オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ321 ステンレススティール」
2019年に待望の復活を遂げたCal.321は同年、プラチナケースをまとった「スピードマスター ムーンウォッチ 321 プラチナ」に搭載され登場。愛好家を歓喜させたことは記憶に新しい。そして同時に巻き起こったのが、321搭載のSSケースモデル待望論だ。歴史的名機を忠実に再現した同モデルの完成度の高さを見れば、よりオリジナルのムーンウォッチに近い仕様であるSSモデルを期待するのも当然だ。そして2020年1月8日、ついにオメガは待望のSSモデル、「スピードマスター ムーンウォッチ321 ステンレススティール」を発売することを発表。価格も151万円に決定した。
オメガの伝説的キャリバーをステンレススティール製ムーンウォッチに搭載した「スピードマスター ムーンウォッチ 321 ステンレススティール」が新登場する。自動巻き(Cal.321)。17石。1万8000振動/時。SS(直径39.70mm)。パワーリザーブ約60時間。予価151万円(税別)。
月面着陸50周年に発表したCal.321が待望のSSケースに搭載!!
美しく繊細なデザインで知られるオリジナルのCal.321は1957年に発表された初代オメガスピードマスターに最初に搭載されたムーブメントであり、その基本設計は41年のレマニア 27CHRONO C12にさかのぼる。そしてCal.321は、エド・ホワイトが宇宙遊泳を敢行した際に着用した3代目のスピードマスターであるST105.012に搭載されていたことでも有名だ。
月面で最初に着用された時計としても知られるオリジナルのCal.321は68年までスピードマスターに搭載し続けられてきていたが、その後クロノグラフ制御をカム式に変更し、ブレーキレバーを採用したCal.861に変更されている。さらに後年には高品質なロジウムプレートに仕上げを変更しCal.1861と名前を改めたほか、トランスパレントバックモデル用に装飾を施したCal.1863にアップデートされている。
待ち望まれた最新のCal.321はスイスにある専用の工房で2年間にわたり入念な研究と再構築を経て、オリジナルの仕様に沿って復活した。出来るだけ正確に再構築するため、オメガチームはブレゲよりCal.321に関する工具や製造機械をすべて移管した上で、歴史の研究や原型の設計についての情報を収集したという。さらに、宇宙飛行士ユージン・サーナンが1972年のアポロ17号の任務の際に着用した本物のスピードマスターST105.003NOタイムピースの内部を確認するため、デジタルスキャンテクノロジーも用いられた。
この新Cal.321を搭載した最初のモデルである、「スピードマスター ムーンウォッチ 321 プラチナ」は価格が700万円近くと高額だった。そのため、スピードマスターのファンの中には残念な気持ちで諦めた人もいたかもしれないが、今回発売されるステンレススティールモデルの価格は151万円。Cal.1861を搭載する「スピードマスター プロフェッショナル “ムーンウォッチ”」が55万円であることを考慮すれば、割高であることは否めないが、それでも比較的現実的な価格帯でCal.321を搭載するスピードマスターを手元に置くことができる。
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