シンガポールと東南アジア諸国へのオマージュ
本展示会に出品される希少なタイムピースの総数は、過去になかった規模になるらしい。おそらく最初で最後となる豊富な展示作品は、ミュージアムやプライベート・コレクターから特別に貸与されたタイムピースを数多く含んでいるそうだ。七宝細密画により広東港を描いたジュネーブ製作の懐中時計は、極東とヨーロッパ間の貿易の中心地としてのシンガポールの役割を印象深く立証している。これは1830年頃、中国市場により発注されたものである。
七宝細密画により広東港を描いた懐中時計(S-112)
微細な銀箔を埋め込んだクロワゾネ七宝のドーム・クロック(20074M)
微細な銀箔を埋め込んだクロワゾネ七宝で装飾されたパテック フィリップ・ドーム・テーブルクロック《タイの装飾》は、建築装飾や伝統的な織物に体現された、アジア諸国の優れた感性へのオマージュである。また、1810年頃、中国市場向けにジュネーブで製作された桃の形をしたペアのペンダント・ウォッチは、アジアの植物のユニークさを際立たせている。
桃の形をしたペアのペンダント・ウォッチ(S-303A-B)
海底世界をクロワゾネ七宝で描いたドーム・クロック(20087M)
シンガポールの独立50周年を記念して描かれたジュビリーウォークの景色(1677M)
パテック フィリップ・ドーム・テーブルクロック《トロピカル・アイランド》のクロワゾネ七宝による装飾は、海底世界の驚異を目の当たりにさせる。シンガポールの独立50周年を記念して2015年に創作されたパテック フィリップ・ドーム・テーブルロックは、著名な散歩道の美しい景色が題材となっている。また、残念ながら写真は掲載できないが、シャム(現在のタイ)国王ラマ5世が所有していた希少なパテック フィリップ懐中時計2点も展示される。