グランドセイコーは、同ブランド初のメンズジュエリーウォッチを2020年6月19日に発売する。諏訪地方において、冬の朝に見られる「細氷」という自然現象を、ダイヤモンドとブルーサファイアによって表現した美しいダイアルと、約8日間ものパワーリザーブを誇るスプリングドライブムーブメントが魅力のモデルだ。
美しさと実用性を兼ね備えたブランド初のメンズジュエリーウォッチ
ダイヤモンドダストとも呼ばれる「細氷」という自然現象をイメージしたダイアルが美しい。冬の朝の凛とした空気感が見事に表現されている。発売日は2020年6月19日だ。スプリングドライブ手巻き(Cal.9R01)。56石。パワーリザーブ約192時間。Pt(直径43mm、厚さ 13.5mm)。10気圧防水。世界限定10本。グランドセイコーブティック限定モデル(国内)。2000万円(税別)。
国産時計を代表するグランドセイコーより、待望のメンズジュエリーウォッチが発売される。2017年にセイコーから独立した同ブランドは以降、エレガンスやスポーツといったコレクションを発表し、グランドセイコーの持つ哲学を受け継ぎつつも、多様なデザインや機能を持ち合わせたモデルを生み出してきた。そして今年、遂にグランドセイコーにメンズジュエリーウォッチが加わる。
ジュエリーウォッチとして真っ先に触れるべきはその外装であろう。ダイアルのデザインは、諏訪地方において、冬の朝に見られる神秘的な自然現象、「細氷」に着想を得ている。シルバーグレーの中心部分に粒子状のきらめきがランダムに放たれるように仕上げがされており、「細氷」の世界観を際立たせている。
その一段外側には、48個のテーパーバゲットダイヤモンドと12個のバゲットブルーサファイアが隙間なくセットされている。この“隙間なくセットする”ためには、高い技術とコストを要する。同じ色・品質の石をそろえ、それらを正確にカットし、同じ向きと高さでセットする必要があるからだ。
このモデルのように、石がインデックスとしての役割も兼ねているのであれば、求められるレベルも自然と高くなる。また、その更に一段外側には、上品に輝くダイヤモンドとブルーサファイアがセットされている。リュウズにはブリリアントカットが施されたブルーサファイアが一粒セットされており、着用時に袖口からもその美しさを楽しむことができる。ケースには独自の組成のプラチナ950が使用されている。
もちろん、グランドセイコーが誇るザラツ研磨が施されており、歪みのない面とシャープな稜線が、プラチナ950の輝きをより美しいものとしている。
このモデルに採用されている「Cal.9R01」は、セイコー独自のスプリングドライブムーブメントだ。冬の朝の透き通った空気感を表現しているかのような滑らかな運針に加え、3つの香箱によって約8日間もの超ロングパワーリザーブが実現されている。「Cal.9R01」の受けは、非常に珍しく1枚でできている。
複数の軸を受けるこの部品は通常数枚に分割される。どうしても加工精度のバラつきが発生してしまい、1枚で作った際に全ての軸にぴったりと合わせることが難しいからだ。その代わり、受けを一体にすることで、剛性や審美性を高めることができる。「9R01」では、ケースバックから覗く部分に、スプリングドライブの生誕地である諏訪の景色を閉じ込めた。
受け板の形状は富士山、ローターは太陽、ルビーは諏訪の街の灯り、そしてパワーリザーブ表示は諏訪湖がイメージされており、まるで万華鏡を覗くようなワクワク感を楽しむことができる。
グランドセイコーが満を持して発表したメンズジュエリーウォッチ。それは同ブランドの新しい一ページを刻むに相応しい、美しさと実用性を兼ね備えた1本だと言えるだろう。