シチズンと貴金属の製造・販売等を手掛けるギンザタナカによるコラボレーションモデル「CITIZEN × GINZA TANAKA プラチナモデル」が発表された。2020年2月中旬、数量限定16本での発売となる。(クラウドファンディングサイト「未来ショッピング」にて、2019年11月14日より先行予約開始。)
日本の時計業界と貴金属業界の黎明期を牽引した二社によるコラボレーション
シチズンとギンザタナカにはある共通点がある。それはどちらも山崎亀吉氏によって創立されたブランドであるということだ。
ギンザタナカのはじまりは、1892年に「清水商店」(のちに「山崎商店」に社名を変更)の名で開業した貴金属装身具卸である。
山崎氏が日本の貴金属業界に与えた功績は大きい。氏は創業当時、宝石を身につける風習のなかった日本人へその魅力を伝えるだけでなく、K18やK24といった規定を日本で初めて立案するなど、日本の貴金属業界の黎明期を切り拓いてきた。その姿は、1918年に創業され、市民のための国産時計の製造を掲げるシチズン(創業当時、「尚工舎時計研究所」)とも重なる。
そんな両社が創業から100年の時を超えて実現させたのが、今回のモデルである。全体のデザインは、シチズンが1924年に「CITIZEN」の名で世に出した第一号の時計、「16型懐中時計」がモチーフとなっている。
ケースは、プラチナ950を使用したギンザタナカ製のものだ。一般的なプラチナ950では、プラチナ95%にパラジウム等を配合しているが、このモデルではプラチナ95%と金5%を配合し、プラチナにステンレス並みの強度を付加させた。貴金属への豊富な知見を持つギンザタナカだからこそ実現できた特別なケースだと言えるだろう。
日本の時計業界と貴金属業界を牽引した山崎亀吉氏。氏の偉業が100年の時を超え、一つの製品として結実したことを祝したい。