ブルガリは新型コロナウイルスと日々闘う医療従事者のため、4月22日より東京都内の感染症指定医療機関へお弁当を無償提供することを発表した。製造は同社が経営するレストランのシェフが担当し、配達までを一貫して行う。
未知のウイルスに立ち向かう医療従事者へ、ブルガリがエールを送る
昨年末に症例が確認されて以来、瞬く間に世界中へ蔓延し、猛威を振るっている新型コロナウイルス。突如現れたこの脅威によって、社会は大きな影響を受けることとなった。感染を防ぐために人々は距離をとって過ごすようになり、娯楽として現代人に豊かな時間を与えてきたレジャー産業は、その機能を果たすことができず壊滅的な損害を被っている。マスクや消毒液をはじめとする物資も不足し、殺伐とした空気に支配されつつあるかに思われる。
しかし、そのような状況下においてただ手をこまねいているわけではない。電機や自動車メーカー等が自社のラインを停止してマスクの生産に乗り出したり、大企業を中心として在宅勤務の体制を整えたり、感染の拡大を防ごうとしている。そして何よりも、第一線で闘い続けている人々がいる。医療従事者だ。医療現場はもともと、人の命を預かるというハードな環境であることは知られているが、今回の事態が彼ら、彼女らにとってさらなる困難を強いていることは各所で報じられている通りだ。ただもどかしいことに、資格を持たない者が直接医療行為を行うことはできない。だがしかし、医療従事者を支援することはできるのではないか。その思いで立ち上がったのがブルガリである。
時計やジュエリー、フレグランスの製造販売だけでなく、ホテルやレストランも経営している同グループは、自社のホテルズ&リゾーツ部門に属するレストラン「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」のエグゼクティブシェフ、ルカ・ファンティン氏によるイタリア料理の弁当を東京都内の感染症指定医療機関へ無償提供することを発表した。同店はミシュランのお墨付きである上、栄養・衛生面にも十分配慮した製造がなされており、彩り豊かなイタリア料理は、過酷な状況で闘う医療従事者に癒しと活力を与えるに違いない。「ブルガリ お弁当プロジェクト」と名付けられたこの取り組みは4月22日から実施され、同日に東京都立駒込病院へ180食が、翌23日に国立国際医療研究センター病院へ200食が提供された。提供を受けた両病院とも、美味しい弁当が現場の励みになると深い感謝を表しており、かなり好評のようだ。この「ブルガリ お弁当プロジェクト」は政府の緊急事態宣言期間中、週に2回のペースで行われ、4月27日は東京都立駒込病院に弁当を提供した。4月28日には国立国際医療研究センター病院へ提供予定である。
同社は今までも数々のCSR活動を行い、社会に貢献してきた。だからこそ、困難に直面したときの支え合いが、いかに大切かを知っているのだろう。今回のプロジェクトが果たす役割は大きいはずだ。