ブルガリがスイス セーニュレジエのウォッチ工房を大幅に拡張、アートとインダストリーの融合を促進

2024.12.04

ブルガリは、ウォッチの一貫したマニュファクチュールのさらなる発展としてウォッチメイキングにおける重要拠点である、ジュラ山脈に囲まれたセーニュレジエの工房の大幅な改修と拡張が完了したことを発表した。

ブルガリ工房

4400㎡ものウォッチ専用工房

ブルガリ工房

 2024年11月14日にオープンした新しい工房は、ダイアルとケースの生産が1ケ所に集約されたユニークな体制となっている。新しいフロアが追加されたことで、総敷地面積は3400㎡から4400㎡に拡大された。この拡充とウォッチメイキングの多様な工程とともに、垂直統合によってもたらされるシナジーをブルガリは最大限に活用できるようになった。

完璧なマニュファクチュールを実現

ブルガリ工房

 ブルガリは世界中から寄せられる期待に力を得て、最先端の設備を整備するとともにハイエンドウォッチケースの製造力を拡大し、今後も進化していくマーケットの要望に応えていく準備を整えた。今回の拡張は製造メソッドの最新化、各分野同士のコラボレーションの促進、多用途性と万能性を高めることに重点を置いたものだ。また、安全対策の最適化、従業員の働きやすさの向上、生産による環境への影響を減らすことも大切な課題となった。さらに特筆すべきはマニュファクチュールの中心に、芸術とクラフツマンシップの融合に特化したメティエダール専門の部門が設けられたことである。

ブルガリ工房

新設されたメティエダール専門の部署

ブルガリ工房

 ブルガリを象徴するコレクションである「セルペンティ」「オクト フィニッシモ」「ブルガリ・ブルガリ」、そしてハイジュエリーウォッチの功績により、伝統的なメティエダール (芸術的かつ工芸的な技法) で作り出されたダイアルがさらに求められるようになっている。希少な専門知識と芸術的技術の融合から生まれたこれらのダイアルは、ハードストーンと孔雀の羽それぞれのマルケトリ、色石のセッティング、マイクロペインティングに特化した部門で製作されるようになる。クラフツマンシップが発揮される場にふさわしい静寂と落ち着きに満たされたこの新しいスペースには、ダイナミックな流れと呼応力、クリエイティビティが息づいている。

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完備された大型の製造設備

ブルガリ工房

 セーニュレジエのマニュファクチュールにはさまざまな大型の製造設備が整っており、小ロットから中ロットまで対応可能な部門と、クラフツマンシップが駆使される職人の部門がある。これに合わせた人の動きとプロセスの流れ、アイデアの共有と生産の卓越性を高めるために従来のスペースを再設計する必要があった。セーニュレジエにて、製造のプロセスと職人による行程の融合は新たな次元に成長したと言える。わずかな粉塵の混入さえ許されないラッカーダイアルと、複雑なハードストーンのモザイクが同じ工房で作られているということからもそのことがうかがえる。

ブルガリ工房

研磨部門

ブルガリ工房

研磨作業にあてられた「オクト フィニッシモ」のケース。

 研磨部門も充実された。画像で確認する限り、20名を超える職人が様々に異なる形状のケースの研磨工程を担当している。研磨で難しいのは直線の角で、複雑なケース形状を持つオクトの研磨は難しい。

素晴らしく研磨された「セルペンティ」のケース。

約130人のスタッフの健康を考慮

ブルガリ工房

 さらに約130人のスタッフの健康的な生活を考慮し、工房にはレストランと屋外テラスを備えたウェルネスおよびレクリエーションのためのエリアも加えられた。屋根、ファサード、パーキングエリアは、太陽光発電に対応するため再設計された。これらのソーラーパネルは、工房が必要とするエネルギーの25%を供給する。電力消費の削減も同時に考慮され、LVMH グループの基準に沿ったブルガリのサステナビリティへの取り組みが感じられるものとなっている。

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ブルガリ ウォッチ ケース・ダイアル工房

ブルガリ工房

 セーニュレジエの工房の全面的な改修と拡張プロジェクトは、スイス内でウォッチメイキングを行うそれぞれのブランドへのLVMH グループの投資の一環でもある。世界をリードするラグジュアリーグループ LVMHは、25年以上にわたりスイス連邦で盤石な製造拠点を有しており、現時点では10のブランドが15以上の拠点を構えている。LVMH グループウォッチ部門CEOのフレデリック・アルノーによるリーダーシップの下、本部門はこれらの拠点において長期的ビジョンとともに、卓越したクラフツマンシップ、職人の専門知識、特にメティエダールに重きを置いている。この継続的な投資と戦略により、LVMHとブルガリの両社はさらに専門知識と技術を包括的に統合することが叶い、マニュファクチュールの独立性が高まっていく。

従業員数約130名。面積4400㎡(拡張前は3400㎡ )。太陽光発電アレイ:816パネル、総容量360kwピーク。沿革:2009年、ブルガリにより敷地取得。2019年、ケースとダイアルの生産を統合したウォッチ外装工房の設立。2024年、メティエダール部門、スタッフ専用エリアの追加と拡充した。製造部門:プログラミング、3軸および5軸フライス加工、ダイアルパーツ製造、ダイヤモンド研磨、旋削加工、ソルダリング、洗浄。仕上げ部門:手動および自動研磨、サテン仕上げ、バフィング、サンドブラスト加工、レーザー彫刻および装飾。外装処理部門:コーティング、ラッカー。組立部門:組立、防水テスト、パッドプリント、パーツアプライ。メカニカル部門:CNCフライス加工、3Dプリント。メティエダール部門:ジェムセッティング、ジュエリー製作、マイクロペインティング、ハードストーンや羽根を使用したマルケトリ。使用マテリアル:スティール、アルミニウム、チタン、ゴールド、プラチナ、ブロンズ、セラミック、カーボン、ハードストーン。

ブルガリ ウォッチ オートオルロジュリー工房

ブルガリ工房

従業員数:約95名。面積:2300m。開業年:1890年(本館)。2007年(新館)。

  ジュー渓谷、ル・サンティエにある工房では、ムーブメントの開発と製造を行っている。主要製作ムーブメントCal.BVL191をベースとした、オクト フィニッシモムーブメント、ピコリッシモムーブメント、トゥールビヨンムーブメント、ミニッツリピータームーブメント、グランソヌリムーブメントを製作する。

ウォッチメイキングの中心 ブルガリ ウォッチ本社

ブルガリ工房

従業員数 約160名。2300㎡ 開業年1991年。

 設計、技術部門、組立工場、アフターサービスを含む、ブルガリ ウォッチ本社である。

セーヌレジュエのメティエダール部門の手業

 最後にブルガリのメティエダール部門による手業を見せよう。

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Contact info: ブルガリ ジャパン Tel.03-6362-0100


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