A.ランゲ&ゾーネは、今から25年前、初のクロノグラフ「ダトグラフ」を発表した。最新モデル「ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンスト」は、技術的な複雑さと表現力豊かなデザインが独創的に融合し、その仕上げは卓越した職人技によって極上なレベルにまでに引き上げられている。「ハンドヴェルクスクンスト」限定エディションは、ダイアルとムーブメントに施された装飾が、他を寄せ付けないレベルに達している。
ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンスト
手巻き(Cal.L951.8)。43石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KYGケース(直径41mm、厚さ13.1mm)。3気圧防水。世界限定25本。ブティック限定。※価格は要問合せ。
永久カレンダー表示の修正が必要になるのは、グレゴリオ暦の規則からうるう年とならない2100年の3月1日のみである。また、高精度のムーンフェイズ表示も長期間継続するよう設計されていて、地球の周りを回る月の朔望月の経過を忠実に再現し、122.6年後に初めて1日分の誤差が生じる。
1999年以来、ダトグラフはクロノグラフのベンチマークとなっている。25周年を記念してA.ランゲ&ゾーネは、ブルーダイアルを備えたホワイトゴールド製「ダトグラフ・アップ/ダウン」と、「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”」という2つの魅力的な最高傑作を今年発表している。この記念すべき年に、さらにハイライトとなる限定エディション「ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンスト」が発表された。オリジナルモデルの比類ないダイアルデザインに特別な装飾を施すことによって、芸術的で洗練された外観となっている。/p>
美しいディテールへの挑戦
2011 年以来、「ハンドヴェルクスクンスト」という名称は、ダイアルとムーブメントに特に精巧な装飾を施した、特別な限定エディションを示すために使用されている。果てしない忍耐力、豊富な経験、鋭い観察眼、熟練の技、そして細部に至るまで完璧に仕上げるという絶対的なコミットメント。これらは、A.ランゲ&ゾーネが誇る華麗な装飾を、比類なき高みへと昇華させるため、フィニッシャーやエングレーバーに要求される必須条件なのだ。
ダイアルのトレンブラージュ装飾
「ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンスト」のブラックロディウム仕上げのメインダイアルと、ロディウム仕上げのライトグレーのサブダイアルには、華麗なトレンブラージュ装飾が施され、繊細な光の反射による立体的な構造を生み出している。この技法で、エングレーバーは特別に作られた連発ビュランを使って、きめの細かい表面を作ります。ここでの課題は、最も小さな平面に均一な質感を実現するだけでなく、アーチ型のブランドロゴ、分・秒の目盛り、タキメータースケールなども同時に維持する必要がある。
わずかに下方に移動したサブダイアルとアウトサイズデイトの表示窓とともにレリーフ彫りの彫刻的な輪郭がくっきりと浮かび上がり、暗い背景とのコントラストを際立たせている。まず、アプライドインデックスとローマ数字の端を面取りして表面にヘアライン仕上げを施し、細心の注意を払う必要がある第2のステップで、ダイアル上に配置する。このハンドヴェルクスクンストモデルの針からも、丹念に施された周縁の面取りとヘアライン仕上げを見ることができる。
クロノグラフレバーのブラックポリッシュ仕上げ
見事な職人技は、豪華に仕上げられた自社製Cal.L951.8 の細部にも表れている。例えば、仕上げ職人はクロノグラフレバーの表面にブラックポリッシュ仕上げを施すが、これは特に手間のかかる希少な技法である。これにより、入射光が一方向に反射されるようになる。この角度から見た時のみ、レバーの表面は漆黒に見えるが、他の角度から見ると鏡のような光沢を放つのだ。
洋銀製4分の3プレートのブリッジの粒状の表面は、歴史的な懐中時計からインスピレーションを得ており、ダイアルのトレンブラージュ装飾と対を成すデザインだ。サファイアクリスタルのケースバックのぞくと、手巻きムーブメントの精巧さと機械的な美しさを見ることができる。
蔓がモチーフのハンドエングレービングを施したテンプ受け
テンプ受けに手作業で施されたエングレービングが、最も特徴的なデザイン要素だ。極小でありながら豪華な装飾が施されたムーブメントには、独特で繊細な蔓模様があしらわれ、ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンストを際立たせている。その理由は、従来のランゲのエングレービングとは異なり、蔓模様はレリーフ彫りにされているためだ。
蔓模様のレリーフ彫りはエンボス加工であり、エングレービングのように素材に刻み込まれるものではない。モチーフとはならない部分は、果てしない忍耐をもって取り除かれている。花のモチーフは、A.ランゲ&ゾーネの長年にわたる伝統であり、19世紀、マニュファクチュールがまだ駆け出しだった頃、最初の精密懐中時計をこの花のモチーフで飾っていた。そのため、このキャリバーは、マニュファクチュールのクロノグラフ製造における能力と、芸術的な職人技を示す重要時例となっている。
「ダトグラフ・ハンドヴェルクスクンスト」は、この特別エディションの8番目のモデルであり、直径41.0mm、高さ13.1mm の18Kイエローゴールド製ケースを備えている。この傑作には、非常に多くの職人技が必要となるため、世界限定25本で、ランゲ ブティックでのみ販売される。ロンドン近郊のハンプトンコート宮殿で開催される「コンクール・オブ・エレガンス」でも展示される予定だ。