スピークマリンは2024年3月より、ミニッツリピーターとフライングトゥールビヨンを兼ね備えたコンプリケーション「ミニッツリピーター・カリヨン」を発売する。本作は、3つの異なる音色で時間を知らせるミニッツリピーターと、その音色に合わせてローマ数字の「12」がアニメートするユニークな機構を備えている。4本のみが製作され、いずれもユニークピースとして販売される。
革新性と精密性のシンフォニー
スピークマリンは、3つのゴングとハンマーを備えるミニッツリピーターとフライングトゥールビヨンを兼ね備えるコンプリケーション、「ミニッツリピーター・カリヨン」を披露した。「12」のローマンインデックスがアニメートするユニークな機能も兼ね備える本作は、世界限定で4本のみが2024年3月より販売される。
販売される4本はいずれもユニークピースであり、ムーブメントの裏側には1/1のシリアルが刻まれる。自動巻き(Cal.SMA-HH02)。51石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ti×Ptケース(直径42mm、厚さ16mm)。30m防水。6336万円(税込み)。世界限定4本。2024年3月発売予定。
2002年にイギリスの独立時計師ピーター・スピーク・マリンによって創業され、12年の新体制への移行を経て、自社の生産体制を確立したスピークマリン。本作「ミニッツリピーター・カリヨン」は、そんなスピークマリンの技巧を象徴するスペシャルなタイムピースに仕上がっている。
特筆すべきは、ダイアルのアニメーションとミニッツリピーターだろう。ケース左サイドのスライダーを起動させると、チャイムが鳴り出すとともに、「12」の巨大なローマンインデックスが崩れるように動き出すユニークなギミックが仕込まれている。
またこのミニッツリピーターに関しても、3つのハンマーとゴングを備えた、いっそう複雑な機構を採用している。3つの音色にはそれぞれ、時、15分、15分に満たない分数を伝える役目が与えられた。さらに、このミニッツリピーターとアニメーション機構は計時と独立しているため、機能性には一切影響しないものとなっている。
ダイアルは、複雑機構を楽しめるオープンワーク仕様を採用。6時位置にフライングトゥールビヨンを配置することで、メカニカルなフェイスとの調和を演出している。また、その上部ブリッジにはアイコニックなトッピング・ツールがあしらわれた。
シンボリックなピカデリーケースは、真円で肉厚のシェイプと、存在感のあるラグを特徴とする。本作のケースは主に3つのパーツで構成されており、ベゼルはプラチナ、サイドケースはグレード5チタン、ケースバックには全面サファイアクリスタルまたはサファイアクリスタルをはめ込んだプラチナが使用された。
キャリバーSMA-HH02
ダイアルから覗くムーブメントには、ラ・ショー・ド・フォンに位置する工房「ル・セルクル・デ・オルロジェ」で組み立てられた自社製キャリバー「SMA-HH02」を搭載する。536個もの部品から成る本機の製造および装飾、ケーシングには、工房の熟練の時計師であっても約1ヶ月を要すると言う。
本機のミニッツリピーターは、最も長い12時59分の告知が18秒で終わるよう設定されており、極めて調和の取れたリズムを奏でる。これを可能としたのが、調速機能の要たるレギュレーター・アームだ。本機のミニッツリピーターでは、この部品を通して速いチャイムから低いチャイムまでの調整を行っており、その静音性の高さも相まって、調和の取れたリズムと澄んだ音色の両立を実現している。
また本機は、誤った操作による内部機構の破損を防ぐため、セーフティ・モジュールを搭載している。チャイムが鳴っている間リューズが固定されるなど、機能の保護には欠かせないものとなっており、繊細かつ複雑なコンプリケーションに得難い存在と言える。
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