オメガは長らく待ち望まれていたアイコニックなキャリバー 321 の復活を発表した。アポロ11号の月面着陸から50周年となる今年、このムーブメントを搭載した初のスピードマスター ムーンウォッチが12月に発売される予定だ。
美しく繊細なデザインで知られるオリジナルのキャリバー 321 は、1957年、スピードマスターに搭載された最初のムーブメンだった。このムーブメントがスピースマスター ST105.003 をはじめ、宇宙へ行った数々のスピードマスターに搭載されていたことは有名な話であろう。ちなみに、スピードマスターST105.00ST105.003は、NASA の試験を唯一パスし、公式装備品として認定されたモデルであり、アメリカ最初の宇宙遊泳の際に宇宙飛行士エド・ホワイトによって着用された。そして今回、製造行程における数々の試行錯誤と緻密な研究の末、キャリバー321 はオリジナルの特徴を残したまま、生まれ変わる。
この「スピードマスター ムーンウォッチ 321 プラチナ」では、サファイアクリスタル製のケースバック越しに新たに搭載されたムーブメントを眺めることが出来る。ケースは、その名が示す通り42mm ポリッシュ仕上げの特別なプラチナとゴールドの合金であるプラチナゴールド製(Pt950Au20)だ。ケースのデザインはツイストラグ が付いたアシンメトリーが特徴の第4世代スピードマスター(ST105.012)のケースデザインにインスパイアされている。
ストラップはブラックレザーでプラチナ製バックルを採用。ベゼルはスピードマスターのアイコニックなデザインを踏襲しつつ、ブラックセラミック製ベゼルにホワイトエナメルでタキメータースケールが施された。ステップダイアルにはオニキスを採用し、18Kホワイトゴールドのインデックスと針(センターのクロノグラフ秒針を除く)が、オニキスと完璧に調和している。
目を見張るようなもうひとつの特徴が、月の隕石をあしらった3つのサブダイアルだ。スピードマスターが刻んだ月探査の歴史に敬意を表し、本物の月の隕石のスライスがデザインに組み込まれた。ムーンウォッチの正当な歴史だけでなく、本物の月の一部までも所有できるこのクロノグラフは、究極の宇宙ロマンが詰まった1本であり、その価値は未来でさらに認められるだろう。「スピードマスター ムーンウォッチ 321 プラチナ」は今冬に発売予定だ。手巻き。価格詳細未定。