パルミジャーニ・フルリエの「トンダ PF オートマティック 36mm」に、新色ストーンブルーのダイアルが登場。コレクションの美意識を象徴する建築的な色彩が、36mmのジェンダーレスなフォルムに新たな表情をもたらす。素材、仕上げ、サイズのバランスが静かな存在感を放つ、現代的なラグジュアリーウォッチだ。
トンダ PF オートマティック ストーンブルー 36mm
パルミジャーニ・フルリエの「トンダ PF」コレクションに、新作「トンダ PF オートマティック ストーンブルー 36mm」が加わった。
同コレクションでは先月に、フルプラチナケースを採用した「トンダ PF マイクロローター プラチナ・ストーンブルー」も発表されているが、今回の新作はサイズ・構成ともに異なるアプローチによってストーンブルーの美を再解釈したモデルとなる。
コンパクトでジェンダーレスな36mmケースに、建築的な色彩美を持つストーンブルーのダイアルを組み合わせた本作は、ミニマルで静謐なデザインに、繊細な表情を添えている。
自動巻き（Cal.PF770）。29石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約60時間。SSケース（直径36mm、厚さ8.6mm）。100m防水。345万4000円（税込み）。
素材とディテールが語るクラフツマンシップ
トンダ PFは、2021年のリブランディングを象徴するコレクションとして誕生した。過剰な装飾に頼らず、本質的なクラフトと造形美によって静かなラグジュアリーを体現してきた。その思想は、36mmモデルにも明確に引き継がれている。軽やかなサイズ感と、計算されたプロポーションは、現代的な感性とヴィンテージの趣を併せ持つ。
ダイアルには、ル・コルビュジエの建築理論に着想を得たストーンブルーを採用。透明感と深みを併せ持つ色彩は、朝空の光や静かな水面の反射を思わせる。表面には、手作業で施されたバーリーコーンパターンのギョーシェ装飾。繊細な彫刻が光を反射し、見る角度によって微細に変化する陰影が立体感を与える。
静かに主張する、36mmのバランス
ムーブメントは、自社製自動巻きCal.PF770。22KRG製のスケルトンローターを備え、パワーリザーブは約60時間だ。裏蓋にはサファイアクリスタルが使用され、精緻なムーブメントの仕上げとともに、シリアルナンバーの刻印が視認できる。
SSケースには、プラチナ950製のローレット加工ベゼルを組み合わせる。トンダ PFの象徴的意匠とも言えるこのディテールは、シンプルな構成の中に確かな技術力を宿す。ロジウム加工された18Kゴールドのインデックスとデルタ型スケルトン針も、静かに洗練された佇まいを支えている。
ブレスレットはケースと一体化したSS製で、ポリッシュとサテンを組み合わせた滑らかな仕上がり。フォールディングクラスプの構造によって、装着時の一体感も高い。
ストーンブルーがまとうのは、単なる色ではなく、思索と美意識の投影である。構造・色彩・仕上げのすべてが調和したこのモデルは、現代における控えめで本質的な豊かさを体現している。
