2015年にトースティ・ライネにより設立された「ライネ」はフィンランドの時計学校で学び、その技術をランゲ&ゾーネやヴティライネンのような有名な工房で磨いた独立時計製造工房だ。手動操作の機械による複雑なギヨシェ装飾の文字盤、ブラックポリッシュ仕上げをはじめとする細部にまで職人の個性が感じられる作品は、ほとんどが限定モデルだ。2025年5月13日(火)まで、ライネの腕時計が取りそろえられたポップアップフェアを東京・日本橋の髙島屋で開催する。
タカシマヤ ウォッチメゾン 東京・日本橋においてポップアップフェア開催中
2015年にフィンランド出身のトースティ・ライネによって設立された「ライネ」は、2025年で創業10周年を迎える独立時計製造工房である。ランゲ&ゾーネやヴティライネンといった工房で技術を磨き、現在はスイスのラ・ショー・ド・フォンに工房を構える。自らの魂を込めた多くのパーツを自社で製造するため、年間生産数はわずか80数本という稀少性の高いブランドだ。
現在東京においては、タカシマヤ ウォッチメゾン 東京・日本橋においてポップアップフェアが2025年5月13日(火)まで開催されており、その実物を見ることができる。そこにはライネの新コレクションである「P37」に加え、輸入代理店のスイスプライムブランズ創業10周年記念として作られた、「V38」の18Kレッドゴールド製の特別限定モデルが展示される。
自動巻き(ボーシェ Cal.VMF5401)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約48時間。18Kレッドゴールドケース(直径38.0mm、厚さ9.0mm)。481万8000円(税込み)。
新作「P37」コレクションの5種の文字盤バリエーション
P37の心臓部にはプゾーのCal.7001の輪列をベースとし、自社製のブリッジ、ネジ、文字盤、針を加えて再構築したムーブメントが搭載されている。手作業でギヨシェ彫りを施した文字盤は、110年の歴史を持つ手動操作の機械が生み出す精密さと芸術性を体現している。
文字盤のバリエーションは5種類がそろう。「サーモン・スパイダー」は定番のサーモンカラーにダイナミックなスパイダー ギヨシェ装飾を施した文字盤と、熱処理によるブルースティール針を組み合わせている。
手巻き(プゾー Cal.7001ベース)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径37.0mm、厚さ8.0mm)。50m防水。194万7000円(税込み)。
オーシャンブルー・ダイヤモンド
「オーシャンブルー・ダイヤモンド」は他モデルで採用されたものとは少し異なる色味のブルー文字盤で、冷たい海を思わす淡くグレーを含んだ色合いが特徴だ。ダイヤモンド模様のギヨシェ彫りは自社工房で110年の歴史を持つ手動のギヨシェマシンによって仕上げられており、ホワイトゴールド製のアラビア数字やドットと組み合わせている。ストラップはダークブルーのオーストリッチ製だ。
手巻き(プゾー Cal.7001ベース)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径37.0mm、厚さ8.0mm)。50m防水。194万7000円(税込み)。
「スカイブルー・ツイル」はペールブルーにツイル模様(綾織)で装飾した文字盤が配されている。ホワイトゴールド製のアラビア数字やドットが組み合わせられている。ライトブルーのオーストリッチ製ストラップが付属する。
スカイブルー・ツイル
手巻き(プゾー Cal.7001ベース)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径37.0mm、厚さ8.0mm)。50m防水。194万7000円(税込み)。
ムラサキ・フラメ
「ムラサキ・フラメ」は魅力的なブルー・パープルの文字盤だ。正面から見るとほとんどブルーに見えるが、斜めから見るとパープルへと変化する。「ムラサキ」は日本の伝統的な草木染で使用される紫草(ムラサキ)という植物の名前から取られた。フラム(炎)模様のギヨシェ彫りは、他のモデルと同様に手動のギヨシェマシンで刻まれた。
手巻き(プゾー Cal.7001ベース)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径37.0mm、厚さ8.0mm)。50m防水。194万7000円(税込み)。
シルバー・グレイン
「シルバー・グレイン」は三層に重ねたライスグレイン模様のシルバー文字盤と、ブルーのアラビア数字がコントラストを描くモデルだ。合わせられるのはブルーのバベルストラップだ。
手巻き(プゾー Cal.7001ベース)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径37.0mm、厚さ8.0mm)。50m防水。194万7000円(税込み)。
ギヨシェ装飾が施されたムーブメント
ライネの腕時計の特徴のひとつに、ムーブメントが外装と同様に細部まで整えられていることが挙げられるだろう。P37ならば、大きなローズゴールドカラーのブリッジは、手動操作によるギヨシェ彫りで見事に装飾されているのだ。右側にあるステンレススティール製のブリッジは、ブラックポリッシュ仕上げで磨き込まれている。他の17個の部品も同様だ。ギヨシェ装飾の奥に見ることができる地板はフロスト加工がされたもの。他のパーツとのコントラストが印象的だ。
ケースはポリッシュ仕上げが施されたステンレススティール製。直径37mm、厚さ8mmのスリムなサイズで快適な着け心地を実現している。風防はダブルドームのサファイアクリスタル製で無反射コーティングが施されたものだ。裏蓋はフラットなサファイアクリスタルを使用したトランスパレント仕様のため、ムーブメントの装飾を観賞することができる。エレガントでありつつも、5気圧防水の防水性能を誇り、実用性も両立している。
ヴィンテージスタイルのシリンジ針は0.2mm厚のスティール板からカットされた後、手作業によってヤスリをかけて丸みを持たせ、ミラーポリッシュ仕上げが施されている。針は焼き入れによってブルースティールに仕上げられたものだ。
「P37」はコレクション全体で99本の限定生産で、シリアル番号が刻まれている。