2024年のパリ2024 オリンピック・パラリンピックでもオフィシャルタイムキーパーを務めるオメガ。1932年に初めてその座に就いて以来、公式時計や計時装置を提供してきた。そのオメガが発表した「パリ 2024 スペシャルエディション」を再びチェックしよう! スペシャルモデルゆえのディテールの違いに注目したい。
スペシャルエディション①「スピードマスター クロノスコープ パリ2024」
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コーアクシャル脱進機を備えたマスター クロノメーター認定のムーブメントは、1万5000ガウスという超耐磁性能を備える。さらに、耐摩耗性に優れるDLC加工を施したツインバレルを搭載。本作は特別仕様のメダリオンがあしらわれたソリッドバックを持つため普段は目にすることができないが、てん輪を起点としたアラベスク模様のコート・ド・ジュネーブ装飾が施されるなど、美観にも配慮されたムーブメントだ。自動巻き(Cal.9908)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径43mm、厚さ12.8mm)。50m防水。151万8000円(税込み)。
2024年4月17日、パリ 2024オリンピック・パラリンピックの開催まであと100日というタイミングでリリースされたのが、この「スピードマスター クロノスコープ パリ2024」だ。この43mm径のモデルは、パリ2024 オリンピックのカラーであるゴールド、ブラック、ホワイトに彩られていることが特徴である。
ケース素材は2種類がラインナップされた。ひとつは陽極酸化アルミニウム製ベゼルを備えたステンレススティールのモデル。もうひとつはオメガが独自開発したイエローゴールド合金で、繊細な色合いと色あせない輝きが特徴の18Kムーンシャイン™ゴールド製ケース&ブレスレットにセラミックベゼルを配したモデルである。
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自動巻き(Cal.9909)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。ムーンシャインゴールド™ケース(直径43mm、厚さ12.8mm)。50m防水。794万2000円(税込み)。
このタイムピースで最も注目すべきはダイアルだ。オパリン仕上げのシルバー ホワイトダイアルに、「スピードマスター クロノスコープ」の特徴である1940 年代の“スネイル”デザインを用いて、タキメーター、パルスメーター、テレメーターの3つのタイミングスケールがダークグレーで描かれているのだ。本作を着用すると、さまざまな計測機能が手首に備わることになる。これは、1932年以来担ってきたオフィシャルタイムキーパーとしての役割を通して、オメガがオリンピックにもたらしてきた正確かつ包括的な計時への証しとしてふさわしいだろう。
美しいディテール
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ブラック仕上げのサブダイアル、18Kムーンシャイン™ゴールドのアラビア数字、ムーンシャイン™ゴールドでコーティングされたリーフ型の針とサブダイアルの針など、外観からは美しいディテールが随所に見られる。
印象的なケースバック
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記念となる印象的なケースバックには、フロスト加工のベースに、鏡面仕上げで「パリ2024」のロゴ、“Paris 2024”の文字、そしてオリンピックリングをあしらったメダリオンが施された。このタイムピースとオリンピックとのつながりを物語る仕様と言える。このモデルがコレクションに加われば、第33回オリンピック競技大会への豪華なオマージュとして、永遠に輝き続けるだろう。
ストラップモデルも用意されている
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自動巻き(Cal.9908)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径43mm、厚さ12.8mm)。パンチング加工のブラック カーフスキン。50m防水。146万3000円(税込み)。
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自動巻き(Cal.9909)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。ムーンシャインゴールド™ケース(直径43mm、厚さ12.8mm)。ブラック カーフスキン。50m防水。504万9000円(税込み)。
スペシャルエディション②「パリ 2024 ブロンズ ゴールド エディション」
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手巻き(Cal.8926)。29石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブロンズゴールドケース(直径39mm、厚さ11.7mm)。3気圧防水。184万8000円(税込み)。
