーな印象を与えている。手巻き(Cal.A05.291)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.7mm)。10気圧防水。27万3900円(税込み)。
ティソ「PR516」は、1965年に誕生したエレガントな3針スポーツウォッチだ。モデル名の“PR”には、“Particularly Robust(特に頑丈)”や、“Precision and Resistance(精度と耐久性)”という意味が込められており、さまざまなシーンでの活躍を前提とした耐衝撃性と防水性を備えていた。
PR516を世に知らしめるきっかけとなったのが、66年から71年にかけて、150カ国以上で打ち出された広告キャンペーンだ。「他の時計が沈黙してしまうようなあらゆるストレスの環境下でも、正確に時を刻み続ける」というメッセージを伝えるために同社が発信したのは、ステアリングホイールを握った、革手袋を着用した男性の手の写真であった。そしてその手首には、強烈な振動の中でもものともしない、PR516が装着されていた。
プロモーションによってPR516の信頼性を周知させた同社は、次なる一手として70年にPR516 クロノグラフを発表する。今回発表された新作のデザイン源となるモデルだ。最大12時間まで計測可能なクロノグラフを搭載し、自動車やヨットなどのレースシーンのみならず、スピーチの場といった幅広いシーンで活躍する腕時計として、広く市場に受け入れられた。
最新技術を盛り込んだ機械式手巻きモデル
今回発表されたPR516 クロノグラフのうち、機械式手巻きモデルは、サンバースト仕上げのブラックダイアルを採用する。3つのインダイアルにはシルバーカラーの縁取りが与えられ、3時位置が30分積算計、6時位置が12時間積算計、9時位置がスモールセコンドとして機能する。30分積算計のうち、5分までが青く彩られているのは、自動車やヨットのレースにおいて、号砲が鳴るまでの5分間のラリー時間を計るためのものだ。
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時分針は、オリジナル同様のバトン型。スーパールミノバが充填され、暗所でもしっかりと視認できる仕様だ。クロノグラフ起動時に用いる3つの針は、いずれもオレンジカラーを採用。これによって、時刻表示用の針との混同を避けている。
ベゼルは、ブラックとルミノバによるホワイトのツートンカラー。タキメーターが配されており、速度を計測することが可能だ。直径41mmのケースは、PR516シリーズ特有のボリュームのあるクッション型。サテン仕上げを基調としつつ、面取りにポリッシュ仕上げを施すことで立体感を与えている。
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ステンレススティールブレスレットは、半円形のコマを3列組み合わせたヴィンテージテイスト漂うデザイン。インターチェンジャブルシステムを採用しており、レバーの操作によって、ブレスレットを簡単にケースから脱着することができる。
ケースバックからは、ETAの自動巻きクロノグラフムーブメント、Cal.7753をベースに手巻き仕様へと改めた、Cal.A05.291を鑑賞することが可能だ。このムーブメントは、単に自動巻き機構を省いただけではない。数々の改良点が盛り込まれているのだ。
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その改良のひとつが、主ゼンマイの巻き止まりの追加だ。現代の自動巻きムーブメントは基本的に、香箱にスリッピングアタッチメントという機構を設け、主ゼンマイが完全に巻かれた状態でさらに巻き上げられた場合、主ゼンマイの破断を防ぐために香箱内でスリップするようにしている。しかし、この機構が残ったまま手巻きムーブメントにした場合、主ゼンマイが最後まで巻き上げられたのかが分からなくなってしまい、使用中に主ゼンマイの巻き上げ不足で時計が止まってしまうという事態にもなりかねない。本作では、スリッピングアタッチメントを廃し、一般的な手巻きムーブメントと同様の巻き止まりを設けることで、この最悪の事態を防いでいる。
ふたつ目が、ニヴァクロン™製ヒゲゼンマイの採用だ。ニヴァクロン™は、スウォッチ グループ傘下のニヴァロックス・ファー社が開発した耐磁性、温度耐性、耐衝撃性に優れた素材であり、これによって実用性を飛躍的に向上させている。さらに、約68時間のパワーリザーブを備えており、例えば土日の間に手首から外していたとしても、腕時計が止まることなく次の週を迎えることができる。
長期間にわたって高い精度を保つため、レーザーを用いた精密調整も取り入れられている。この調整によって、等時性が失われるとされるパワーリザーブ終盤においても、安定した精度を保ち続けることが可能だ。
耐震装置には、効果的な衝撃吸収と天真の優れたセンタリングを維持するための「NIVACHOC A」システムを採用している。
クォーツモデルは3つのカラーバリエーションで展開
クォーツモデルは、ブルーダイアルモデル、ブラックダイアルモデル、ブラックダイアルにバイカラーのケースを組み合わせたモデルがラインナップされる。
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3種類のカラーリングがラインナップされるクォーツモデル。ケースの直径や厚さは、機械式手巻きモデルに比べて若干縮小されており、より取り回しやすくなっている。クォーツ。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。10気圧防水。ブルーおよびブラック:8万2500円(税込み)、ブラック・ゴールド:8万9100円(税込み)。
ダイアルのレイアウトは、2時位置に1/10秒計、6時位置にスモールセコンド、10時位置に30分積算計である。より細かい単位まで正確に計測できるのは、クォーツムーブメントのメリットだ。オレンジやブルーなど、複数色を採用していた機械式手巻きモデルに比べると色数が抑えられ、よりシックな印象を受ける。
ケースのデザインは機械式手巻きモデルと共通するが、サイズは直径と厚さともにわずかに縮小され、より取り回しやすくなっている。
ケースバックには、勝利の象徴である月桂冠とスポーツカーのステアリングホイール、そして“516”の文字が刻まれている。PR516に流れるレーシングスピリットを感じさせる意匠だ。
ステンレススティールブレスレットは、中央のコマをポリッシュ仕上げとしており、上品さを醸し出している。
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