セイコーグループとセイコーウオッチは、「適応駆動制御」と呼ばれる仕組みを初めて搭載した腕時計セイコー「クオーツ シャリオ」Cal.5931が、独立行政法人 国立科学博物館が認定する2024年度「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に登録されたことを発表した。
選定の理由
本製品は、アナログクォーツウォッチの小型・薄型化および電池の長寿命化を支える「適応駆動制御」と呼ばれる仕組みを初めて搭載した腕時計だ。この適応駆動制御システムにより、電力消費量の7~8割を占めていた、針を動かすためのステップモーターの電力消費量を、従来の約半分にすることが可能になった。この制御システムは、針を動かすステップモーターの駆動パルスを複数種類持っており、モーターの回転ごとに時計の状態を判断し、最小の消費電力となるように駆動パルスを切り替えるものだ。
現在に至るまで、この制御システムは、アナログクオーツウオッチの非常に重要な基本技術の一つと位置づけられており、改良を重ねながら、GPSソーラーウオッチをはじめとするセイコーのアナログクオーツウオッチに採用されている。
「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」とは?
「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」とは、国立科学博物館が、科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していくうえで重要な意義を持つものや、国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたものに該当する資料を選定・登録する制度で、2008 年に制定された。
これまでのセイコー製品の登録は、
・2018年度:世界初のクォーツ式腕時計 セイコー「クオーツ アストロン35SQ」
・2019年度:世界初の6桁表示デジタルウォッチ セイコー「クオーツLC V.F.A. 06LC」
・2020年度:「スパイラル水晶時計 SPX-961」、「音声報時時計ピラミッドトーク DA571」、「超超薄型掛時計 HS301」
・2021年度:ゼンマイで駆動しクォーツで制御する世界初の腕時計「セイコー スプリングドライブ 7R68」であり、これらに続き、7点目の登録となる。
セイコーの未来技術遺産登録製品および一部関連資料は、いずれもセイコーミュージアム銀座(東京都中央区)に常設展示※されている。
登録資料の詳細
名 称 :セイコー クオーツ シャリオ Cal.5931
発 売 年 :1978年(昭和53年)
開発・製造 :第二精工舎(現・セイコーウオッチ株式会社)
セイコーミュージアム銀座について
セイコーミュージアム銀座は1981 年、時と時計に関する資料・標本の収集と保存、研究をする機関として誕生した。そして2020 年、創業の地である銀座に移転。セイコーの製品史のみならず、日時計から始まる世界の時計史の他に、セイコーの創業者・服部金太郎の創業精神やセイコーの歴史を紹介している。さらに、2024 年4 月には、グランドセイコーの進化の歴史を豊富な展示品をとおしてたどることができる「グランドセイコーミュージアム」を新設した。
開館時間:10:30~18:00
休館日 :月曜日、年末年始
開館日、開館時間は、変更することがあります。公式サイトより事前のご予約をお願いします。
事前予約サイト:https://seiko-museum.resv.jp/
公式サイト :https://museum.seiko.co.jp