ショパールは、フライングトゥールビヨンとビッグデイト表示のパーペチュアルカレンダーを融合したハイコンプリケーションムーブメント、Cal.L.U.C 96.36-Lを発表し、メゾンの歴史に新たな一歩を刻んだ。アトリエが培ってきた専門技術と革新が反映された「L.U.C フライング T ツイン パーペチュアル」は、フォレストグリーンの文字盤を擁する直径40.5mmの18Kエシカルイエローゴールド製ケースが水盤のような輪郭を描き、洗練された気品をたたえる。優れた視認性を誇るゴールド製文字盤には、熟練した職人によって手作業でギヨシェ模様が施され、自在に交換可能な画期的なストラップシステムにより、多彩なスタイルを楽しめる趣向もうれしい。このタイムピースは、クロノメーター認定の精度を誇るだけでなく、その高度な仕上げによって品質を証明するPoinçon de Genève(ジュネーブ・シール)も取得している。
L.U.C フライング T ツイン パーペチュアル
C.O.S.C.認定クロノメーター。ジュネーブシール。パーペチュアルカレンダー。フライングトゥールビヨン。自動巻き(cal.L.U.C 96.36-L)。25石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約65時間。18Kエシカルイエローゴールド™ケース(直径40.5mm、厚さ11.63mm)。30m防水。2721万4000円(税込み)。
キャリバー「L.U.C 96.36-L」
イノベーションを重ね誕生したのが、今回のムーブメント、cal.L.U.C 96.36-Lである。たゆむことなく進化を追求してきたマニュファクチュールの姿勢を物語る、319もの部品で構成されたこのムーブメントは、先例のない技術開発により、これまでの成果が統合され誕生した。マイクロローターとショパールツインテクノロジーを応用した積載式二重香箱により、厚さ6mmのムーブメントにフライングトゥールビヨンと日付表示を担う輪列を収納している。曜日、ビッグデイト、月の表示は、月ごとの日数の違いや閏年に応じて調整する必要はない。パーペチュアルカレンダーは2100年3月1日に1日だけ修正が必要になるが、それは機構の欠陥によるものではない。グレゴリオ暦では、100年ちょうどの年については、400で割り切れる年にだけ閏年を設けると規定されているためである。また、このムーブメントは優れた精度により、パーペチュアルカレンダーのすべての表示を即時表示することが可能となっている。
フライング トゥールビヨン
「L.U.C フライング T ツイン パーペチュアル」は、フライングトゥールビヨンの上部ブリッジのない構造が特徴で、遮るものなく、その姿を楽しむことができる。秒単位での正確な時刻合わせを可能にするストップセコンド機能を備え、トゥールビヨンがムーブメントの精度を高めている。秒表示を備えた「L.U.C」コレクションのすべてのキャリバーと同様に、COSC(スイス公認クロノメーター検定局)の認定を得ており、このモデルにおいては、トゥールビヨンキャリッジの上にスモールセコンドが配置されている。地球の重力と等時性の影響を抑える目的で18世紀に発明されたトゥールビヨンは、最も洗練された複雑機構のひとつであり、卓越した技術の証でもある。長年の研究開発の賜物ともいえるショパールのフライングトゥールビヨンは、まさしくマニュファクチュールの成熟度を物語るものである。
優れたクラフツマンシップの証、ジュネーブ・シール
ラフカットされた部品は手作業で再加工やトリミングが行われ、その後に伝統的な技術を用いて手作業で装飾が施される。用途によって異なる数百もの工具を使用し、たとえブリッジに隠れて見えない場所の部品であっても、同じ作業が行われている。面取り、サテン仕上げ、ポリッシング、サーキュラーグレイン仕上げ、コート・ド・ジュネーブなどを経て、アトリエでの個別検査、手作業での組立へと進む。
ショパールが長年にわたり守り続けてきた権威あるジュネーブ・シールは、高度な職人技と細やかな配慮による品質を証明するものだ。ジュネーブ・シールは審美的、技術的な要素に関する認証であり、ジュネーブ州が制定した法律に基づき、独立機関によって認定されている。構造、外観、精度を含め、ケースとムーブメントに対し、他に類を見ない高度な基準が定められている。ショパールでは、2019年にフライングトゥールビヨンを搭載した初めてのムーブメントを発表して以降、「L.U.C フライング T ツイン」から「アルパイン イーグル フライング トゥールビヨン」に至るまで、このムーブメントを搭載したすべてのモデルが、この栄誉ある品質証明を取得している。
よりスリムに、刷新を遂げたケース
L.U.C コレクション初となる、フライングトゥールビヨンを搭載したハイコンプリケーションモデル、L.U.C フライング T ツイン パーペチュアルには、ムーブメントの仕上げと同調した、さりげなく洗練を感じさせるデザインの新たなケースを採用した。直径40.5mm、厚さ11.6mmというサイズは、どんな手首にもフィットするだろう。ケースは、ポリッシュ仕上げのドーム型ベゼルよりも底面が狭い、水盤のようなフォルムにデザインされている。
新しいケースは、側面にバーティカルサテン仕上げが施され、エレガントなだけでなく操作性にも優れた、縦溝が刻まれたリューズを備えている。緩やかなドーム型のサファイアクリスタルは、ベゼルの曲線と完璧に溶け込み、完成されたバランスの良いフォルムを実現。ラグはケースに溶接される前に独立して製造され、完璧に美しい仕上がりが保証されていることも、優れたクラフツマンシップの証である。ケースデザインを一新したエシカルゴールド製のL.U.C フライング T ツイン パーペチュアルは、まさに時計愛好家のために作られたタイムレスな逸品であり、これからのコレクションのデザインに新たな道をひらくであろう。
手作業によるギヨシェ模様の文字盤
ミニッツトラック下の文字盤外周には同心円状のスネイル仕上げが施され、針とインデックスには、イエローゴールドが採用されている。ショパールのパーペチュアルカレンダーでは、12時位置に大きなふたつの開口部を設け、最もニーズの高いデイト表示を配置している。また、ゴールドで縁取られたふたつのサブダイアルにも、9時位置に配されたカウンターの中央部分を除き、スネイル仕上げが施されている。9時位置のサブダイアルは24時間表示用で、デイ/ナイト表示としても機能する。上部(昼)には太陽の存在を象徴するサンバースト模様が、下部には夜の静けさを思わせる水平モチーフが刻まれている。つまり、すべての表示は、デザインとしての調和だけでなく、完璧な視認性も考慮して構成されているのだ。
注目すべき文字盤のディテール
1997年、ムーブメント、Cal.L.U.C 96.01-Lを搭載した初のタイムピース「L.U.C 1860」を発表したショパール マニュファクチュールは、以来、L.U.Cコレクションを通じて、主要な時計複雑機構をすべて網羅し、卓越した技術を蓄積してきた。フルリエとジュネーブの間で、ショパール マニュファクチュールは、すべてのタイムピースの構想から開発、製造、組立、装飾、認証までを手がけている。時計製造の伝統に対するカール‐フリードリッヒ・ショイフレの熱意ある姿勢により、マニュファクチュールは数々の芸術的技巧や技術を継承し、ハイレベルな仕上げを維持しているのだ。