パネライは廃番にしていた10 日巻きパワーリザーブ GMT のムーブメントを復活させ、新しく「ルミノール ディエチ ジョルニ GMT(PAM01482)」を発表した。本作の復活で複雑機構で構成されたルミノールのコレクションは完璧さを増し、熱心なパネライファンが再び狂喜乱舞する可能性が感じられる。イタリアンデザインの印象的な美しさと実用的な耐久性を組み合わせたメゾンの DNA は再び強調されるだろう。
ルミノール ディエチ ジョルニ GMT
自動巻き(Cal.2003)。25石。2万8800振動/時。日付AM/PM表示。GMT。10日間の水平パワーリザーブ表示。SSケース(直径44mm)。100m防水。213万4000円(税込み)。
パネライのロングパワーリザーブの歴史は1960 年代にさかのぼる。8 日間のパワーリザーブと9 時位置のスモールセコンドを持つアンジェリュス社製の SF240 ムーブメントを使用したとき、この直径16 リーニュのキャリバーは、小型の卓上目覚まし時計の機構から派生したもので、15 石、毎時18,000 振動のテンプ、インカブロック® 耐震装置を備えていた。
パワーリザーブが非常に長かったため、巻き上げの必要性が大幅に減り、ガスケットの摩耗と水の浸入の可能性を軽減し、イタリア海軍特殊部隊の厳しい要件を満たしたのだ。新しい『ルミノール ディエチ ジョルニ GMT』は、ロングパワーリザーブを保証したアンジェリュス社製ムーブメントに敬意を表し、キャリバー P.2003 を搭載している。
キャリバー P.2003
特徴的な10 日間のロングパワーリザーブを文字盤上にリニアインジケーターで表示する P.2003 キャリバーは、296 個の部品と25 個のルビーで構成されており、径133⁄4リーニュ、厚さ8mm である。P.2000 シリーズのDNA である、テンプ停止装置、毎時28,800 振動のフリースプラングテンプ、3バレル、24 時間表示のGMT 機能、クイックアワーチェンジ、ゼロリセットという技術的特徴を全て備えている。P.2003 はさらに10 日間のパワーリザーブをもつ自動巻きであることが特徴で、動作は次のとおりだ。
ボールベアリングに取り付けられた両方向の回転錘がバレルのスプリングを巻き上げる。P.2003 キャリバーにはセコンドリセット装置も付いており、秒針をゼロにリセットし、時計を時報と同期できる。パネライが設計したシステムの動作は独特で、リュウズを2 段階引き出すと、薄いブレードが動き、リュウズに接触し、テンプを止める。同時に小さなハンマーレバーが下に動き、ハート型のカムに作用し、秒針が瞬時にゼロ位置に移動する。リュウズを通常の位置に戻すとすぐにテンプが解放され、ハンマーレバーが上がるとカムが解放され、秒針が動き、針が通常の動作に戻る。10 日間のパワーリザーブを補完するのがGMT だ。このGMT 針は使わない場合は時針の下に隠せるようにもなっている。
かつてのルミノール1950 10DAYS GMTと同じダイアルデザイン
「ルミノール ディエチ ジョルニ GMT(PAM01482)」は、サファイアクリスタルのケースバックと、ルミノールの特徴的なリュウズプロテクターを備えたポリッシュスティール製の44mm クッション型ケースで、1950 ケースの流れを汲むスタイルだ。ホワイトのスーパールミノバ®とサンブラッシュ仕上げのブルーのサンドイッチダイヤルには、スモールセコンドが9 時位置に配置されている。秒針には、ゼロリセット機能があり、リュウズを引くと秒針が自動的にゼロに戻り、正確な時刻設定が可能だ。文字盤には水平なパワーリザーブ表示とAM/PM 表示があり、オレンジ色のGMT 針が時計にモダンでありながらもクラシックな雰囲気を与えている。
ケースバックからは、複雑なムーブメントをはっきりと見ることができ、時計の技術的熟練度と頑強さが確認できる。防水機能は最大 10 気圧(水深約100メートル) で、厳密にテストされている。パネライでは明記された防水機能の値より最大25% 高い圧力をかけてテストしており、その厳しい基準を満たしている。
https://www.webchronos.net/features/112937/
https://www.webchronos.net/features/52700/