2024年3月5日、オメガから新しい「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」が登場した。本作は“ムーンウォッチ”では珍しいホワイト文字盤を備えており、23年11月、まだカタログ未掲載だった当時に、ダニエル・クレイグが手首に装ったことで話題になったモデルである。
オメガの2024年新作「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」
2024年3月5日、オメガは新しい「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」を発表した。ブラック文字盤のイメージが強い“ムーンウォッチ”に、ホワイト文字盤を組み合わせたモデルである。
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。50m防水。125万4000円(税込み)。
「スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル」は、オメガで最も有名なモデルのうちのひとつだ。1957年に誕生したクロノグラフモデルで、その後65年にNASAの公式装備品に採用され、月面着陸や宇宙船内外での活動をサポートした歴史から、“ムーンウォッチ”の名を冠している。
スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナルは第4世代で現在の意匠を確立し、その後、大きくスタイルを変えていない。そのためスピードマスターというと、タキメータースケールをあしらったアルミ製のブラックベゼルやブラック文字盤がまず思い浮かぶだろう。しかし今回発表された新作モデルは、ラッカー仕上げによるホワイト文字盤を備えている。しかも、限定モデルではなく、レギュラーモデルで、である。なお、「007」でジェームズ・ボンドを長年演じてきたダニエル・クレイグが、2023年11月にニューヨークで開催された「プラネット オメガ」で、このモデルを着用した。当時まだカタログ未掲載だったこともあり、どのスピードマスターなのかと話題になった。
見慣れないとはいえ、このカラーのインスピレーションはスピードマスターコレクションの歴史から紐解くことができる。あざやかなホワイト文字盤は、宇宙飛行士が船外活動で着用する宇宙服、そして1969年に作成された「アラスカプロジェクト」のプロトタイプから着想を得ているのだ。アラスカプロジェクトとは急激な気温変化に耐えられる時計を開発するために立ち上げられたプロジェクトで、2008年には復刻モデルが1970本限定で販売された。さらに、宇宙服に1970年のアポロ13号以来、船長の階級を示す赤い線が描かれたことと、アラスカプロジェクトには赤い保護ケースが付属していたことから、Speedmasterのロゴとクロノグラフ秒針に赤が添えられていることも特徴である。
アプライドインデックスやインダイアル表示、そして針の縁はブラックがあしらわれており、ホワイトとコントラストをなす。このコントラストによって、既存の“ムーンウォッチ”同様に視認性や判読性の高い文字盤に仕上がっていることも特筆すべき点だ。
搭載するムーブメントはマスター クロノメーターに準拠した手巻きクロノグラフCal.3861。1万5000ガウスという高い耐磁性や高精度を備えた高性能ムーブメントであり、シースルーバックからその意匠を観賞することができる。
なお、ステンレススティール製ブレスレットを搭載した本作のほか、ふたつのバリエーションが用意された。ひとつはパンチングレザーストラップのモデル、もうひとつはラバーストラップのモデルだ。すべてサファイアクリスタル製風防を採用しており、ヘサライト風防のモデルは現在のところラインナップされていない。
定価はブレスレットモデルが125万4000円(税込み)で、2024年3月7日(木)から発売される。ストラップモデルはレザー、ラバーどちらも定価119万9000円(税込み)で、同年5月の発売が予定されている。従来のモデル同様に、スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル専用のボックスとともに販売される。
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