<動作はこちらから確認できます>プラチナケースの画像の中の動画をご覧ください。
http://www.romaingauthier.com/logical-one/#
プッシュボタン式巻上げ、グレード5チタンケース、28,800振動、直径43mm、50m防水、46時間パワーリザーブ、16,740,000円(税込)
海外ブランドにオリジナルウォッチを注文するケースは少ない。ましてや注文先が独立時計師や新興ブランドの場合、納期も読みづらいし修理の問題もついてまわる。個人でオーダーするなら全て自己責任だが、専門店が「お客様の誰かが買って下さるだろう」と期待して、高額なオリジナルモデルを注文するのは、リスクを覚悟した経営者の趣味ともいえる。言い換えれば「心底、惚れてしまった」のだろう。
神戸の時計文化を牽引してきたカミネが、ローマン・ゴティエに注文したワンオフモデルが、1年の制作期間を経てようやく完成した。2013年のジュネーブウォッチグランプリでMen’s Complications Watch部門のグランプリを受賞し、ローマン・ゴティエの代表作となった「ロジカル・ワン」の特注品である。ケースはグレード5チタンのポリッシュ仕上げに変更され、文字盤はクラシックなホワイトエナメルに変更された。3時位置のプレートに刻印された「PIECE UNIQUE」の文字が、ワンオフであることを証明している。
「THE EVOLUTION OF TRADITION」がローマン・ゴティエの社是である。9時位置のプッシュボタンで香箱を巻き上げるシステムは、他に類を見ない新しい試みだ。動力を伝えるフュゼ・チェーンは、摩擦を軽減するために極小のルビーを繋いだ画期的なものである。しかもムーブメントの地板、ブリッジをはじめ、パーツの磨きは全てジュウ渓谷に伝わる伝統的な手作業で行なわれている。
スイスの時計師たち誰もが尊敬しているフィリップ・ディフォー氏に師事し、デュフォーに認められた仕上げを施していることは、ローマン・ゴティエのホームページにも書かれていない。
「伝統を守りながら革新を図る」ことは難しい。
伝統と革新が交差してきた神戸で、創業111年のカミネが「ロジカル・ワン」のワンオフを注文した理由は、この一点にあったであろう。スタッフの誰もがみな「この仕上げの素晴らしさと技術力の高さをわかる顧客に持ってもらいたい」と思っているに違いない。
Contact info: カミネ旧居留地店 Tel.078-325-0088