マイスタージンガーの新作「アストロスコープ」は、見るからに神秘的なデイ表示を持つ。今回発売される2機種は、どちらも夜空を表現する暗い文字盤に天文記号がブルー、またはライトベージュの「Old Radium」で文字盤に表示される。一度見たら忘れられない、個性派ダイアルの読み方とは?
自動巻き(Cal.SW220)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径40mm)。5気圧防水。26万円(税別)。
空を見上げているかのような神秘的なダイアル
6時位置には小さな円形の日付窓があり、「MEISTER SINGER」ロゴの上には地平線を思わせるカットが施されている。地平線の先に見える空につながっているような、ロマンあふれるデザインだ。気になるのは、ダイアル中央部に配置された7つの天文記号。西洋占星術にも通じる記号が並ぶ、存在感のある文字盤は、ぜひ実物を触ってみたいという気持ちにさせられる。
マイスタージンガーにおいて、天文学的なテーマを持つ時計はこれが初めてではない。2018年に発表された、ダイアル上部をほぼ埋めつくす大きなムーンフェイズを持つルナスコープから2番目のモデルとなる。
各曜日を表す文字は下記の通り。
月曜日 Monday, the Moon ☽
火曜日 Tuesday, Mars ♂
水曜日 Wednesday, Mercury ☿
木曜日 Thursday, Jupiter ♃
金曜日 Friday, Venus ♀
土曜日 Saturday, Saturn ♄
日曜日 Sunday, the Sun ☉
独創的なシングルハンド
2001年、ドイツのミュンスターにてマンフレッド・ブラッスラーが設立したマイスタージンガーは、シングルハンド(1本針)の時計のみを製造、販売することで有名だ。これはブラッスラー氏が、中世の塔時計や太古の日時計からデザインの着想を得ていることによる。創業当初は他社製のムーブメントのみを搭載していたが、現在では自社製ムーブメント開発にも力を入れている。
無駄を削ぎ落としつつ個性を際立たせるデザインは、やはりシングルハンドであることによる功績が大きい。時刻を素早く読み取ることができるようになるまでのもどかしさすら、愛しく感じることができそうな時計だ。ちなみに時刻を見るときは、30分を起点として読み取るのがポイント。時分の判読のみならず、天文記号までスムーズに判読できるようになる頃には、すっかりこの時計が相棒となっていることだろう。