もうひとつのスペシャルエディションは、今大会が開催される直前の7月24日にリリースされた「パリ2024 ブロンズゴールド エディション」だ。本作は、オリンピックにとって3つの象徴的な素材すべてを1本のコレクターズアイテムのデザインに取り入れている。その3 つとは、直径39mmケースに採用したオメガ独自の合金である“ブロンズゴールド”、明るく輝くダイアルの“Ag 925 シルバー”、そしてブロンズゴールドのPVD加工を施したスレンダーな針のベースである “18Kセドナ™ゴールド”である。この取り合わせは、金、銀、銅のメダルをほうふつとさせる。なお、Ag925 シルバー(アルゲンティウム・スターリングシルバー)は1%のゲルマニウムを混ぜることで黒く酸化しにくくした銀を意味している。
「パリ2024 ブロンズゴールド エディション」のヴィンテージルックは、 1939年に製造されたクラシックなオメガの腕時計からインスピレーションを得ている。1939年といえば、オメガのスポーツ計時の歴史が幕を開けた頃と重なる。このモデルには、オメガの有名な30T 手巻きスモールセコンドムーブメントが搭載されていた。さらに、当時の技術仕様書には、素材とケースを表す“CK 859”というリファレンスが記されていた。
徹底したヴィンテージルック仕様
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ダイアル中央に施された "クル・ド・パリ"パターンは特筆すべき意匠だ。これはフランスの職人技に由来するもので、非常に繊細でエレガントな装飾を象徴する真の証しである。また、ミニッツトラックと6時位置のスモールセコンドのサブダイアルトラックの部分はサテン仕上げとし、オメガロゴはダークグレーのヴィンテージスタイルにするなど、細部まで凝っていることが分かる。
酸化による緑青が生じないブロンズゴールド
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パリ2024 オリンピック・パラリンピックへのトリビュートとなるこのモデルのケースバックにも、フロスト加工のベースに、鏡面仕上げで パリ2024 のロゴ、“Paris 2024 ”の文字、オリンピック・リングをあしらったメダリオンがエングレービングされた。ブロンズゴールドは、その柔らかなピンクの色合いと緑青に対する比類のない耐食性でも知られており、37.5%の9Kゴールド、パラジウム、シルバーなどからなるオメガ独自の合金である。柔らかなピンク色をたたえるこの合金は、非常に優れた耐食性を持ち、酸化による緑青が生じない。そのため長い時間を経てゆっくりと色合いが深まり、美しい天然のつやが生まれる。
スペシャルエディション③「シーマスター ダイバー300M パリ 2024」
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2023年に発表された「シーマスター ダイバー300M パリ 2024」。本作にもマスター クロノメーター認定であり、かつアラベスク調のジュネーブウェーブとロジウム加工が施されたローター、ブリッジなど特筆すべき点の多いムーブメントを搭載している。自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.7mm)。300m防水。137万5000円(税込み)。
最後に紹介するのは、ひと足早く2023年に発表されていた「シーマスター ダイバー300M パリ 2024」だ。オリンピック精神が根ざしたタイムピースにゴールドは不可欠な要素だ。この42mm径のモデルは、18Kムーンシャイン™ ゴールドとステンレススティールがコンビネーションされている。ムーンシャイン™ゴールドは前述の通り、淡い色合いと退色に対する高い耐性を特徴にもつオメガ独自の合金である。このゴールドを大胆にまとった上品に輝くベゼルには、レーザー加工でダイビングスケールが施されており、かつ12時位置にはスーパールミノバが塗布されている。
パリ仕様の秒針と日付表示のフォント
目を引くダイアルはマットなホワイトセラミックス製で、レーザーで浮き彫りにしたアイコニックな波模様はつややかなポリッシュ仕上げだ。6時位置のブラックの日付はパリ 2024 オリンピック・パラリンピックで使われている数字フォントで、秒針の先には小さいながらもパリ2024 のエンブレムがあしらわれるなど、さりげなくパリ仕様のデザインがちりばめられている。
18Kムーンシャイン™ゴールド製のパリ 2024 の エンブレム
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ケースバックには、18K ムーンシャイン™ゴールドの小さなメダリオンに、ミラー&フロスト仕上げでパリ 2024 のエンブレムがデザインされている。そのメダリオンがはめ込まれたフロスト仕上げのステンレススティール部分には、"Paris 2024 "の文字とオリンピックリングを刻印し、きらりと光るポリッシュ仕上げで象徴的なエンブレムを完成させている。
ちなみにwebChronosでは、本作を実際に着用レビューしているので、参考にしてほしい。
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https://www.webchronos.net/features/113777/
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https://www.webchronos.net/news/118865/
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https://www.webchronos.net/features/112052/
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https://www.webchronos.net/news/118388/